時事解説「ディストピア」

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兵糧攻めにあうウクライナ南東部(それを無視する国連・先進諸国)

2014-06-20 00:13:21 | リビア・ウクライナ・南米・中東
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国際的な法システムは、縫い目が音を立ててはじけるように、まさに崩壊しようとしている。

国連安全保障理事会の欧米のメンバーらが、キエフにおける
ロシア大使館襲撃事件を非難するのを斥けた
という事実が、それを裏付けている。

実際上、この拒否は、外国代表部に対する攻撃が今後許されることを意味している。


ウクライナでは、新たな国際法違反の先例が、毎日のようになされている。

キエフ当局の指示によって、軍や治安諸機関は、国の南部・東部で懲罰作戦を展開し、
砲撃隊や爆撃機が都市や村落を攻撃し、住民が飲料水や食料、医薬品の欠乏に
苦しんでいるにもかかわらず、人道回廊が作られていない。


しかしこうしたすべての事に対し、
欧米の側からは何の非難もなされない。


西側の各種社会団体、政治家、人権擁護組織などは、
かつてユーゴスラヴィアやイラク、リビアなどで、
平和的に暮らす一般住民擁護というスローガンを高らかに掲げ、
軍事作戦に賛成したが、
ことウクライナに限っては目をつぶっている。



そこでは軍隊を握っている国家活動家達が、自国民に銃口を向けても罰を受けない。
住民の頭上には戦闘機が飛びかい、ジュネーヴ条約で禁止されている、
民間施設には使用不可と決められているリン爆弾
(白リン弾;充填する白リンが
大気中で自然燃焼すると吸湿して透過性の極めて悪い煙を発生させることを
利用した発煙弾)を投下しているしかしこれについて、欧米は見て見ぬふりをしている。


そして今度は、世界の世論を、ウクライナ当局が自分の国の南部・東部住民に対し行っている
無法行為に向けようと努力しているロシアを暴力で黙らせようとの行動が起こされた。
14日、土曜日、ウクライナの首都キエフのロシア大使館が暴漢らに襲われたのだ。

彼らは、建物に投石し、ペンキ缶や爆竹を投げつけ、
ロシアの旗をポールから引きずりおろし、大使館員らの車を傷つけた。

この暴力行為は数時間続いたが、ウクライナ警察は、これを止めなかった。
アヴァコフ内相代行も、またデシッツァ外相代行も、攻撃を止めさせる措置を何ら取らなかった。
そしてその後、国連安保理事会の西側メンバー国は、ロシア大使館に対する
キエフでの挑発行動を非難する文書への支持を拒否した
のだった。


ロシアの政治学者ヴャチェスラフ・ニコノフ氏は
「(外交関係に関する)ウィーン条約に違反しているにもかかわらず、
何の罰も与えられずに済んだ」と指摘し、次のように述べた―


「西側は、ウクライナ指導部がしていることを何も非難しない。
南部・東部における懲罰作戦についても、一般市民殺害に関してもそうだ。
そして今回、全く論争の余地のない件に関しても非難の声は上がらなかった。
戦争中でさえ、外交使節団及びその職員に対する不可侵の原則は効力を持っているのに
である。
今回明らかに国際法に違反する行為がなされた。この事が意味するものはただ一つ、
ウクライナは、西側政治家の目から見て、
国際法の規範から除かれており、したい事は何でもできるのである。



キエフ当局がどんなことをしようが、実際、お咎めなしという例は、これまでもあった。
今年2月、欧米支援のもと、ウクライナで軍事クーデターが行われた。

その後、国にはヤヌコヴィチという合法的に選ばれたた大統領が存在するにもかかわらず、
任期満了前の大統領選挙が実施された。
より正確に言えば、国内の一部で実施された。

当時南部・東部地域では戦闘が行われていたし、それは今も続いている。
しかし西側、欧米は、それでも選挙は成立したとみなし、
大富豪のポロシェンコ氏を合法的な大統領と認めた。

そして今や、キエフの新政権は、したい事をやり放題だ。
西側は、その行動を批判も検討もしていない。

さて、こうした先例ができてしまったウクライナの今後は、一体どうなるのだろうか?

続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/2014_06_16/273586260/
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ウクライナ南東部では電気や水道などのインフラ設備、
病院などの医療機関が空爆や砲撃により破壊され、物資に不足しています。

スラビャンスクのように軍に包囲されている町では、
食料の調達もままならない状況下にあるようです。

http://rt.com/news/167028-ukraine-humanitarian-kiev-shelling/

飢餓・・・というレベルにはまだ達していないようですが、
現状ではロシアぐらいしか住民を保護しようとする勢力がいません。


親ロシア派と簡単に言いますが、そのほとんどは現地の住民です。
アルカイダやタリバンと違って、固有名詞がついている組織ではないのです。


先日、南オセチアがルガンスク人民共和国の独立を承認しましたが、
この国もまたグルジアに侵攻され、ロシア軍の力を借りて撃退しました。

その際に先進諸国はロシアを「侵略行為だ」と非難しましたが、
侵略してきたのは間違いなくグルジアのほうです。


このように、確かに中央アジアや東ヨーロッパでは、
親ロシア派と親欧米派との間で対立は存在しているのですが、
それは元をただせば、同地域での紛争を欧米や国連が黙認するのが原因です。


国連がしっかりしていれば、ロシアが乗り出すこともないわけです。
これを頭にシッカリ入れておかないと、同地域の情勢も理解できないことでしょう。


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