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時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

アイヌとコリアン

2014-12-12 20:54:55 | 浅学なる道(コラム)
アイヌとコリアンは共に大日本帝国によって蹂躙された民族だが、
この件について以下の文を紹介したいと思う。


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私は日本全国の100校近い小中学校を講演や特別授業で訪問したことがありますが、
それらの学校で経験したものとは相当な違いがあります。

日本の学校で見られる校内のイデオロギー対立、
授業放棄や学級崩壊、PTAと学校の対立とかがまったくなく、
ウリハッキョに行くとほっとするのです。


アイヌ民族の私の立場からすると、そういう学校が羨ましいかぎりです。


朝鮮学校では、授業は朝鮮語。生徒たちは日本語も朝鮮語もペラペラです。
中学からは英語も学ぶわけですから、バイリンガルとして
国際的に活躍できる大きな可能性を持った学校だと思います。


校内では民族文化の伝承が、みんなで行われています。
学校創立50周年記念の公演(昨年11月)もとても素晴らしいものでした。

学校では日常的に民族楽器の音色が聞こえてきます。


学校を持たないアイヌ民族の一人として羨ましいです。


~中略~


アイヌ民族との共通性

私は世界のこれまでの歴史の中で、
朝鮮民主主義人民共和国の近現代史というものの中で育まれてきた思想、
哲学というのは、世界一ではないかと思っております。


アイヌ民族の近現代史と、朝鮮民族、
在日コリアの近現代史というのは多くの共通点があります。

その根源はまさに日本の植民地政策そのものにあります。


明治政府による対アイヌ政策というのは、言わば欧米列強を真似た植民地支配なのです。

いわゆる明治政府の富国強兵、殖産工業政策、
サムライ社会から近代欧米社会に追いつこうという、
この急激な政策が、結局は天然資源が欲しい、労働資源が欲しいということになり、
それを確保するために植民地支配が行われたのです。

まずその矛先が向かったのが、北海道のアイヌに対してなのです。


国内植民地として、北海道開拓などといって、実際は侵略をしたわけです。
しかもアイヌ民族に対して、旧土人と言う名前を付け、
強制的に日本人にする同化政策をとりました。


この広大な北海道の土地を、主がいない無主地として取り上げてしまいました。

国有化という名のもと、どんどんその後分配していったのですが、
アイヌ民族にとっては、土地を売った覚えもなければ貸した覚えもありません。

そこで得た天然資源は、日清、日露戦争に活用されました。

この事実が「北海道開拓」の本当の姿です。

アイヌ民族に対する創氏改名、民族文化否定といった政策が
朝鮮を植民地化する手法に取り入れられたのはまぎれもない事実です。

戦後、日本は経済大国になったと言われましたが、それは朝鮮戦争で特需があったからです。

なぜこうしたことを忘れるのか、本当に都合の良い人たちだなと、いつも思います。

まさに「高校無償化」問題をはじめとする、
在日コリアンに対する日本政府のやり方というのは、
こういった日本の近現代史を象徴するものに思えてならないのです。


“なせば成る”を実証


私は北海道のウリハッキョ、朝鮮学校を知っています。
民族教育をしっかりやっています。アイヌ民族にとって、
朝鮮学校は母語回復と民族自立の手本になるものと思います。


この地球上でいったい誰が民族の自己決定権を否定できるのでしょうか。
それを日本政府自ら行っていることに怒りを感じます。

とくに最近では、いわゆる「日本人論」が妙な形で台頭しています。

「サムライ日本」の「サムライ」って言わば人殺しなのでは?

何か言ったら、人をぶった切っていい人たちなのですから。

新渡戸稲造がその「日本人論」をカナダで打ち立てて、
欧米の騎士道に対して、武士道なるものをでっちあげたことが実はその由来なのです。
そのことも多くの日本人は知らない。

「なでしこジャパン」の「なでしこ」も同じです。

日本人というのは国際的にいい顔して、いい子ぶるのですが、そこには裏の顔があります。

日本は今、国家の品格そのものが問われています。

国連の常任理事国になりたいと言っていますが、
しかしそれは、自分の国で国連の各種人権法を遵守して
初めて言えることなのではないでしょうか。

chosonsinbo.com/jp/2012/04/uri/
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朝鮮学校を褒めすぎなような気もするが、
自分たちの言語で民族の歴史を学ぶというのが
どれほど恵まれていることかということは伝わってくる。


また、アイヌ民族とコリアン民族の歴史の共通性に関する部分は、
まさにその通りで、大日本帝国は北海道で練習した方策を朝鮮で実践・改良したのである。


強制連行と創氏改名の前身がアイヌ民族への同化政策だった。

この歴史を知らない人間は意外と多い。


これは別に右傾化しているからだとかそういうものではなくて、
いかに学校で習った日本史というものが表面的な事件を
なぞっただけのものであったかということを示してくれる。


極右は、日本史の授業を「反日」「自虐史観」というが、
実際には、むしろ中途半端に教えることで肝心の事実を隠してきたのである。


そういうのも含めて、あと1か月で戦後70年に到達する今、
右翼だけでなく左翼の反省も含めて歴史を見直す時が来たと私は思うのである。

書評紹介 朴 裕河 「帝国の慰安婦」

2014-12-06 00:00:32 | 浅学なる道(コラム)
ネトウヨと大差ない意見を熱を込めて語る朴裕河と対照的に、
イ・ミョンウォン(慶煕大)教授の書評は読んでいて大変ためになった。

一部を紹介したいと思う。なお、全文は以下のページで読める。
http://east-asian-peace.hatenablog.com/entry/2014/07/06/005231

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1. ナヌムの家と「慰安婦」被害者が朴裕河教授が出版した
<帝国の慰安婦>の出版禁止の仮処分申請と名誉毀損訴訟をして、
これに対して朴教授が対応、訴訟をしたことに遺憾の意を表します。

現在の状況では、一審までは行くでしょうが、お互いの間で調整し、和解されるよう望みます。

2. 私は朝鮮人慰安婦を専門的に研究した者ではありません。朴裕河教授も同じでしょう。
私は韓国文学を、朴教授は日本文学を専攻しましたが、
私が慰安婦問題に対して関心を持ったきっかけは、
私の専攻である近代文学の研究から来ました。


6. 沖縄南部の糸満市まぶし君の沖縄平和公園には
いくつかの種類の朝鮮人慰霊施設があります。朴正煕が造成したという朝鮮人の
慰霊碑もあり、平和の礎に記入されている朝鮮半島出身鶴瓶、軍部、慰安婦の角皿雨も、
当時の日本軍32軍司令官である浮島の角皿雨と一緒にいるのも見ました。



7. 沖縄の人々は、現在も日本を「ヤマト」と呼んで、日本人を
「ヤマトンチュ」と呼びます。沖縄を「ウチナー」と自分たちを
「ウチナンチュ」と呼びます。沖縄戦当時に滞在していた朝鮮人たちを「チョセナ」と呼びます。


8. 朴裕河教授は日帝下強制連行された慰安婦と
日本軍との関係をこのような"日本国民"だったと言うが、
沖縄で沖縄人、朝鮮人、日本人たちは朴教授の考えとは異なる考えた行動であった


最も明らかなのは、"馬"が異なっていたため、
沖縄や日本語で似たもの同士会話すると、スパイ容疑で処刑することが日常茶飯事でした。



9. 沖縄の朝鮮人慰安婦は、台湾、南方、朝鮮半島、中国、
粒度する日本軍に沿って沖縄に連行された。中国から来た慰安婦たちは、
日中戦争前後「看護部」を含む「勤労挺身隊」に行って「慰安婦」に転落した人と、
当初から「慰安婦」として強制連行された人々であり、朝鮮半島から
沖縄に強制連行された慰安婦は、1944年10月10日の空爆直後、
軍部と一緒に沖縄に連行された人々です。


12. 後で長く分析するべきですが、朴教授が「アジア女性基金」
及び「強硬派」慰安婦と支援団体を批判している論理は、
大沼保昭・東京大学教授の「慰安婦問題は何だったのか」
(中央公論、2007)の主張と似ていて、多くの部分で同じです。


13. したがって、私は朴裕河教授と議論するよりも、
大沼教授の著作を問題にして、これを批判的に検討するのが
一応先行しなければならないと思います。この問題について
多くの知見を持っているハンギョレのハン・スンドン記者や
中立的な態度を堅持しているキル・ユンヒョン記者などが検討してみるといいと思います。



14. 私は韓国の日本文学学会や歴史学界も問題だと思います
日帝末「慰安婦」問題について、韓国の史学界は、
これは「女性学界」の問題だというふうに研究を放棄しました。

だから、何人かの女性の学者たちと私のような国文学者
たちが議論をすることになったのです。日本で留学生活をした
日本の学者たちが、この問題についてしっかりとした議論をしないで、
今日のような事態が演出されたものです。


15. アジア女性基金は、右派とリベラル、そして北朝鮮問題に
造詣の深い和田春樹教授も参加しました。しかし、日本の吉見教授を
含む慰安婦問題の解決に積極的に良心的左派知識人たちは参加していません

<アジア女性基金>の方は、まるで「第3の道」を開くというふうに、
特に初期の慰安婦の真相究明に尽力した日本国内の左派と
韓国と挺身隊対策協のような支援団体を「強硬派」と非難しました。



16. 大沼保昭氏が中心になった「アジア女性基金」は、
慰安婦ハルモニたちの世俗性を強調しました。歴史的審判が重要なのではなく、
その場で生きていく"お金"が重要である。これを否定してはならない、というふうでした。
日本政府は、過去も今も「道義的責任」をとると言っています。

17. 「道義的責任」という言葉。本当に美しい言葉です。
「法的責任」は話にならない、それは不可能であるが、困難であるとの
免罪ロジックがこの「道義」の真の意味です。


朴裕河教授が巧みに歪曲しているが、
「アジア女性基金」について、日本政府は協力しませんでした。


官民合同募金形式での資金のうち、公的資金は、
ほとんどが「公務員労組」などを中心とした金額であり、
皮肉なことに、在日朝鮮人もの寄付金を出しました。

18. 韓国政府は、金泳三政権と金大中政府を経て、元慰安婦への国家的支援を決定しました。
日本に向けて「お金」ではなく、国の法的責任と賠償を要求している
ものです。

米国政府もこのような韓国の態度を支持し、現在も日本政府を圧迫しています

19. <アジア女性基金」は半分の成功と失敗に終わりました。
今回ムン・チャングク氏の首相指名に反対したセヌリ党議員の
中にイ・ジャスミン議員がいました。なぜでしょう?
フィリピンも日本軍慰安婦の被害国だったからです。

20. <アジア女性基金>事業は終わりました。
アジア女性基金の最初の広告は、韓国の「ハンギョレ」に掲載されており、
当時の東亜日報の記者だったイ·ナギョン(現全羅南道知事)が
これを積極的に評価する記事を書いた事があります。
<アジア女性基金>側で、自分たちのビジネスの目標を説明するために、
韓国の知日派知識人たちとの世論形成をお願いしましたが、
その時にも難色を示したと、大沼教授は「慰安婦問題とはなんであったのか」
で書いています。

その本には、ソウル大学のイ·ヨンフン教授と一緒に
朴裕河教授が「アジア女性基金」を理解する珍しい
韓国の知識人だとして、高く評価されています


21. 慰安婦問題は、単純な国家暴力ではありません。
これは、植民地主義と帝国主義と男根主義が総合された20世紀の悲劇です。

旧日本軍が「慰安婦」の印象を記している文には、
彼女らが「妹」「妻」「同志」だったとか、死を目前に置いた瞬間に
「救いの女」だった式のとんでもない発言が頻繁に登場します。
限界状況での感情的な倒錯だと私は思います。


22. 私たちが慰安婦問題を議論するのは大沼氏や朴裕河教授が言うように
「反日ナショナリズム」のためではありません。私は自分の研究の立場を
「非民族主義的・反植民地主義」の観点に堅持しています。

私と似たような考えをする人も多いことをお知らせいたします。

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朴に代表される日本人と朝鮮人の友好関係を強調する人間は、
得てして大日本帝国国内でのヒエラルキーに無頓着である。


実際には、琉球や朝鮮人は二等市民として扱われていた。
システムとして平等な関係ではなかったのである。

そして、日本の戦争犯罪の場合、大将や高官の個別的責任を
求めているのではなく、大日本帝国の政府や軍部が創造した差別システムに
対して非難しているのであり、そのシステムの設計者として日本政府を訴えているのだ。



このように国家責任を追及する姿勢をガン無視する朴氏の態度は、
後述されているアジア女性基金の全面的な美化と慰安婦の侮辱へ繋がる。


実際に、慰安婦団体が慰安婦を操っているという彼女の言い分が
正しいとするならば、なぜパク氏と協力して第二、第三の慰安婦団体が
設立されないのだろうか?アジア女性基金の申し出を受け入れたために
バッシングを受けた慰安婦もいる。なぜ彼女たちと一緒にパク氏は
何らかのアクションを行わなかったのだろうか?


答えは明白で、パク氏の言説が韓国国内の親日派(※)にしかウケないものだからである。
(植民地時代に日本政府に協力して自国の民を弾圧した連中のこと。
 彼らは第二次大戦後も北朝鮮に対抗する存在として韓国で権力を
 握り続けた。戦後、日本の戦犯が政財界に返り咲いたのと似ている)

===
私たちが慰安婦問題を議論するのは大沼氏や朴裕河教授が言うように
「反日ナショナリズム」のためではありません。

私は自分の研究の立場を「非民族主義的・反植民地主義」の観点に堅持しています。
===


日本の市民団体も同じ気持ちだと思う。
少なくとも私は人種差別とその派生形(帝国主義・植民地主義)に
対して抗う立場から、この問題に対して反対姿勢を取っている。


パク氏を含めた韓国のニューライト、日本の右翼は、
国家責任や法的責任を論じるや否や反日のレッテルを貼り、拒絶する。

これは結局は「日本の戦争犯罪」を語るな、忘却せよという態度である。

しかし、この忘却せよという高圧的な姿勢が皮肉なことに
国際社会に関心を抱かせ、今、着々と糾弾の声が高まりつつある。


そういう意味では、この本は日本政府に対する風当たりが
ますます強くなる原因となるものだろう。もっとも、その代償として
在日・本国コリアンへの異常な差別を助長させることになるのだが。



投票する際の心得

2014-11-19 20:17:18 | 浅学なる道(コラム)
衆院の解散を決断し、総選挙に臨む安倍政権。

「自民、公明与党で過半数を維持できなければ、アベノミクスが否定されたことになり、
 私は退陣する」と明言た安倍。過半数を維持できれば肯定されたと思うのだろうか?

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景気回復どころか2期連続の後退―。

17日発表された7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)は、
予想を超えた景気悪化の深刻さを浮き彫りにするものとなりました。

4月からの消費税増税が消費を冷やし、暮らしと経済を悪化させているのは明らかです。

金融緩和や財政出動など「アベノミクス」で経済を再生し
消費税を連続増税するという戦略は完全に破綻しています。



~中略~

安倍首相がねらっているといわれる、消費税再増税を延期し、
たとえば1年半後に先送りするなどというのはもはや通用しません。

経済と暮らしを破壊する消費税増税は先送り実施ではなく、きっぱり中止すべきです。

景気がよくならないのは「アベノミクス」の効果が行き渡っていないからだ
などといって、加速するのもやめるべきです。

「アベノミクス」は大企業をもうけさせるだけで、
労働者の賃上げや雇用の改善に結びつかず、国民の所得も消費も拡大しません。


株高などで大企業を肥え太らせればやがて国民もうるおうという
「トリクルダウン(滴り落ちる)」ではなく、国民の所得を増やす経済政策に切り替えるべきです。


~(中略)~


「アベノミクス」で景気がよくなることを見越した増税路線は、完全に行き詰まっています。
「アベノミクス」を続ければ、大企業が大もうけをため込むだけで、
景気はよくならず、国民の暮らしは苦しくなる一方です。


消費税の増税をきっぱり中止するとともに、
国民の所得を増やす政策に転換して賃上げと安定した雇用を実現すること、
社会保障の切り捨てから充実への転換、財源は消費税に頼らず、
景気回復と大企業・大資産家の応分な負担で賄う「別の道」に進むべきです。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-18/2014111801_05_1.html
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マルクス経済学が凄いのか、あるいは浜田宏一や岩田喜久男、
高橋洋一らのリフレ派がイカサマ師なのか定かではないが、

少なくとも90年代末以降、
共産党の経済分析は外れたことがない。



私が共産党を支持するのは様々な理由があるが、
第一の理由として経済政策が確かであることが挙げられる。


外交や政治も大事だが、それ以上に大事なのは私たちの生活だ。

働き口があること、人道的な扱いを社内で受けること、
食料を安価で購入し、医療などの社会福祉が充実している。


これが最も実現しなければならない緊急の課題だ。

ところが、自民党が現在進行形でやっていることは、
その逆であり、他の野党も同党に追従する姿勢をとっている。


そのため、結果的に共産党を支持せざるを得ないのである。


というわけで、共産党の議席数が増えるかどうかが気になる今日このごろだが、
投票する際の心がけとして、口のうまい奴に投票してはいけないというのはあると思う。


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核兵器を減らした数はブッシュ両大統領よりも、はるかに少ない―。
今月初め、米紙ニューヨーク・タイムズにこう皮肉られたのはオバマ米大統領です


同紙が示したのは米国科学者連盟(FAS)の最近のリポート。
歴代大統領による核兵器の増減を分析しています。

最も増やしたのはアイゼンハワー大統領(1953~61年)。なんと約1万8千発!

一方、ブッシュ父大統領(89~93年)は9千発以上の減。
イラク侵略戦争の張本人、ブッシュ子大統領(2001~09年)ですら
5千発以上減らしたのに、「核なき世界」を掲げたオバマ政権の削減数は約500発。


今なお約7千発以上保有しているとされます


同政権の核兵器計画にも批判が集まっています。

老朽化した核弾頭や潜水艦などを近代化するもので、
今後30年間の経費は1兆ドル(約120兆円)とも。

ペリー元国防長官らによる報告書(7月)も「負担しきれない」というほど巨額です。


核兵器をめぐっては、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の
発射管制要員の違法薬物所持や試験不正が発覚するなど不祥事が相次いでいます。

14日にはヘーゲル国防長官が立て直し策を発表しました


問題の根源には核兵器部門の予算不足などがあるとし、
「最も優れた知性を引きつけた冷戦時代の威信を回復しなければならない」。

今後5年間で最低75億ドルの追加予算をつぎ込むといいます。

核兵器は残虐なだけでなく、お金を底なし沼のように吸い込みます。
その愚をいつまで続けるつもりか。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-17/2014111701_06_0.html
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オバマに平和賞を贈った連中は何を勘違いしてしまったのだろうか

……と言う資格は自分にはない。

私も黒人が大統領になったということで、
かなり明るい未来を夢描いたものだった。甘かった。甘すぎた。


オバマといえば演説の上手さが挙げられるが、
思えば、ヒトラーも演説の達人だった。


得てして演説のうまさに舌を巻きがちだが、
投票する際には、演説の仕方ではなく、過去にどういう功績を挙げたか、
どういう運動に参加していたのかを予め調べて選ぶようにしたい。

『21世紀の貨幣論』について

2014-10-23 22:23:13 | 浅学なる道(コラム)
どうにもウソくさい本だなと思った。

本書は、物々交換から貨幣が誕生したという定説を否定し、
自説の貨幣史を記したもので、村上浩氏によると、
著者が示した見解が経済学者の中でのコンセンサスになっているという……


……のだが、この発言には留意が必要だろう。
実際、経済史の分野では、そのような話は聞いたことがないし、
著者自身、あの悪名高い世界銀行の顧問であり、評価者もまた
世界銀行の人間であるという時点から、内容はお察しの通りだ。

村上氏に限った話ではないが、リーマン・ショック直前まで
新自由主義経済および小泉構造改革を評価していたエコノミストや経済学者の責任は
非常に重いものであるはずなのに、ショック以降、これといった反省を行わず、
ほとぼりが冷めてから、また世界銀行式の経済史観、経済論を流布するというのは
一体全体なんなのだろうかと憤りを感じずにはいられない。

日本でもアベノミクスという新自由主義への回帰が試みられているが、
これは日本に限った話ではなく、アメリカやヨーロッパもリーマン以前に
戻りつつある。これに異議を唱えてギリシャをはじめとした中堅・弱国の
民衆が活動を展開しているわけで、東ウクライナでの抵抗運動も根本的なところでは
同地域の産業を犠牲にしてまで新自由主義を推進しようとする中央政権への反発がある。


人文系の書評も相当レベル…というかベクトルが非道いもの
(知識も文章力も高レベルではあるが、大勢にこびた内容で本を売らせるための
 おべっかを並べ立てたもの)が多いが、経済書もそうなのかもしれないなと思った。

少なくとも私はジェフリー・サックスと同じ見解に立つ人間を信じられはしない。


インサイダーとアウトサイダー(メモ)

2014-10-16 23:54:06 | 浅学なる道(コラム)
前記事・前々記事で、岩波の座談会に到底選ばれるべきでない人間が
選ばれている一方で、当事者が最初から除外されていることを指摘した。

パレスチナ問題の論客エドワード・サイードは、
インサイダーとアウトサイダーという概念を掲げて知識人について語っている。


インサイダーとは、世論を形成し、体制順応型に誘導し、
特殊な利害に奉仕する知識人を指す。

アウトサイダーは、これとは対極的立場に立ち、
「亡命者にして周辺的存在であり、アマチュアであり、さらには
 権力に対して真実を語ろうとする言葉の使い手」である。


これ以上、サイードは詳しく語っていないが、
要するにアウトサイダーとは権力に迎合しないために、
利益ではなく損害を受ける一方であるが、なお正義を貫く人物を指し、
インサイダーは、その逆(つまり御用学者)を意味するらしい。


私は、これをヒントに新しくインサイダー・アウトサイダーを定義したい。

すなわち、インサイダーとはメディアや学会、議会等の思想を表明する場において
参加を許可されている人間であり、アウトサイダーはその逆であると考える。


これに従えば、先の岩波の座談会を例にすれば、
有田氏や李信恵氏などがインサイダーであり、私はアウトサイダーとなる。


そして、日本の右傾化や左翼の衰退も、このインサイダーが年々、
減っていることに比例していることに原因があるとは考えられないだろうか?


ネットの普及によって、爆発的にアウトサイダーが増える一方で、
インサイダーの人間はアウトサイダーに対して門戸を開放しようとしない。

そればかりか、発言権を有する者は限定されており、
しかも内部の人間を批判しないことを暗黙の参加条件としている。

そのため、朝日や岩波をいまだに左であるかのように認める人間しか
左翼として論壇で活躍できないのではないかと思う。

この件については、さらに考えをまとめたい。
今回はメモの殴り書き程度で終わらせたいと思う。

ドラマ「ぬ~べ~」の衣装の問題について

2014-10-13 22:07:50 | 浅学なる道(コラム)
ジャンプに掲載されたホラー漫画が原作であるドラマ「地獄先生ぬ~べ~」。

2~40代の人間にとっては思い出深い作品だと思うが、
その割には内容がお粗末で、どうして実写化したのかと批判が殺到している。

B級好きの私としては、妖怪にいくら爪で攻撃されても
一切、流血しない主人公を見て「ぬ~べ~マジ丈夫だなー」と思った。


妖怪も良い感じにバレバレのCGで全く怖くない。
これが映画ならZ級映画として後世、語り継がれるだろうに。残念だ。


さて、このドラマにおいて雪女が登場するのだが、彼女の服装が和服ではなくて、
韓国の伝統衣装、チマ・チョゴリだと主張してバッシングをしている連中がいるらしい。




上の女学生が着用しているのがチマ・チョゴリ。
胸に垂らした長い紐と大きなスカートが特徴的であり、
ピンクや白などの花を連想させるドレスのようなものが多い。




韓国ドラマの時代劇では、チマ・チョゴリを着た女性が多く登場する。
では、問題のドラマの服を見てみよう。



http://getnews.jp/archives/681220

ごらんのとおり、全くの別物である。
見るからに低予算なこのドラマ、高価な和服ではなく、
演劇用の衣服を改造して作ったのではないだろうか?


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いろいろな意見があるが、
実は「ジヨンが着物を着たくないからチマチョゴリ風の服装になった」という情報は
デマの可能性が非常に高く、Twitterに書き込みした人物は、
騒ぎが大きくなってからその書き込みを消した。


他の意見として「ぬ~ベ~実写化、確かに出来は悪いし
ゆきめさんにあのキャスティングなのは怒ってもいいけど、
どんなにひどいからって着物NGと言ったとかチマチョゴリ風だとか
嘘で叩いていいってことにはならないでしょうに」と、冷静な判断をしている人もいた。


「チマチョゴリの襟は胸元で不自然に色が切れるけど
これは裾まで色が伸びてるしチマチョゴリだってミニではないし
着物のように下がまっすぐにならない。上の方の袖は多分振袖由来のものだし
襟の色もよくあるアニメのような誇張表現かもしれない 着物の方が圧倒的に似ている」
という意見もあった。

事実、ゆきめの衣装とチマチョゴリを見比べてみれば、
チマチョゴリとまったく別物であることがわかる。

完全な和服の着物ともいえないが、どちらかといえば着物に近い。

ドラマの出来に意見を書き込むのはいいが、デマを拡散するのだけはやめておこう。

http://getnews.jp/archives/681220
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少しでも韓国くさいものを見ると、即座に自分の妄想をさらけ出し、
罵倒と差別発言を連発する連中に限って日本人を名乗りたがるが、
私はこういう馬鹿どもを平均的日本人として認めたくない。決して。

たかじんは在日コリアンだった?(ある意味納得の事実)

2014-09-10 00:29:11 | 浅学なる道(コラム)
右翼番組で有名な故やしきたかじん氏が、
実は在日コリアンだったのではという疑惑が生じている。

被差別出身者である角岡伸彦氏のノンフィクションについて

http://roodevil.blog.shinobi.jp/Date/20140909/


実際、在日コリアンや被差別の人間のほうが、
自分たちをより執拗に徹底的に攻撃することがある。


ネットの右翼系まとめサイトが好例だが、
毎日のようにチョンとかとか言われて差別されていれば、
よほど自分たちの出自に確かな知識を持たない限りは自信喪失してしまうだろう。


自分は日本人らしくないから差別されるのだと思う人間もいるのである。
こういう人たちがその後、辿る道は二つに一つ。


ひとつは、日本人にペコペコしても差別は解消されないことに気づき、
再び対決姿勢をとるようになるケース。

ふたつは、自分さえよければと死ぬまで自民族を攻撃し続けるケース。


右翼の論客は後者にえてしてなりがちだと思う。


それにしても、極右の論客を割りと高評価しているのが、
被差別出身者というのは、結構すごいものである。


この角岡伸彦という方は、現代の被差別の経済状況は
以前よりも格段に上昇し、もはや差別的とは言えなくなったということを
述べたことで、左派も含めた論壇で評価され、ジャーナリストとなったのだが、
私は、あの文春新書に著書を出した時点で、警戒していた。


予感的中といったところか。


結局、在日コリアンの辺真一氏の在日特権論と同じで、
自分たち民族の経済状況は豊かになっているという歪んだプライドを
振りかざしているうちに、いつのまにか右翼の手下となったわけだ。


彼に対しては、前記のページでかなり納得のいく批判がされている。


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上記記事はたかじんの事を「カリスマ」扱いして
「こんなにたかじんさんは苦労した」みたいな書き方をしているが、
この著者の角岡伸彦とやらは何を言っているのか? 

はっきり言わせてもらうが、
たかじんが同胞だというのがもし事実だとすれば、
筆者はなおさらたかじんという男を絶対に許せない。

この男の極右番組では「従軍慰安婦は捏造」と主張していたのではなかったのか?

朝鮮高校無償化問題でも筆舌に尽くし難い酷い事を
さんざん垂れ流してきたのではなかったか? 

北朝鮮問題でも石丸次郎や高英起らのゴロツキどもを呼んでは
「北朝鮮の脅威」を煽り立てていたではないか? 

自分の出自を徹底的に隠した上で「日本人として」
同胞に危害を加えるような事を言いまくったのだから、
これほど卑劣な奴はいない。

(中略)


同胞に不利益をもたらすような言動を平然と行って、
それで自分の私利私欲ばかりを追求し、社会に害悪を垂れ流す。

「それ(出自)をバネにして彼は歌手として頑張った」
 などと角岡は言うが、笑わせてはいけない。

この男は後にヒットが出ず歌手として完全に行き詰まり、
結局は日本人に媚びへつらい、同胞を売って食い物にする道へ進んだだけの事だ。

(全文は以下のページで)
http://roodevil.blog.shinobi.jp/Date/20140909/
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まさにそのとおりなのだが、解放運動の従事者にも
一定の評価を受けていた人間が、極右の広告塔を讃美する本を
出してしまうというのは、マイノリティ問題の複雑さを物語っている。

共産党による小保方事件の解説は正しい

2014-09-09 23:45:40 | 浅学なる道(コラム)
ウクライナ内戦や北朝鮮外交、領土問題などで異なる……というより、
問題のある意見を持ちながら、なお、共産党を支持するのは、
同党の内政に対する政策に共感しているからだと思う。


一番大事なのは内政であり、生活である。
生活よりも軍事や歴史改ざんに力を入れるような政治家は要らない。


安倍・麻生の右翼コンビがこの1年でやったことと言えば、
軍拡とそれに伴う歴史改ざん、靖国参拝、財界優先の経済政策、
物価(特に輸入品価格)の上昇、酪農家の廃業(輸入していた飼料が高くなったため)、
消費税増税と法人税減税(大企業に減税する分を全国民に負担させる)、
集団的自衛権の容認、東京カジノ化計画等々…生活の向上に直結するものが何一つない。

これに比べて、共産党は生活レベルの問題から物事を考えているので、
読んでいても、首肯できる部分が多いのである。


今月の「経済」(共産党が発行している政治・経済雑誌)に、
偶然、前記事で扱った若手研究者へ対する現状に言及する論文があった。


言いたいことをほぼ言ってくれた……と正直、ちょっと感動してもいる。

特に、小保方論文の問題化の背景には、結果のみを追求する大学側の姿勢と
ポスドク問題(人文・社会・理系基礎などの研究者の就労問題)があることを
明快に論じてみせた功績は大きいと思う。


大げさに言ったが、要するに小保方問題については私と意見を同じくしている。
恐らくだが、実際に院生の状況をきちんと調べた上で書いているのだろう。
(池上彰に見習わせてやりたいぐらいだ)


ここ数年で肌で感じるほど、状況は悪化したと思う。
人員はいっそう減らす一方で、院生への負担は大きい。


正直に告白すると、学部生への卒論の指導などを
院生が教授の代わりに行っているところもある。

理系のほうが非道いらしいが、院生は学費を払いながら下働きをしている。
それでも、なんとかその後の面倒を見てもらえるならいいが、
実際には、わりと無責任で、基本的に自分で努力しなければならない。


要するに、院生への要求(教授レベルの論文、学部生の面倒、論文雑誌の編集)
が高いわりには、リターンが極端に少ないのである。



それでも、今まではハイリスク・ハイリターンだったのだが、
だんだんとハイリスク・ローリターンへと変化していき、
今ではハイリスク・ノーリターンじゃないかと思うレベルにすらなっている。


こういう状況に対して院生はあまりにも無力なので、
大学の姿勢が自発的に改善されない以上、政治の力に頼るしかない。

そういう意味でも、共産党を支持するのは自分の生活に直接
影響の及ぼす分野を働く人間の目線で考えてくれるからに他ならない。


これは、逆を言えば外交には弱いことの表れなのだが、
それでもなお、支持するに値するだろう。
他の政党が事実上の自民党の衛星国家あるいは保護国になっている以上は。

学会の論文投稿システムの問題点と小保方事件、古市氏について

2014-09-09 00:16:17 | 浅学なる道(コラム)
論文の内容はそのままでタイトルを変えたら査読を通った。
あるいは、書かれている文章の順番を変えたら査読を通った。


ありえない話だと思うかもしれないが実際にあったことである。



私自身は、まだまだ新米なので査読など夢のまた夢の話なのだが、
自分自身の経験と照らしてみても、本当に論文を読んだのか?
と言いたくなるコメントを返されることは多い。

上の二例は、その代表的なもので、
審査員の中にはタイトルや初めの部分だけを読んで、
その印象で採用の有無を決めてしまう人がいるような気がする。

もちろん、確かな学会では複数の人間に頼んでいるのだが、
時たま、どの先生も適当に読んでいないかと思うこともあるにはある。


常識的に考えて、論文の内容が掲載するに値するならば、
タイトルだけ変えてくれという話になるはずなのだが、そういうケースは稀で、
実際には、論文の内容には頷けるが、タイトルが悪いので不採用となっている。


そんな馬鹿な!という話なのだが……

(私がよく読んでいないんじゃないかと思うのも、
 タイトル信仰など、存在するわけないと思いたいからでもある。)


順番を変えたら通ったというのも、すごい話で、
研究動向の紹介や、その問題点の指摘を本論で行っているのに、
「先行研究の紹介・論文執筆の意義が記されていない!」という
 ありえない総評を返されたことがある。

「いやいや、書いてるだろう!?」と思ったのだが、
 よくよく考えると、序論には書いていなかった。

ということは、序論(最初の2ページ)だけ読んだのか?という疑念が消えない。



このように、論文の採用には、どうも純粋な内容よりも、テクニック
(適切なタイトルか、文章に誤りがないか、論理構成が妥当か)が重視されているようである。


書いていて本当に嫌になるが、
内容はそのままなのに、書き方を変えるだけで通ることがあるのだ。


その一方で、学会の論文には、編集部からオファーが来る場合もある。

つまり、必死に執筆して送ってもタイトルや序論だけチョロっと読まれて
判断されてしまう一方で、向こうから頼まれて書くこともあるのだ。


そして、実はこのオファー、コネクションが重要だったりする

もちろん、最低限度の実力があるから頼まれるのだが、
正直、研究者の間にそこまで明確な実力の差があるわけではない。


そういうわけだから、自殺した師匠に面倒をみてもらうまで、
小保方氏の学説が箸にも棒にも引っかからなかったのは凄く納得がいく。


そういうコネクションやネームバリューに左右されたり、
不真面目な審査を行っているから、
小保方氏のようなケースが発生するのだ。



私は文系なので、理系とは違うのだが、恐らく事情は同じだと思う。

本当、こういう嫌~~なシステムの中、末端の人間はひたすら論文を執筆し、
送らなければならないというのは非常につらいものではあるが、
まぁ、そうしないと結果的に実績を積めないので仕方ない。


とはいえ、俳優や歌手、作家などにも言えることだが、
向こうは生活手段を約束してくれないので、
こういう若手には厳格な制度では、逆に、右翼陣に仲間入りして、
いい加減な言説を流して小遣いをもらう人間だって出てくるのではないだろうか?

実際に、古市氏などは好例だが、若手の有名研究者は、
研究内容よりも、政治的な立ち位置を評価されている者が多い。

まぁ、断言はできないのだが、少なくとも論壇ではそうだ。

もちろん、若手でも正真正銘の真面目な青年研究者はいるのだが、
あまり目立たない上に、ほんの一部分であり、やはり多数の若手は、
相当、厳しい条件で戦っていると思う(教授たちのように学校側からの
金銭の支援を受けることなく、自腹で研究活動を行っている)


そういう若者に冷たい封建的な業界だから、
逆に小保方氏や古市氏のような事例が出てこざるを得ないのでは?
と私は思えてならない。

人種差別・慰安婦問題に対する日本と世界の認識のズレ 世界の常識は日本の非常識

2014-09-01 00:22:26 | 浅学なる道(コラム)
慰安婦というものは、ホロコーストと同じく、国際的には
第二次世界大戦中にファシズム国家が犯した犯罪として認知されている。

ニューヨークの慰安婦象を日本人(笑)は大騒ぎしているが、
慰安婦問題に対して責任をとることはEU、オランダ、カナダ、フィリピン等、
多くの国や地域の議会で訴えられていることであり、別にこれが始まりではない。


詳しくはここにまとめられている。
http://homepage2.nifty.com/osakaaala/sab7ianfuby0gikaiketugi.htm


さて、先日、いよいよ国連の人種差別撤廃委員会でも同様の見解が取られたようだ。
逃げれば逃げるほど立場が危うくなることにいつになったら気がつくのだろう?


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国連人種差別撤廃委員会(ジュネーブ)は29日、
日本における人種差別撤廃条約の順守状況に関する「最終見解」を発表し、
人種や国籍で差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)を
法律で規制するよう日本政府に勧告しました。


また旧日本軍「慰安婦」問題への対応も不十分だとし、
謝罪と補償を求めました。



最終見解は、右翼団体の街頭宣伝活動でのヘイトスピーチの広がりや、
公職者、政治家による人種差別発言に懸念を表明。


(1)街宣やインターネットを含むメディアでの差別的行為・表現に対する厳正な対応
(2)差別行為にかかわった個人と組織への捜査と訴追
(3)ヘイトスピーチを広げる公職者と政治家の処罰
(4)教育などを通じた人種差別問題への取り組み―などを勧告しました。

同時に、ヘイトスピーチ対策を、
その他の抗議行動などを規制する「口実にしてはならない」とくぎを刺しています。


人種差別撤廃条約は
差別を助長する表現を「犯罪」と定義し、処罰立法措置を義務付けています。

ただ日本政府は「表現の自由」を
保障する憲法との整合性を考慮すべきだとして、履行を留保しています。

最終見解は留保の取り下げを要請しました。


「慰安婦」問題では、
日本政府による実態の認識や被害者への謝罪、補償が不十分だと懸念を表明。

(1)人権侵害の調査を終え、侵害に関与した責任者の処罰

(2)真摯(しんし)な謝罪と適切な補償による「慰安婦」問題の永続的解決

(3)「慰安婦」問題を否定する試みの糾弾―を日本政府に求めました。

人種差別撤廃委員会による対日審査は2010年以来、4年ぶり。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-08-31/2014083101_02_1.html
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ポイントは、

(1)慰安婦問題と人種差別が同列におかれている
(2)ネットの差別発言もヘイトスピーチとして犯罪視されている。
(3)慰安婦を否定する団体の糾弾を求めている

の3点だろう。


在日コリアンと韓国人は、ルーツは同じであっても、
日本人と日系アメリカ人が異なるように、国民としては別々のものである。


ところが、日本の論客には韓国人=在日コリアンと決めつけて攻撃する者がいる。

これは日系アメリカ人を批判するために、日本人を罵倒するような珍プレーなのだが、
気づくやつはそうはいない。まぁ、気づく人は最初から差別なんかしないと思うけれど。



とにかく、歴史の否定・隠ぺい活動と人種差別は並行して、時にはセットで行われている。
国連の発言は、この一連の動きに対応したものなのだろう。


次に、人種差別発言は犯罪であり、ネットだろうとそれは同じだという認識が
日本人の中には、ない。これはハッキリ言える。そんな意識はネトウヨにはない。


きわめつけなのが第3の「否定派をミッチリととっちめること」であり、
日本では反省しているとか言いながら、隠ぺい派の動きを黙認している。


ある意味、他国の政府や被害者が最も訴えているのは、
その種の隠ぺい工作の撲滅なのだから、日本はその声に応えなければならないだろう。


いずれにせよ、この手の勧告は何度も受けてきたが、日本はその都度、無視してきた。
その結果が、現在の日本政府いわく反日(笑)国家の脅威(?)なのだから、
問題を解決したければ、とっとと勧告に従ってアクションを起こすべきだ。


また、左翼も今まで政府の無責任ぶりを批判する一方で、
国内の右翼活動を抑制する法律の提唱をしてこなかった。

これはこれで問題があると思われる。
国連が述べるように、他の抗議活動に支障をきたさない限りでの規制は設けるべきだ。

ネットをみればわかるように、人間の良心に訴えるだけであれば差別は解消されないだろう。