時事解説「ディストピア」

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学会の論文投稿システムの問題点と小保方事件、古市氏について

2014-09-09 00:16:17 | 浅学なる道(コラム)
論文の内容はそのままでタイトルを変えたら査読を通った。
あるいは、書かれている文章の順番を変えたら査読を通った。


ありえない話だと思うかもしれないが実際にあったことである。



私自身は、まだまだ新米なので査読など夢のまた夢の話なのだが、
自分自身の経験と照らしてみても、本当に論文を読んだのか?
と言いたくなるコメントを返されることは多い。

上の二例は、その代表的なもので、
審査員の中にはタイトルや初めの部分だけを読んで、
その印象で採用の有無を決めてしまう人がいるような気がする。

もちろん、確かな学会では複数の人間に頼んでいるのだが、
時たま、どの先生も適当に読んでいないかと思うこともあるにはある。


常識的に考えて、論文の内容が掲載するに値するならば、
タイトルだけ変えてくれという話になるはずなのだが、そういうケースは稀で、
実際には、論文の内容には頷けるが、タイトルが悪いので不採用となっている。


そんな馬鹿な!という話なのだが……

(私がよく読んでいないんじゃないかと思うのも、
 タイトル信仰など、存在するわけないと思いたいからでもある。)


順番を変えたら通ったというのも、すごい話で、
研究動向の紹介や、その問題点の指摘を本論で行っているのに、
「先行研究の紹介・論文執筆の意義が記されていない!」という
 ありえない総評を返されたことがある。

「いやいや、書いてるだろう!?」と思ったのだが、
 よくよく考えると、序論には書いていなかった。

ということは、序論(最初の2ページ)だけ読んだのか?という疑念が消えない。



このように、論文の採用には、どうも純粋な内容よりも、テクニック
(適切なタイトルか、文章に誤りがないか、論理構成が妥当か)が重視されているようである。


書いていて本当に嫌になるが、
内容はそのままなのに、書き方を変えるだけで通ることがあるのだ。


その一方で、学会の論文には、編集部からオファーが来る場合もある。

つまり、必死に執筆して送ってもタイトルや序論だけチョロっと読まれて
判断されてしまう一方で、向こうから頼まれて書くこともあるのだ。


そして、実はこのオファー、コネクションが重要だったりする

もちろん、最低限度の実力があるから頼まれるのだが、
正直、研究者の間にそこまで明確な実力の差があるわけではない。


そういうわけだから、自殺した師匠に面倒をみてもらうまで、
小保方氏の学説が箸にも棒にも引っかからなかったのは凄く納得がいく。


そういうコネクションやネームバリューに左右されたり、
不真面目な審査を行っているから、
小保方氏のようなケースが発生するのだ。



私は文系なので、理系とは違うのだが、恐らく事情は同じだと思う。

本当、こういう嫌~~なシステムの中、末端の人間はひたすら論文を執筆し、
送らなければならないというのは非常につらいものではあるが、
まぁ、そうしないと結果的に実績を積めないので仕方ない。


とはいえ、俳優や歌手、作家などにも言えることだが、
向こうは生活手段を約束してくれないので、
こういう若手には厳格な制度では、逆に、右翼陣に仲間入りして、
いい加減な言説を流して小遣いをもらう人間だって出てくるのではないだろうか?

実際に、古市氏などは好例だが、若手の有名研究者は、
研究内容よりも、政治的な立ち位置を評価されている者が多い。

まぁ、断言はできないのだが、少なくとも論壇ではそうだ。

もちろん、若手でも正真正銘の真面目な青年研究者はいるのだが、
あまり目立たない上に、ほんの一部分であり、やはり多数の若手は、
相当、厳しい条件で戦っていると思う(教授たちのように学校側からの
金銭の支援を受けることなく、自腹で研究活動を行っている)


そういう若者に冷たい封建的な業界だから、
逆に小保方氏や古市氏のような事例が出てこざるを得ないのでは?
と私は思えてならない。


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