ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

日本オオカミ協会の奇妙な論理

2011-01-24 21:21:02 | 再導入
 どうも、日本オオカミ協会(以下オオカミ協会)のほうのブログでキーストーン種について訂正記事が出たようです。読んだんですが、・・・・・・前より酷くなってない?今回は展開の都合上、最後にリンクを貼ります。
まずは、キーストーン種の定義認識について。
以下引用
改めて今の学会内での定義を専門家に聞いてみました。どうやら違っているようです。もっと広くなっていました。
引用終わり
うん、酷いですね。たとえば、僕が前回出した「保全生態学入門」の初版出版は1996年。10年以上前です。もっと広くなっていたって知識のアップデート何年前で止まってるんですか(汗。このほかにもキーストーンのもともとの状態(石組みの橋を支える要で、もとは建築用語)をついこの前まで知らず、漬物石やピンのようなものとしてしばらく前までとらえていたとか・・・。一体あなたはこれまで何を読んできたんでしょうか?
そして出てきた弩級の論理展開。
      あれを見る前に言っておくッ!
      おれは今やつの論理をほんのちょっぴりだが体験した
     い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
        
        あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
       
        『やつはシカをキーストーンでない
         と言っていると思ったらいつのまにか
            キーストーンだと論証していた』
      
      な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
      おれも何を言われたのかわからなかった…
      頭がどうにかなりそうだった…    
      
      池田清彦だとか武田邦彦だとか
     そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
     もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

以下引用
そこから定義が拡大して、先に書いた教科書的な定義「その存在が他の多くの生物種(=生物群集)や生態系(生物群集+環境条件)に広く影響を及ぼすような生物種」ということになるわけです
が、専門家でない身としては、どうもしっくりきませんね。
特に「シカがキーストーン種」という表現は、納得できません。この元々の「キーストーン」という建築のイメージを知ってしまうと。
引用終わり

こんなことを言っておきながら、

以下引用
たとえばその動物がいなくなったらどうなるか、ということを考えれば、
○オオカミがいなくなる⇒シカの増加を抑えるものがいなくなり、生態系崩壊
○シカがいなくなる⇒植物を抑えていたものがいなくなり、植物繁茂?生物多様性増加
結果はまったく逆ではないですか。
引用終わり

いや・・・、それは裏を返せばそれだけシカそのものが植生に与える影響が強いってことでしょうが。なに、逆説的な論証をしてるんですか?

オオカミ協会の見解と裏腹に、海外ではシカをキーストーン種とする見方もそれなりにあるようです。グーグルで「deer keystone」とと検索するとdeer as keystoneといった内容の論文がすぐに見つかります。彼らは海外のことを調べていることをブログで誇らしげに語っていますが、その実、何も調べていないのではないかという疑問が浮かびます。
というか、やっぱり栄養段階の頂点の捕食者以外認める気がないんじゃぁ・・・。シカに納得できないとなるといわんやゾウやビーバーをやですよね。
しかし、まぁずいぶんと酷い認識の人間に公式ブログを任せたものです。オオカミ協会の程度が知れます。

問題の記事「キーストーン種について

・・・何でポルナレフのAAがないかって?エラーで貼れなかったんだよ(´・ω・`)

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