大分県のほうでオオカミ再導入の話があがっているようで、最近のうちのコメントもそのせいでしょうか。今回は日本オオカミ協会(以下オオカミ協会)の生態学の知識についての話です。
まずはこれを見てください。
環境省のオオカミ復活否定コメントへの批評①
( ゜д゜)ポカ~ン
・・・・・・(゜A゜)ハァ!?
最初にこれを読んだ時の僕の感想です。生態学をまがりなりにも学ぶ身としては「ハァ!?」としかなりませんでした。あまりにも杜撰すぎるもので反論とよぶのもおこがましいくらいです。こんなことを堂々と言える生態学徒がいることがいまだに信じられないくらいです。ええ、今も頭の中がポルナレフ状態です。
そんなことばかり言ってもしょうがないので批判に移りましょう。今回はキーストーン種について。
以下引用
①神奈川新聞は、「キーストーン種」をシカだと勘違いしているようです。つまり基本的な知識不足。キーストーン種とは、頂点捕食者のことを言います。この点は誰も異論がないと思います。
引用終わり
異議あり!キーストーン種というのはその生態系内の生物相互作用の要となる種であり、その有無が生態系の性質に大きな影響を与える種のことです。栄養段階で単純に決まっているわけではありません。
HPの方の書評でも同内容のことを言っています
以下引用
その二は、多様な生物によって組み立てられている構造物としての生態系は、要としての生物種を取り去ると崩壊するということ。石組みの頂点に置かれる要石(キーストーン)に譬えられる種とは、紛れもなく「生態系の頂点に立つ捕食者」のことである。注意しなければいけないのは、キーストーン種は「中間」捕食者ではなくて、あくまで「頂点」捕食者なのだ。
引用終わり
はっきり言ってこんなことを臆面もなく言いだす時点でお話にならないです。じゃあ、キーストーン種の例としてよくあげられるラッコやゾウ、ビーバーはどう解釈するんでしょう?ラッコはシャチなどに捕食される彼らの言うところの中間捕食者で、ゾウやビーバーに至っては捕食者ですらありません。
ここで、保全生態学の代表的な教科書にはどうあるか見てみましょう。
文一総合出版の「保全生態学入門」のP64にはこうあります。
以下引用
キーストーン種は、その有無が生態系の性質に非常に大きな影響を及ぼす種である。生物群集における生物間相互作用の要をなす種であるともいえる。群集レベルでの分析がある程度進んだ生態系では、しばしばそのような種の存在が認識されている。ある種の自然あるいは半自然の草原生態系では、大型の草食動物がキーストーン種の役割を担っている。
引用終わり
このほかにもキーストーン種の例としてウサギが紹介されていたりします。
もうひとつ、文一総合出版からですが「保全生物学のすすめ 改訂版」P39からも引用します。
以下引用
生物群集内で、同じ生態学的特徴(ギルド)を持つ種や類似の種からなるグループが、その他の多くの種の生存を左右する重要な役割を果たしていることがあり、このような種やグループはキーストーン種(keystone speacies)と呼ばれる。
引用終わり
この本ではキーストーン種としてコウモリなどが紹介されています。意外に思われる方もいるかもしれませんが、砂漠の植物にとってオオコウモリがポリネーター(送粉者)として果たす役割は大きいのです。
このように、キーストーン種というのは最上位の捕食者に限らないことがお分かりいただけたと思います。いったい、オオカミ協会の人間は生態学の何を学んだというのでしょうか?キーストーン種というのは非常に重要な概念でこれを正しく把握していないというのは生物間相互作用に興味がない、地図も読めないのに山に入るようなものなのですが。
まずはこれを見てください。
環境省のオオカミ復活否定コメントへの批評①
( ゜д゜)ポカ~ン
・・・・・・(゜A゜)ハァ!?
最初にこれを読んだ時の僕の感想です。生態学をまがりなりにも学ぶ身としては「ハァ!?」としかなりませんでした。あまりにも杜撰すぎるもので反論とよぶのもおこがましいくらいです。こんなことを堂々と言える生態学徒がいることがいまだに信じられないくらいです。ええ、今も頭の中がポルナレフ状態です。
そんなことばかり言ってもしょうがないので批判に移りましょう。今回はキーストーン種について。
以下引用
①神奈川新聞は、「キーストーン種」をシカだと勘違いしているようです。つまり基本的な知識不足。キーストーン種とは、頂点捕食者のことを言います。この点は誰も異論がないと思います。
引用終わり
異議あり!キーストーン種というのはその生態系内の生物相互作用の要となる種であり、その有無が生態系の性質に大きな影響を与える種のことです。栄養段階で単純に決まっているわけではありません。
HPの方の書評でも同内容のことを言っています
以下引用
その二は、多様な生物によって組み立てられている構造物としての生態系は、要としての生物種を取り去ると崩壊するということ。石組みの頂点に置かれる要石(キーストーン)に譬えられる種とは、紛れもなく「生態系の頂点に立つ捕食者」のことである。注意しなければいけないのは、キーストーン種は「中間」捕食者ではなくて、あくまで「頂点」捕食者なのだ。
引用終わり
はっきり言ってこんなことを臆面もなく言いだす時点でお話にならないです。じゃあ、キーストーン種の例としてよくあげられるラッコやゾウ、ビーバーはどう解釈するんでしょう?ラッコはシャチなどに捕食される彼らの言うところの中間捕食者で、ゾウやビーバーに至っては捕食者ですらありません。
ここで、保全生態学の代表的な教科書にはどうあるか見てみましょう。
文一総合出版の「保全生態学入門」のP64にはこうあります。
以下引用
キーストーン種は、その有無が生態系の性質に非常に大きな影響を及ぼす種である。生物群集における生物間相互作用の要をなす種であるともいえる。群集レベルでの分析がある程度進んだ生態系では、しばしばそのような種の存在が認識されている。ある種の自然あるいは半自然の草原生態系では、大型の草食動物がキーストーン種の役割を担っている。
引用終わり
このほかにもキーストーン種の例としてウサギが紹介されていたりします。
もうひとつ、文一総合出版からですが「保全生物学のすすめ 改訂版」P39からも引用します。
以下引用
生物群集内で、同じ生態学的特徴(ギルド)を持つ種や類似の種からなるグループが、その他の多くの種の生存を左右する重要な役割を果たしていることがあり、このような種やグループはキーストーン種(keystone speacies)と呼ばれる。
引用終わり
この本ではキーストーン種としてコウモリなどが紹介されています。意外に思われる方もいるかもしれませんが、砂漠の植物にとってオオコウモリがポリネーター(送粉者)として果たす役割は大きいのです。
このように、キーストーン種というのは最上位の捕食者に限らないことがお分かりいただけたと思います。いったい、オオカミ協会の人間は生態学の何を学んだというのでしょうか?キーストーン種というのは非常に重要な概念でこれを正しく把握していないというのは生物間相互作用に興味がない、地図も読めないのに山に入るようなものなのですが。
私も「異議ありっ!!」と手を挙げてました。
っていうか、この文を読んだ時点で、もう他の部分を読む気を失い、すぐにページを閉じました。
最後まで読み切る梨さんの忍耐力に脱帽です。
>最後まで読み切る梨さんの忍耐力に脱帽です。
なんというか、慣れですね。僕ももう3回はポカ~ンとハァ!?を繰り返してますし。彼らがどうしてあんな荒い認識でいられるのか不思議です。キーストーンの概念が提唱された時代から知識がアップデートされるどころか変な方向にねじまがった感じですね。
学問的にはそうなのでしょうけれどフィールドワーク上ではどういうことに
なるのでしょうね?
今日本では「生物群集内で、同じ生態学的特徴(ギルド)を持つ種や類似の種
からなるグループが、その他の多くの種の生存を左右する重要な役割を果たして
いることが」あるという動物が失われてしまった結果として、シカ等の絶対数が
爆発的に増えて草木を食い荒らし、結果として森林が減退していくという現状を
どうとらえますか?
それともこの考え方にも間違いがありますか?
でもないのです。
言葉尻ひとつ取り上げて批判するというのも如何なものかと思いました。
というか、普通はレベルが低すぎて指摘すらされない間違いをわざわざ指摘してもらえたんだから、むしろ感謝するべきではないかと思うのですが、こんな分かりきった間違いを認めることさえできないのがオオカミ協会(もしくはその信者)なのですね。
言葉尻ひとつを取り上げて批判されるのが嫌ならば、言葉を正しく使えば良いだけです。
言葉を吐くというのはそれだけ責任のある事ですよ。 用語を謝って認識し、誤って使って説明するというのは愚かです。
>「その他の多くの種の生存を左右する重要な役割を果たしていることがある動物」がいなくなった事で鹿等が爆発的に増えたのであれば、その動物がいなくなった直後から、もっと早い時期に増えていてもおかしくないのでは?
(ミ^ェ^ミ)さん
事件は会議室で起きているのではない。良い言葉ですね。では、どうしてフィールドでの観察の結果、キーストーン種であることが分かっているラッコやゾウなどの意義を認めないオオカミ協会側の発言は批判しないんですか?
フィールドワークの結果を根拠もなく否定しているのがオオカミ協会ですよ?その程度も分からないのですか?
C-Dさん、Sugarさん
的確な突っ込みありがとうございます。オオカミ協会が初歩的なことも分からないこと。そんなことすら理解できない人間がいることは少々驚きでした。協会側のブログでも文脈云々と必死な言い訳をしている人がいますね。
それにオオカミ協会ではなく、日本オオカミ協会です。
この2つのことはある意味密接な関係があります。
日本オオカミ協会のそもそもの設立理念は、日本の山林をシカ等の
食害から守る方法を模索するところから始まっていると聴いたことが
ことがあります。
言葉遊びに興じるのも結構ですが、果たしてそれが何を生み出すと
いうのでしょうか?また、それが後ろ向きな意見を助長することにも
なると考えたことはおありでしょうか?
いえ、どうやらラッコやゾウは否定しているみたいですよ、日本オオカミ協会の本日付けのブログをお読みください。
シカやウサギがキーストーン種というのを否定しているのですから、ラッコやゾウも同様でしょう。
どうやらキーストーン捕食者しか認めないようですね。
それとも、間違いを指摘されると逆切れして開き直るのが、日本オオカミ狂会なのでしょうか。
とりあえず、「キーストーン種」について知らなくても生活に支障はありませんが、「恥」は知っておいたほうがいいと思います。
いた』というのは故人の生前の言葉の引用ですね。
亡くなった方に意見の違いを正しようもありませんね。
当該ブログの主催者もご自身の見当違いを認めて、新たに解釈した
内容を記述した上で、それでもやはり見解としては『これからは「キー
ストーン捕食者」という表現を使うことにします。』と言っています。
ところで『シカやウサギがキーストーン種というのを否定しているの
ですから、ラッコやゾウも同様でしょう。』などという短絡思考がどこ
から出てくるのか不思議です。
確かに全ての「キーストーン種」に保全の手が差し延べられるに越し
たことはないと思います。
ではSugarさんに逆にお尋ねしますが、ラッコとゾウだけでよいの
ですか?この際全て挙げていただけると大変勉強になります。
当該ブログの主催者はキーストーン種そのものを否定しているのでは
なく、目的意識が日本の森林の保全に向いていて、そのために必要だと
考えていることが『キーストーン捕食者』という造語になっているので
しょう。
更に付け加えれば、『私のコメントは暴走らしいですが、』、『私と
しては、』というように一人称で語られている文章は、日本オオカミ
協会の一員である一個人の言葉ではあるかもしれませんが、同協会の
公式見解とまでみなしていいものかどうか疑問です。