ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

トッラク運転手の定食屋 - ルー・マルミトゥー

2008-06-09 12:55:42 | 食べ物
去年はフランスのレストランについてご報告したいと思いつつも機会がなかったので(というかわたしの怠慢です。すみません)、今年はもっとがんばりたいと思います。

というわけで、第一弾はムシダン(Mussidan)のルー・マルミトゥー(Lou Marmitou)。ここは昨年2軒隣りのイギリス人ブライアンとメリルから教えてもらって行き始めた。街道沿いに位置し、大型トラックの運転手でにぎわう。イギリス人の家族連れもよく見かけ、たまにトランプ遊びを中断して食事を取るフランス人のおやじグループの姿も見られる。入ってすぐのバーの向こう側には、ごく質素なテーブルと椅子が70人分ほど並び、簡易食堂の雰囲気。値段も5コースに赤ワイン付きで、12ユーロ50サンチーム(2,000円ちょっと。昨年は11ユーロだったので、ここにも物価上昇の証が見られる)と手軽。

ここのメニューはかなり奇抜なフランスの田舎のレストランの中でも、特に群を抜いて奇抜ということだ。したがって、ここで出てくるものをして、「フランスのレストランでは」とか「フランスの田舎のレストランは」といったような一般化した言い回しをするのは避けよう。

さて、この日のメニューはというと、最初のコースは夏でも冬でもスープ。この日はインゲン豆のスープであった。ここのスープの特徴は必ずスープの上にパンが乗っていること。前日の残りのパンであろうが、それをスライスしたものをスープの上に並べ、スープがパンに浸透した状態になったところで、大きな器でテーブルに運ばれてくる。これをテーブルごとにみんなで(この日は7人グループ)取り分ける。溶けたチーズの塊かと思ったら、豚の皮だそうだ。だし用ということである。おかげでマメのスープでもこくがある。

次のコースはこれまでの経験(昨年2回)ではサラダであったが、この日はキッシュ・ローレーヌとパテ(写真)。ここでキッシュとパテが出てくるというのも変わっているが、もっと変わっているのは、温かい食べ物(キッシュ)と冷たい食べ物(パテ)が一緒に出てくること。大皿に人数だけのキッシュとパテが乗って出てきて、それぞれで取り分ける。イギリスだと、パテとくれば必ずトーストとバターが付いてくるのだが、ここでは最初にかごに入って出てきたフランスパンだけ。もちろん、バターは無し。

次はメインコースで、ローストビーフか子ガモの足。かえるさんのブログでかわいいマルガモの子供たちの写真を見た後でもあるし、たいして肉がついていないのではないかという現実的な懸念もあり、ローストビーフを選択する。一応注文時に焼き具合を聞かれるが、大皿に乗って出てきたローストビーフのスライスを指してウェートレスの女の子がいうには、「ここからここまでがウェルダンで、ここから先がミディアム」。が、焼き具合にはあまり差は見られなかった。ローストビーフはとても柔らかくて、ジューシーで味わいがあり、おいしかった。が、角切りのフライドポテトの巨大な山には、男性4人を含むわれわれグループもさすがに圧倒されてしまった。

以前、かえるさんもブログの中で、日本のフランス料理のお店での食事について、野菜の摂取量不足を心配していたが、わたしもフランスの料理は野菜が少ないと痛感していた。普通イギリスだとメインコースはたいてい肉にジャガイモのほか温野菜2~3種類くらいがつくのだが、フランスの田舎のレストランだと、肉と炭水化物(フライドポテトが普通だが、マカロニという意表をつくものもあった)だけ。そこで、前菜で野菜を取っておかないと野菜不足になる傾向がある。これについて、フランスの農民は貧乏なので、家で野菜ばかり食べているから、外食には野菜は出てこないのだというのが、隣人ブライアンの説である。

さて、次はフランスではチーズである。イギリスではデザートの後にチーズとなるが、フランスでは逆。また、イギリスではチーズにビスケット(といっても甘くなくて、クラッカーにあたる)とバターがつき物であるが、フランスではチーズにドレッシングをかけた(胡桃のドレッシングが正統派のようである)レタスが出てくる。数種類のチーズの乗った板から各自切り取って自分の皿に取り、次の人にまわす。スープ皿が下げられた後ここまで、このレストランではナイフとフォークおよび皿は変えてくれないので、残さず食べ、骨などは出てきた料理皿に戻し、パンで皿をぬぐった後(もちろんそのパンは食べる)、次のコースに備えなくてはならない。なにしろ5コース12ユーロ50サンチームなので文句は言えない。






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