ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

民主主義的解決

2009-01-23 15:04:24 | スペインの摩訶不思議なローカルニュース
今日のペドロランドは

マドリードに仕事で来た義理の弟が足を伸ばして、昨夜我が家にやってきた。マドリードからは400キロほどで、飛行機だと1時間ほどである。が、予約しておいたアリカンテ行きの便がキャンセルになり、夕食+4時間後のアリカンテ便という航空会社の申し出に対して交渉した結果ムルシア行きの便に変更してもらったと言う。われわれとしては、ムルシア空港のほうがずっと我が家に近いので、かえってそのほうが都合がいい。ところが、それがまた30分の遅延。やっと離陸し、しばらくして急に下降を始めた後、どうやら行き先を変更して、アリカンテ空港に着陸することにしたというアナウンスがあったようだ。

機内にはため息や舌を鳴らす音が漏れ、ぼそぼそとした会話が乗客の間で交わされた。明らかに乗客はみな不満である。スチュワーデスがやってきて、機内後部に座っていた航空会社社員と思われる乗客と言葉を交わした後、("No!"という短くきっぱりした声が航空会社社員から聞かれたそうだ)スチュワーデスがコックピットに消え、その後やっぱり予定通りムルシア空港に到着するというアナウンスがあったということである。

一方、ムルシア空港まで迎えに行っていたわたしと夫に、空港の案内係が近づいてきた。マドリードからの便はアリカンテ行きに変更されたということだ。ムルシア空港は午後11時で閉まるからという理由。アリカンテ空港からムルシア空港まで、乗客はタクシーかバスで連れてこられるということである。やれやれ、それではさらに1時間くらい待たないといけないだろうなとため息をついていると、再び案内係がやってきて、今マドリードからの便が着陸したということだった。11時15分ほど前のことである。

乗客の反対にあった航空会社が行き先変更決定を撤回したわけである。義理の弟はたいへん民主的でよろしいと感動していたが、11時前に到着できるなら、簡単にあきらめずに最初からムルシア空港に行くよう努力しろよと突っ込みたい気分だった。でも、最初に予約していたアリカンテ便がキャンセルされ、結果的にずっと我が家に近いムルシア空港のほうに行けることになり、終わりよければすべてよしということにしておこう。