ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

フランスでの出来事

2006-02-06 16:02:40 | 旅行
土曜日の夜に一応つつがなくスペインに戻った。一応というのは、出発したときと比べて、車の窓ガラス一枚とノートブックパソコンが欠けていた以外は変わりなくということである。

フランスのポワティエ近くのホテルに泊まったときのことである。朝食を済ませると受付嬢に呼び止められた。車のガラスが割れているというのだ。最初はランプのガラスが壊れているとかそんなことだろうと思ったのだが、話を聞くと、夜中にこのホテルの駐車場で車が荒らされたらしい。わたしたちの車を見ると運転席側の後部座席のガラスが割られていた。イギリス食料品をはじめとする価値のないものがあまりにも多いのにうんざりして何も取らなかったのかと最初は思ったのだが、後になってノートブックパソコンが無くなっていることに気がついた。

たいていはノートブックを部屋の中に運び込むのだが、この夜は長いドライブの後、1時間以上もホテルを探し回ってやっと泊まるところが見つかった安堵感もあり、一夜の着替えを入れたバッグ1つを持ってチェックインした後、満足の行く食事を取ったら、すっかり落ち着いてしまった。スペインの近所の人に頼まれたデスクトップパソコンをはじめ、あまりにも多くのものを車に積んでいたのも、ノートブックだけ部屋に運び込むということに思いつかなかった原因の1つかもしれない。

うちの車のほかにも2~3台の車の窓ガラスが割られたらしく、そのうちの一人のフランス人男性と一緒に夫が警察に出向き、届けを出した。車に残された指紋を取ったりしたらしい。実はノートブックパソコンと一緒に、家の売買契約関係の書類を入れたケースも取られていたのだが、泥棒には価値がなかったと見えて捨てられていたそうだ。事件の連絡を受けた警察官がホテルの駐車場近辺を見て回ったときに発見して、これはそっくり戻ってきた。

思いがけず時間をくってしまったが、幸い昨夜のうちに大部分の道のりをこなし、この日は目的地まで300キロ弱を残すばかりだったので、時間的には十分余裕があった。が、つらかったのは車中の寒さ。外は零下2度の寒さである。窓ガラス一枚失っただけとはいえ、走行中は吐く息が白くなるほど車内は寒かった。車に座席ヒーターがついていたのはとてもありがたかった。せめて背中とおしりだけでも温かいのは助かる。これに掛け布団(今回はこんなものまで車に積んでいたのだが、何が幸いするかわからない)をひざに掛けて、寒さをしのいだ。

目的地のモンポンに着いたのは午後2時少し前。家の保険の手続きのため(フランスでは家の売買契約に最終的にサインするときに、契約日当日から家に保険がかかっているという証明書が必要らしい)銀行に行こうとすると、銀行前の駐車場で、不動産屋のフランス人青年・ファブリスに出会った。午後2時に銀行とアポを取ってあるのを知って、迎えに来てくれたということだ。盗難の話を聞くと、しきりにアイムソーリーを繰り返した。わたしたちのことを気の毒に思うというよりは、フランス人として、フランスで嫌な思いをさせてしまってごめんねということらしい。

家の契約は無事に運び、その後でホームセンターに寄って板とガムテープを買い、買ったばかりの家へ行った。ここで車の窓ガラスの応急処置をする。車庫に付属した作業場がとても役に立った(作業机は残っていたので)。これでなんとか残りの道中は寒さをしのぐことができる。

これまで、イギリスとスペインを車で何回も往復したが、盗難に遭ったのは初めて。ハプニングといえば、高速道路でタイヤがパンクしたこと(それもタイヤが裂けて走行不可能になったほど)のと、バルセロナで意図せずに高速道路を降りてしまって危うく迷いそうになったこと、たいへんな雷雨に遭ったことくらいだった。泥棒に遭ったのは、家でも外でもこれが初めてである。わたしはあまり物に愛着を感じない人間なので、ノートブック自体を無くしたことには落ち込んでいないが、スペインのブロードバンド通信用に設定のしてあったパソコンが無くなったのには困った。古いタイプのADSL回線なので、電話会社の人を家に呼んで、有料で設定してもらったのだ。月曜日から通常通り仕事はしないといけないし。が、幸い設定内容をノートに書きとめておいたので(そしてこのノートはパソコンと同じケースには入れておかず、スーパーの袋にほかのがらくたと一緒に入っていた)、デスクトップパソコンのほうに設定をしなおして、無事ブロードバンドが使えるようになった。ノートブックパソコンは、そのうちにまた新しいものを買うかもしれない。

そのほかのフランスの道中話はまた後で。