貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

千歳のかたみ

2021-12-10 14:58:24 | 日記
令和3年12月10日(金)
  芭蕉は、衣川の合戦について、
よく調べ、土地の景色を詳しく解説できた。
 木曾義仲にしても、義経にしても、
好みの武将は、敗れた将軍である。
 ここは判官びいきの姿勢を
正直に文章に書き、
泪し、
句を詠んでいる。
「かねて耳驚かしたる(話を聞いて驚いた。)
二堂開帳す。
 経堂は三将の像(これは芭蕉の思い違いで、
文殊菩薩他二仏)を残し、
三尊の仏(阿弥陀如来、観世音菩薩、勢至菩薩)
を安置する。
 七宝(金・銀・瑠璃などの七つの宝石)
散り失せて珠の扉風に破れ、
金(こがね)の柱霜雪に朽ちて、
すでに頽廃空虚の草むらとなるべきを
四面あらたに囲みて、
甍(いらか)(屋根)をおほひて雨風を凌ぐ。
 しばらく千歳の記念(かたみ)とはなれり。
五月雨の 
   降残してや 
        光堂  


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