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“副業容認”で働き方が変わる!?

2016-04-18 07:30:00 | 経済フロントライン

4月2日 経済フロントライン


4月から社員の副業を認めたロート製薬。
会社は希望に応じて
会社が終わった後や休日に副業することを認める。
目薬で知られるこの会社。
いまアイスキャンディーの製造販売や飲食店経営
伝統野菜の販売など
事業の多角化を進めている。
さらなる新規事業を起ち上げるために
副業で人脈や視野を広げてもらおうというのである。
(ロート製薬 広報・CSV推進部 吉本有希さん)
「副業した人自身の能力やスキルがアップするのはもちろん
 社外の経験をすることで新しい事業に挑戦するときに
 力を持った人がたくさんできる。」
以前から社員の本業以外の仕事を認めてきた富士ゼロックス。
その取り組みが本業にも良い影響をもたらしているという。
営業を担当している杉谷昌彦さん(31)。
本業を終えると杉谷さんはもうひとつの仕事に向かう。
NPOに組織の運営を助言するコンサルティングの仕事である。
こうした活動で本業では得られない知識や経験を得ている。
(富士ゼロックス 杉谷昌彦さん)
「NPOや社会の課題を解決しようとする人と話をすると
 営業の目線と全く違う目線を持っている。」
この会社は杉谷さんの人脈の広さに注目し
新製品の開発会議に参加させている。
社内だけでは出てこない発想を取り込もうという狙いである。
すでに医療の分野で使う製品などで成果を生んでいる。
この会社では他にも社員の本業以外の活動から
木材などに印刷する技術が生まれた。
(富士ゼロックス 研究技術開発本部 グループ長 加藤雅弘さん)
「普段の業務では気付けなかった視点に気づける。
 企業にとってはかなり大きなメリット。」
専門家は副業に対する企業の見方が変わり始めているという。
(一橋大学 イノベーション研究センター 米倉誠一郎教授)
「副業でコネクションがある人の方がはるかに新しい知恵を持ってくる。
 企業側は
 社員が会社にいてくれて
 自分の会社だけで働いているということが意味を持つ時代から
 新しいものを生み出していく
 そこに新しい価値があると気付いた。」 
働く側も本業だけでなく副業をしたいという人が徐々に増えている。
副業を認める企業を紹介する求人サイト。
このサイトを見た人と企業の面接が行われた。
「副業OKということで紹介を受けて応募したんですけど
 いろいろな知見
 経験の幅を広げたいと思っている。」
最近 複数の会社でスキルを磨きたいという人が増えているという。
(求人サイト「パラフト」広報 松本めぐみさん)
「自分のスキルを本業と副業でチャレンジしながら
 相乗効果を持たせる働き方を希望する人が増えている。」
やりたいことを実現するために
積極的に副業を始めた人もいる。
ソフトウェア開発会社のサイボウズに勤める中村龍太さん(52)。
2年前まで別の外資系企業に勤めていたが
もっと幅広い仕事をしたいと副業を認めるこの会社に転職した。
(サイボウズ 中村龍太さん)
「中小企業をITで元気にする。
 地方をITで元気にしたい。
 いくつかのやりたいことが分かってきて
 複数の会社に所属してやることは出来なかった。」
この会社は就業時間内でも副業をすることを認めている。
本業が一区切りつくと社内の会議室に向かう。
そこで始めたのが
中山さんの副業先である別のIT企業「ダンクソフト」の社員との打ち合わせである。
中山さんは営業部門を束ね
全国各地の社員に指示を出している。
さらに土日には
農業を営む会社NKアグリで米やニンジンなど栽培する仕事をしている。
本業以外に二つの副業を掛け持ちしているのである。
(サイボウズ 中村龍太さん)
「大変と言えば大変。
 でも気持ちいいでしょ。
 違う仕事をしていると気分転換にもなる。」
中村さんは農業の仕事を本業にも生かしている。
本業でニンジンの州か首を予測するシステムを開発し
販売を始めた。
副業と本業が相乗効果を生み
大きなやりがいを感じているという。
(サイボウズ 中村龍太さん)
「やりがいは最高にいい。
 私のスキルがそれぞれの会社荷も期待されているし
 それぞれの会社から得たものを1つに集約して新しいことを作っていける。」



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古いランドセルが身近な小物に

2016-04-17 07:30:00 | 報道/ニュース

4月2日 おはよう日本


卒業後に使われなくなったランドセルから作られたピンクのメガネケース。
父親から高校3年生になる娘へのプレゼントである。
「うれしいです。
 店で買えないものなので大事にしたいと思う。」
滝川市でオリジナルの革製品を手がける相川友樹さん。
使い終わったランドセルからペンケースや定期入れなどへのリメークを3月から始めた。
小学校時代の思い出を形として残せないかと
ランドセルから財布を作ったのがきっかけだった。
(相川友樹さん)
「6年間の思い出が詰まっているので
 大事に使ったものを新しく身近なアイテムに変えて
 また身近な存在として手元で使ってもらえたらと思って。」
ランドセルを持った親子が相川さんのお店を訪れた。
近くに住む緒方美記さんと中学2年生の息子脩斗君。
小学校を卒業後物置に眠っていた脩斗君のランドセル。
そこには親子の特別な思いがあった。
脩斗君が小学校2年生のとき母親の美記さんはシングルマザーになった。
3人兄弟の長男として脩斗君は弟たちの面倒を見るなど美記さんを支えてきた。
同級生たちは新しい鞄に買い変えるなか
脩斗君は美記さんに買ってもらったランドセルを6年間使い続けた。
(緒方脩斗君)
「自分でで色を選んだのでやはり思い入れはある。
 6年生の最後あたりはランドセル使ってるのは俺ぐらいしかいなかった。
 親が買ってくれたのでとても大事なもの。」
(母 美記さん)
「6年間 脩斗が頑張った証し。
 ずっと使ってくれたので何らかの形では残したいなと。」
ハサミを入れる相川さん。
ランドセル覆うふたの部分を使って製作する。
1つ1つ丁寧に切り分ける。
限られた素材 
失敗は許されない。
(相川友樹さん)
「思いの詰まった宝箱みたい。
 僕ができることは形を変えること。
 形を変えることによって思いを改めてつなげるアイテムにできる。」
製作を始めて3日
出来上がったのは財布。
学校生活でついた傷はそのまま生かされた。
緒方さん親子が受け取りに来た。
「ご要望どおりの実度るウォレットです。」
(脩斗君)
「僕はどこら辺の傷だがわかる。」
(母 美記さん)
「本当にそのままだね。
 脩斗が使ったまま 
 いいね。
 新たにいろんな楽しみと苦しみと思いをつなげていってほしい。」
6年間の思い出を紡ぐ世界で一つだけの財布。
そしてもうひとつ。
親子で共に歩んだ記憶を共有してほしい。
相川さんがプレゼントしたのはお揃いのキーホルダーである。
給食袋をつりさげる金具も使われている。
(相川友樹さん)
「ランドセルに込められた親御さんの思いはすごい強いと改めて思っている。
 これからも1つ1つ丹精込めて形にしていきたい。」
家族の思い出が詰まったランドセル。
形を変えてこれからも使い続けることが
互いに思いやる家族の心を強くしていく。


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高齢のソメイヨシノ 倒木から守る

2016-04-16 07:30:00 | 報道/ニュース

4月2日 おはよう日本


都内屈指の桜の名所 目黒川。
今年も多くの花見客が訪れた。
しかし足もとに目を向けてみると
目新しいサクラの切り株。
「ちょっと見ない間に切られてしまっている。」
「ちょっとさみしい感じがしますね。」
いまソメイヨシノの木を伐採する自治体が相次いでいる。
目黒区は今年度27本を伐採した。
なぜ伐採しなくてはいけないのか。
全国でサクラの保全活動を行っている樹木医の和田博幸さんは
ソメイヨシノの高齢化を指摘している。
「これはベッコウタケと言いまして
 根元から幹の方まで中を腐れせてしまうキノコ。」
樹齢40年を超えると条件によっては
キノコが生えたり
蛾が卵を生んだりして
木が腐りやすくなるという。
伐採は倒木による事故を未然に防ぐために行われている。
ソメイヨシノの高齢化は都内全域で深刻化している。
都内に植えられた桜の木は約4万4,000本。
その多くが昭和30年前後に街路樹として植えられたソメイヨシノである。
そうした木がいたる所で衰えを見せていると
和田さんは危機感を強めている。
(日本花の会 樹木医 和田博幸さん)
「私たちの調査の結果では樹齢で40年ぐらいをピークに
 気がだんだん弱ってくるというデータを持っている。
 樹齢が40年50年となれば
 都内の桜は徐々に衰えていくものが目立ってくるとは思う。」
こうしたなかサクラを守ろうと動き出している人たちがいる。
植えられたソメイヨシノの多くが高齢化している国立市。
ここで16年にわたって活動をしているのがボランティアの“くにたち桜守”である。
3月に修復を行ったのが1月に降った雪で折れた木。
高齢化で弱っていたことで雪の重みに幹が耐えられなかった。
参加した子どもたちと一緒に空洞化した幹を消毒。
中に土を入れて居度を高め倒れるのを防いだ。
「このままだったら倒れてしまうが
 これから根を生やして延命してあげる。
 永久ではないけれど延命できる。」
新たな桜の木を植える活動も行っている。
かつて地元の小学生と一緒に植えたソメイヨシノが成長し
花を咲かせようとしていた。
(くにたち桜守 大谷和彦さん)
「3年生と一緒に植えた木が
 こんなにでかくなったのでとてもうれしい。
 先代たちが植えた木を次の世代に残していく。
 バトンタッチをする役目だと思う。」
伐採した桜の木を再利用して
売り上げを桜の保護に役立てているところもある。
千代田区が8年前から販売しているのが
「老朽化して伐採したものを使って作っている商品です。」
伐採した桜の木をそのまま使ったキーホルダーや
桜の枝を煮詰めたエキスで染めたハンカチなど4種類。
売り上げの10%が桜の保護活動に使われる仕組みになっている。
現在は桜に卵を生んで木を弱らせる害虫の蛾の捕獲に使われている。
特殊な匂いを放つ紐は
オスの蛾だけをおびき寄せ
メスと交尾をする前に捕まえることができる。
(千代田区 環境まちづくり部 中村文太さん)
「千代田区の桜でほぼ60年くらいなので
 老木が増えてきているということで
 害虫対策をやっていかなければ延命できなくなってきているところ。」
私たちに春を知らせてくれるサクラ
観て楽しむだけでなく
守る努力をしなくてはいけない時に着ている。


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ロシア先住民族 伝統の“犬ぞりレース”

2016-04-15 18:00:00 | 報道/ニュース

4月2日 おはよう日本


ロシア北東カムチャツカ地方では
年に1回壮大な犬ぞりレースが行われている。
気の遠くなるような距離を犬の力を借りて走り抜ける。
距離は
今年は半島を縦断する1,000㎞のコースを3週間かけて走破した。
1日ごとに決められた区間を走り
そのタイムの合計を競う。
犬ぞりを使うのはこの地域に暮らす先住民族の伝統である。

手つかずの自然が残るカムチャツカ半島。
火山群は世界自然遺産に登録されている。
1年の半分以上が雪に覆われる北の大地。
ここではモンゴロイド系などの先住民族が
昔からの移動手段を犬ぞりに頼ってきた。
伝統の犬ぞりの文化。
しかしソビエト時代には先住民族が生活様式の変化を強要されたことで危機に瀕した。
多くの犬が処分された。
失われた犬ぞりの文化が復活したのはソビエトの末期になってからである。
いまから26年前
先住民族の人たちが自らの文化をアピールしたいと考え
犬ぞりレースを始めた。
有志だけで始めたレースだったが
今では地元政府が主催するカムチャツカ地方最大のイベントとなっている。
犬ぞりレース4連覇中のアンドレイ・セマシキンさん(42)。
若いころは都市部で働いていたが
伝統の文化を受け継ごうと
9年前山間部に移り住んだ。
観光客に犬ぞりを体験したもらおうと
伝統文化を紹介する観光施設を経営している。
妻と6人の子どもたち
そして100匹近い犬たちと暮らしている。
シカ肉を煮込んだスープは先住民族伝統の味である。
(アンドレイ・セマシキンさん)
「私は魂の根っこの部分で先住民族の伝統と深く結びついている。」
過酷な環境のなか行われる耐久レース。
1000キロを完走するには入念な準備が必要である。
日々多くの時間を犬の訓練に費やすセマシキンンlさん。
犬ぞりレースはかけがいのないものだと言う。
(アンドレイ・セマシキンさん)
「犬ぞりレースは私たちが先住民族の原点に戻るきっかけを与えてくれた。
 皆とともに自分たちの伝統を守っていきたい。」
3月5日 レース初日
今年は15人が出場した。
犬ぞりのスピードは時速30キロにも達する。
最低気温は氷点下32度。
ソリの上に立ち続ける間
一瞬も気を緩めることはできない。
様々なトラブルにも見舞われる。
雪に足をとられた犬が動きを止めやすんでしまった。
動物相手のため思うようにはいかない。
初日は予想以上に苦労し
その日のゴールに到着したときには
スタートから8時間伍の夜の11時をまわっていた。
連日走り続けること3週間。
4人がリタイアするなか
セマシキンさんは先週ようやくゴールを迎えた。
結果は7位だった。
セマシキンさんは犬ぞりレースを通じて
先住民族の誇りを若い人たちに伝えていきたいと考えている。
(アンドレイ・セマシキンさん)
「苦しいレースだったがゴールに立てたことが幸せ。
 満足している。
 文化や伝統を守り次の世代に伝えることが
 私たち先住民族にとって大きな成果につながると思う。」

この犬ぞりレースをさらに盛り上げようと
地元政府は6年前からレースの初日を記念日にしていて
今年は観光客など約2,500人が集まった。



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中国 2,000万人熱烈切手収集

2016-04-15 07:30:00 | 報道/ニュース

3月31日 キャッチ!



北京にある中国最大の切手市場。
約1,000の店が所狭しと並んでいる。
切手収集家のお目当ては風景が描かれたものから政治スローガンまでさまざまである。
隣の天津市で暮らすショウ・キンさん(31)。
小学校のころから20年以上も切手を集めている。
ショウさんが買い求めたのは
建国の父 毛沢東と
卓球の中国代表チームが地元天津の世界大会で優勝したときのトロフィー。
そして鉄工工場を描いたものなど34枚。
(切手収集家 ショウ・キンさん)
「目録を見るだけで面白いよ。
 切手は色鮮やかだし
 そこに隠された物語を知るのもいいね。」
収集家が手に取る切手は
絵柄や色使いなど中国らしさを感じさせるものが多くある。 
パンダ、万里の長城、シルクロード、三国志etc.
自然や文化の他に中国の歴史を伝えるものもある。
1997年に香港が中国に返還されたのを記念したもの。
また新型肺炎SARSの終息を記念するものまである。
なかでも収集家に人気なのが年賀切手。
待ちきれない多くの人が発売開始の数日前から列を作る。
「泊まり込んで並ぶ価値がある。
 夜は寒いけど幸せな気分ですよ。」
申年の今年
親猿が抱えるのは2匹の子猿。
長年続いた一人っ子政策が終わり
今年から2人目の子どもが持てるようになったことを受けたものである。
庶民に人気の切手収集。
最近では趣味にとどまらず金儲けの手段になっている。
経済発展に伴い
切手の価格が高騰。
もはやとどまるところを知らない。
(切手収集家)
「最初はきれいなものを買っていたが
 今は投資目的で選んでいるよ。」
投資目的で人気なのが赤猿。
1980年 中国で初めて発行された干支の切手である。
中国では干支のデザインが好まれるが
縁起のいい赤色で
発行枚数も限られたことから
額面1円余のこの赤猿は現在1枚20万円ほどで取引されている。
80枚シートだと日本円で2,500万円余の値がつく。
特に投資家が注目するのは昔の切手。
1968年発行の文化大革命のころに作られた切手。
当初 中国政府は販売直前になってこの切手の発行取りやめを決定。
中国がその一部だと主張する台湾が赤く塗られていないためだとか
南沙諸島が描かれていないためとも言われている。
しかし手違いからかその一部が流出。
現在市場でわずか8枚だけが確認されているというスーパープレミアム切手である。
4年前のオークションでは1枚が730万人民元(1億2,500万円)の値がついた。
こうしたなか人気の切手を安く提供する店があるという情報があった。
その店先で見つけたのはあの赤猿。
しかし
(店員)
「北朝鮮発効の切手だよ。」
中国のものと比べてもうりふたつ。
よく見るとハングルが描かれている。
漢字で「申年」と書かれているものの発行された2013年は申年ではない。
価格は中国版の1万5,000分の1。
(店員)
「とにかく赤猿切手であれば中国ではメンツが保てます。」
切手の収集を続けてきたショウさん。
最近お気に入りの店を見つけた。
外国切手専門店で世界各国の切手を取り扱っている。
「旧ソ連の北朝鮮独立記念切手だよ。」
ショウさんが外国切手を買うようになった理由は
同じ年代のものでも中国の10分の1以下の価格で買うことができるからだという。
(切手収集家 ショウ・キンさん)
「好きな切手をいっぱい買えてうれしい。」
お金はなくとも楽しみたい。
中国の切手収集家たちの情熱はますます高まっている。


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ヒット商品を目指せ ウェアラブル最前線

2016-04-14 07:30:00 | 報道/ニュース

3月30日 キャッチ!


テキサス州で開かれた展示会「サウス・バイ・サウスウェスト」。
アメリカでもっとも勢いのあるこのITイベントに
今年は約300のベンチャー企業が参加し
アイデア勝負の試作品を披露した。
今回多くの企業が力を入れていたのがウェアラブル製品である。
ドイツのベンチャー企業が開発した“スポーツウェア”。
取り付けられた電極を通し
筋肉に刺激を与えて負荷をかけることにより
20分の運動で3時間分の筋力トレーニングの効果があると言われる。
(ベンチャー企業担当者)
「30キロの重りを付けているのに相当します。
 トレーニングとしてとても効果的です。」
ニューヨークの美術大学の学生が考えた“身につけるキーボード”。
服に取りつけたアルファベットを触って文字を入力することができる。
(開発した大学生)
「1日10時間以上PCを操作していたら背中が痛くなったので
 これを考案しました。」
会場でとりわけ多くの人だかりができていたのは日本のベンチャー企業のブース。
一見普通のスポーツウェアだが
東京大学の研究室で生まれた特殊な技術を搭載している。
このスーツを着用し画面に映る人物を動かす。
腕や肩などの部分に埋め込まれた6つのセンサーが
体が動く際の微妙な服の伸びを検知。
そのデータを無線通信で送ることで
離れた場所にいても体の正確な動きを把握することができる。
バーチャルリアリティーなどのテレビの操作や
お年寄りや赤ちゃんなどに着せて
健康状態を把握するなどの活用方が検討されている。
(ベンチャー企業 網盛一郎CEO)
「着心地が完全に普通の服と同じものは
 使ってもらえるのではないか。」
ウェアラブル製品の今年の出荷台数の予測は1億1,000万台。
去年より40%の成長が見込まれているが
バッテリーが長く持たないなどの課題を抱えているため
スマートフォンの1割にも満たない数にとどまる見通しである。
中小企業のブースが立ち並ぶ会場内で存在感を見せていたのがソニーのブースである。
開発中の製品を業界関係者に評価してもらおうと
あえてベンチャー企業のイベントに参加した。
これまで製品の情報は発売まで秘密にしていたこの企業としては初めての試みである。
ソニーが最新のウェアラブル製品として開発中なのが
首にかけて使う“マルチメディア端末”である。
首にかけると臨場感あふれる音が聞こえる。
スピーカーから出る音を首の周りに集中させる独自の技術を採用。
イヤホンを装着することなく音楽を楽しめるのが売りである。
さらにこの端末には音声を認識して作動するカメラを内蔵。
プライバシーの問題に配慮し
撮影の時だけカメラがあらわれる仕組みである。
ブースでは有力なITメディアの記者や他社の開発者が次々に訪れ
試作品に触れる姿が見られた。
(元アップル社員)
「これを街で付けて音楽は聴かないね。」
(IT業界メディア カリッサ・ベル記者)
「GPSやカメラなどもついていて
 手で操作をしなくても済むのもいいです。
 実際に商品化されるのを期待します。」
一般公開が終了した後
開発担当者はこのイベントで得た様々な意見をまとめていた。
「音漏れとか気にしていた?」
「『音が漏れて聞こえているの?』と隣の人に聞いた人が3,4割いた。」
「音楽を見に付けるのが“新しいファッション”と言ってくれる人がいた。」
この製品は現時点では商品化の予定はないが
展示会での評価を生かし
今後も開発を続けていく予定である。
(ソニー システム研究開発本部 丸尾淳 副本部長)
「可能性はある。
 ソニーから新しいものが出て
 あ、こんなものがあったのか
 という反響があればウェアラブルの次のブレイクスルーになるのではないか。」
多くの消費者に受け入れられるウェアラブル製品とは何か。
ヒット商品を目指す開発者たちの挑戦が続いている。



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歓迎!日本人観光客 韓国の地方バスツアー

2016-04-13 17:00:00 | 報道/ニュース

3月30日 キャッチ!


朝7時 日本人観光客が続々と観光バスに乗り込む。
韓国観光公社が始めたバスツアー
日本人観光客を対象にソウルから地方都市を日帰りで往復する。
費用は昼食付きで約5,000円。
観光公社がバス代を負担している。
ソウルから3時間半
一行は韓国東部の町アンドンに到着。
土曜日にもかかわらず地元の自治体が出迎えた。
「皆さんのアンドンご訪問を心よりお喜び申し上げます。」
もっとも韓国らしい村と言われ
数多くの文化財を残すアンドンだが
日本人観光客の出足はかつてほどではなくなった。
2004年放送の韓国ドラマ「冬のソナタ」をきっかけに
日本中で沸き起こった空前の韓流ブーム。
ドラマのロケ地を訪ねようと多くの日本人が韓国各地を訪れた。
その後も韓国の食事や文化を楽しむ人が増え
韓国旅行は定着したように見えた。
しかしイ・ミョンバク大統領の竹島上陸による日韓関係の悪化をきっかけに
観光客の数は減少に転じ
さらにマーズや円安の影響も加わり
去年の日本人観光客数は4年前の約半分にまで落ち込んだ。
そこで日本人観光客を呼び戻そうと
韓国観光公社は新しいプロジェクトを起ち上げた。
年間230万人の日本人観光客を誘致し
約2,000億円の経済効果を期待するものである。
日本人観光客の95%は個人旅行者で
ソウルなどの大都市にとどまっているのが現状である。
そこで個人でも気軽に地方へ足を運べる日帰りのバスツアーを企画した。
(韓国観光公社日本チーム代理 キム・ミンジさん)
「今は個人観光客が増えていて
 このようなシャトルバスで地方を訪れてもらいます。」
一行が向かったのは世界文化遺産のハフェマウル(河回村)。
村には昔ながらのわらぶき屋根の家屋が軒を連ねている。
参加者は皆韓国旅行のリピーターだが
ここへ来るのは初めてだという。
「今も23代目の子孫が住んでいます。」
500年を超える家屋も現役である。
朝鮮王朝時代 
役人試験の受験者を支援しようと
村人たちが旅の資金を入れたとされる“施しの穴”。
参加者は数百年前の地方文化を直接手で触れて味わっていた。
(ツアー参加者)
「よくソウルには来るが地方の町に来る機会はなかなかないので
 いい経験になった。」
「ソウルと全く違う伝統的な村があるということを知れて
 とても興味深い体験になった。」
このツアーを企画している旅行会社。
日本人向けツアーの売り上げが落ち込み
2年前から中国人観光客の誘致を始めた。
この数年中国からの観光客は急増し
年間500万人にのぼる。
しかし中国人観光客は買い物以外にあまりお金を使わないため
旅費を安く抑える傾向がある。
そのため安いツアーに人気が集中。
価格競争が激化し採算割れを起こした。
現在は中国人相手のツアーを中断し
再び日本人客の回復に乗り出している。
(ハンナラ観光 常務理事 チヨウ・ナムギルさん)
「当面は日本市場を活性化すべく取り組んでいく方針です。」
韓国政府が去年から始めた
韓国の伝統酒を無料で試飲できる展示コーナー。
週3回日本語での説明を行い
日本人観光客の誘致に力を入れている。
韓国の伝統酒といえば日本ではマッコリが有名だが
伝統酒の種類は2,000種類を超える。
ヨーグルトのようなマッコリなど
日本では味わえない伝統酒の味に韓国文化の奥深さを味わっている。
(ツアー参加者)
「日本でも地酒に違いはあるが
 完璧に異なるフレーバーと舌触り。」
また韓国政府は伝統酒の蔵元を訪ねてもらう事業も始めている。
毎年複数の蔵元を選定し
年間700万円ほどを助成。
20万人の外国人を迎えた。
伝統酒をきっかけに韓国の豊かな地方文化に興味を持ってもらう狙いである。
(伝統酒ギャラリー 副館長 ミョン・ウクさん)
「韓国の地方と日本の方とのコミュニケーションが
 伝統酒を通してできるという実感が沸いております。」
あの手この手で臨む国を挙げた観光戦略。
一過性のブームに終わらせない
確かなファンの獲得が客足回復のカギを握っている。

 

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“ライドシェア”

2016-04-13 07:30:00 | 報道/ニュース

3月29日 おはよう日本



自家用車を使って有料で客を乗せる“ライドシェア”。
ニューヨークと言えばイエローキャブが有名だが
最近はスマホを使って
タクシーに代わる車を利用する人が増えている。
空港から移動する人とたちがのぞき込むのはスマホ。
アプリを通じて自分を乗せてくれる車を探している。
利用者は自分の居場所と行先をアプリに打ち込む。
するといちばん近い場所にいるドライバーが情報を受信。
利用者の場所まで迎えに行くという仕組みである。
利用者のスマホにも車の位置が表示され
到着したらすぐに乗り込むことができる。
場所によってはタクシーより4割ほど安く
自家用車のドライバーと利用者の双方にメリットがあると人気である。
(利用者)
「とても便利だ。
 タクシーは待っても来ないこともあるが
 目的地に早く着ける。」
このサービスを提供しているIT企業。
全米で約40万人がドライバーとして登録している。
現在そのドライバーからの手数料収入で
大きく業績を伸ばしている。
(ウーバー広報 ローラ・ザパッタさん)
「ボタンを1つ押せば車に乗れる利便性と
 いつでもどこでも乗れる柔軟性が重要なのです。」
こうした仕組みを利用した新たなサービスも広がっている。
ニューヨークで人気のタコス店。
3月からこのアプリのサービスを使ってランチの宅配を始めた。
近くにいるドライバーが店に立ち寄り
タコスを客に届ける。
店にとっては自前のドライバーを雇わずに手軽に宅配サービスに参入できる。
客にとってもスピーディーな配達が魅力である。
(タコスを注文した女性)
「とてもいいわ。
 早い時は10分くらいで届けてくれるの。」
(ウーバー広報 ローラ・ザパッタさん)
「世界中の都市で人々と場所をつなぐサービスを提供したい。
 輸送にかかわるあらゆるビジネスを展開したいと考えている。」

このIT企業のサービスは
アメリカやヨーロッパだけでなく
東南アジアやアフリカなど世界70カ国に広がっている。
日本ではライドシェアのタクシーは無免許営業のタクシー
いわゆる白タクにあたるとして原則禁じられているが
公共交通機関が少ない過疎地域では特例として認められている。
こうした地域でライドシェアを使った仕組みが実験的に始まる。

京都府北部にある京丹後市。
人口5千600人。
高齢化率40%の過疎の町である。
この地域では8年前にタクシーの営業所がなくなった。
公共交通機関は路線バスのみ。
1日数本しかない路線もある。
(丹後町地区の住民(84))
「不便になりました。
 今すぐに生きたいときにはなかなか不自由に思います。」
そこでIT企業の日本法人では地元のNPOと協力。
この地域でライドシェアを導入しようとしている。
(ウーバージャパン 高橋正巳社長)
「高齢化と過疎化が進んで切る問題が日本の社会課題としてある。
 弊社の仕組みが生きる場所が京丹後市の丹後町のようなところなのでは。」
車を持っていない高齢者などが依頼すると
ドライバー登録をしている住民のうち最も近い場所にいる人が迎えに来る。
料金は初乗りが480円。
その後1キロごとに120円加算される。
タクシーの半額程度である。
現在はドライバーの研修が行われている。
農家や会社を退職した人など十数人が登録。
その1人 村上正宏さん(69)。
寺の住職をしながら地域に役に立ちたいと登録した。
(村上正宏さん)
「自分が元気なあいだ車の運転ができるから
 周りの人たちに手助けができたらいいな。」
スマホは触ったことがないという村上さん。
端末の操作方法を教わる。
村上さんはサービス開始前に練習として客を乗せてみた。
行先は役場に設定した。
この場合
隣町からタクシーを呼ぶと迎えの時間を入れて約1時間かかり
料金も3,000円以上になる。
この日は車を呼んでから役場まで20分で到着。
料金は1,200円余。
タクシーよりも大幅に安くなった。
(村上正宏さん)
「最初はちょっと慣れないかもしれないが
 何回か使うとね
 使いやすいソフトなので皆さんいけると思います。」
 
 

 

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地域にロマンとにぎわい 天体望遠鏡の博物館

2016-04-12 18:00:00 | 報道/ニュース

3月29日 おはよう日本


「めちゃくちゃ見える。
 すごく見える。」
夢中になって夜空を眺める人たち。
覗いているのは廃棄寸前だった古い望遠鏡である。
香川県さぬき市の旧多和小学校にオープンした天体望遠鏡博物館。
博物館の代表 天文愛好家の村山昇作さん。
金融関係の仕事をしながら天体観測や望遠鏡の収集などに熱中してきた。
(天体望遠鏡博物館 村山昇作代表)
「私にとってはですね
 中学生時代に天体望遠鏡
 それから天体に出会って
 これが私の人生の1つの柱になっているんですね。」
中でも村山さんが力を入れてきたのは古い望遠鏡の保存である。
技術の粋を集めた望遠鏡は
当時の高い科学技術を知る上で高い価値があると考えたからである。
(天体望遠鏡博物館 村山昇作代表)
「これは作られたのは19世紀
 イギリスにおいて作られたというもので大変貴重な望遠鏡です。
 輸入当時 日本では最大の口径の望遠鏡だったんですね。」
歴史的な発見にまつわる貴重な品も収められている。
(天体望遠鏡博物館 村山昇作代表)
「これは有名な“百武彗星(ひゃくたけすいせい)”百武さんが発見されたときに
 実際に使われていた双眼鏡です。
 百武さんは残念ながら病気で亡くなられたんですけれども
 奥様から寄贈を受けたものです。」
近年 財政難や少子化の影響で各地の天文台が相次いで閉鎖されている。
村山さんは10年ほど前から仲間とともに
廃棄寸前の望遠鏡を救いだす活動を続けてきた。
集まった望遠鏡は200台以上。
村山さんは長く仕事をしてきた香川に博物館を作ることを考えた。
目をつけたのが
街の灯りから遠く
観測に適した山あいの廃校だった。
廃校による地域の衰退を心配していた住民とも意気投合。
ともに準備を進めてきた。
思い出の詰まった教室は
子どもたちの記憶を残しながら天体観測を楽しむ空間に変わった。
大型望遠鏡の展示場は
もともとは屋内プールだった場所を埋め立てて作った。
(天体望遠鏡博物館 村山昇作代表)
「地域の方の思い出の場所ですから
 なるべく思い出が湧いてくるような形で残したいと思っています。」
住民たちも博物館のオープンを心待ちにしてきた。
(住民)
「私も卒業したし
 うちの子どもも全員ここで卒業させてもらったんですけど
 今年から新しい第一歩。
 歴史の第一歩が進んでいくんじゃないかなと思ってちょっとワクワクしています。」
小学校の廃校から4年。
3月12日 天体望遠鏡博物館がオープンを迎えた。
地元の人たちなど200人以上が訪れた。
修復した望遠鏡を使った観測会。
初めて見る大きな望遠鏡。
木星の縞模様まで観ることができる。
(天体望遠鏡博物館 村山昇作代表)
「ボランティアでやる博物館ですからプロがやるようなことはできないんですけども
 それだけに手作り感をもって楽しみながら
 皆と一緒に作り上げる博物館にしたい。」
天体望遠鏡を次の世代につなげたい。
この思いが廃校に賑わいを取り戻した。
たくさんの期待を背負ってよみがえった望遠鏡が
星空へといざなう。


 

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ブラジルの経済低迷 中間層を直撃

2016-04-12 07:30:00 | 報道/ニュース

3月28日 キャッチ!

サンパウロに住むラファエル・マガリャーエスさん。
妻と2歳になったばかりの息子と3人で暮らしている。
去年12月 30年ローンを組み
念願だったマイホームを日本円にして約2,000万円で購入した。
しかしそのわずか1か月後
(マガリャーエスさん)
「会社から
 もう雇っておくことは無理なので他でチャンスを見つけてくれ
 と言われました。」
広告会社に勤め州政府の広報活動を担当していたマガリャーエスさん。
職に就いた直後の2年前からブラジルの景気が悪化し
そのあおりを受ける形で1月末に会社を解雇されてしまった。
会社の役員秘書として働く妻の給料と合わせて約30万円だった収入は半分ほどに減ってしまった。
さらに思いもよらない事態が家計を苦しめている。
(妻)
「夫の失業給付金がなかなか出なくて大変なの。」
ブラジルでは失業給付金を受け取る際に
働いていた業界の組合で手続きが必要になる。
しかし失業者が相次いでいるため手続きのための予約すら取れず
失業して2か月余たった現在も給付が受けられない状態が続いている。
そのためマガリャーエスさんたちは生活費の極端な節約を強いられている。
まず大きく切り詰めているのが食費である。
以前は値段を気にすることなく1か月分の食料を一度に購入していた。
(マガリャーエスさん)
「今は節約のために月に何度も買い物してるんだ。
 週ごとの特売品があるからね。」
以前はよく楽しんだ外食にも滅多に行かなくなったり
ケーブルテレビも安いプランに切り替えるなど
生活全般が変わったという。
毎日パソコンに向かい求人情報サイトで仕事を探すマガリャーエスさん。
しかし企業からの求人自体があまり無いという。
景気が落ち込むなかで政治家の不正をめぐる混乱が続いていることに
マガリャーエスさんは憤りを募らせている。
(マガリャーエスさん)
「政治家の汚職がここまでひどいなんて誰も想像してなかったと思います。
 汚職のない国に名てほしいし
 財政に責任を持った政府になってほしい。」
政治と経済の混乱が深まるブラジル。
政治家への不満は
苦しい生活を余儀なくされている貧困層だけではなく
中間層にも着実に拡大している。

 

 

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日本の農林水産業 ②攻める農業・水産業

2016-04-11 07:30:00 | 経済フロントライン

3月26日 経済フロントライン


海外に目を向け攻めに転じようという動きが出ている。
午後2時 香港国際空港。
羽田空港から直行便が到着した。
運ばれてきたのは
いま香港でブームになっている日本の生鮮食品である。
陳浩龍さん夫婦は月に一度は日本から果物を取り寄せている。
届けられたのは静岡産のイチゴ。
日本の価格の1,5倍ほどするが
インターネットで注文すれば翌日の夕方には手に入る。
(陳浩龍さん)
「香港ではこんなにいい香りがするイチゴは買えない。」
「ちょっと高くても買って
 日本のイチゴを食べたい。」
香港に野菜や果物を輸出している会社。
国内の需要拡大が見込めない中
去年10月 香港での販売に乗り出した。
以来 売り上げは右肩上がりに増えているという。
(らでぃっしゅぼーや市場開拓化 寺井真紀子さん)
「少し先の将来を考えて
 販路は国内以外も持っておこう
 品質よく運べば価格が高くても勝負できる。」
野菜や果物だけでなく鮮魚の輸出拡大をねらう企業もある。
映像技術の研究開発をしているベンチャー企業。
マーズカンパニー 松井壽秀社長。
3月 独自に開発した技術を使って
鮮魚を香港まで試験的に運び試食会を開くことにしている。
(マーズカンパニー 松井壽秀社長)
「保存できない 運べないことがネックだった。
 香港まで運べますよというのを今回証明できれば
 非常に大きな第一歩になる。」
今回 食材の輸送に使うのは
温度がマイナス1度
塩分濃度が1%の特殊な氷である。
一般的に魚は0度以上だと腐敗が始まる。
マイナス2度以下にすると凍り鮮度が保てるが
細胞組織が壊れおいしさが損なわれる。
そこでマイナス1度の特殊な氷を使い
魚が腐りもせず凍らない状態を保つのである。
(マーズカンパニー 井筒伊朗常務)
「刺身レベルで1週間とか
 長いもので1か月くらいは鮮度がもつ。」
香港での試食会の8日前
松井さんは北海道の小樽を訪れた。
鮮度が問われるニシンの刺身を出そうと考えたのである。
ニシンは劣化が早く
刺身で食べることはまれな魚である。
特殊な氷の中に入れ1週間かけて香港に送る。
鮮度が保てればこれまで難しかった生のニシンの輸出も可能になると
地元では期待が高まっている。
(仲買人)
「付加価値を取るうえで刺身類は一番価格も取れるし
 もし通用するのであれば
 非常に期待している。」
香港の日本料理店で開かれた試食会。
日本の物流会社や食材の卸売会社も協力した。
小樽で買い付けたニシン。
さばいて鮮度を確認する。
(香港の料理人)
「1週間以上たっているなんて信じられない。
 びっくりです。
 20年料理人をしていますが初めての経験です。」
香港の消費者にニシンの握りがふるまわれる。
「口に入れたらすぐにとろけました。
 すばらしい。」
この技術で長期間鮮度が保てるようになれば
よりコストのかからない船便で送ることも可能になると
日本企業も期待を寄せる。
(食材卸 JFC香港 坂根正敏代表)
「非常にポテンシャルが大きい。
 日本の素晴らしい水産品をもっと幅広く紹介できる。」
(マーズカンパニー 松井壽秀社長)
「こういった場所で
 本当に定期的にこの魚を使っていただくことが次のステップ。
 生産者がしっかり安定した収入を得られる。
 僕らの技術の力で支えられたらいいと思う。」



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日本の農林水産業 ①競争力強化で農業を守る

2016-04-10 07:30:00 | 経済フロントライン

3月26日 経済フロントライン


安い外国産の農産物にどう対抗していくのか。
付加価値の高い商品の開発が始まっている。
普通の2倍以上の価格だが人気が出始めているタマネギ。
“血糖値の上昇を抑える成分が一般的なタマネギの2倍以上含まれる”とされ
健康志向の高い消費者に支持されている。
(タマネギを購入した八島依子さん)
「将来の病気が防げるのであれば逆に安い。」
このタマネギを開発したのは大手商社と北海道のベンチャー企業である。
(植物育種研究所 岡本大作社長)
「健康機能の高いタマネギが開発できれば
 付加価値が高いタマネギとして差別化して販売できるのではないか。」
生産する農家も増え始めている。
今年の生産量は300トン。
去年の3倍に拡大する見通しである。
(タマネギ農家 宮下尚樹さん)
「安ければいい
 どこの外国の野菜でもいい
 そうではなく
 皆さんが日本の野菜を手に取ってもらえるような方向になればと思って
 作っています。」
日本の農業が抱える担い手不足という課題を
ユニークな技術で乗り越えようという試みも始まっている。
大手商社が設立した農業法人。
新たに導入した技術は“高床式砂栽培”。
使うのは高さ70センチほどのプランターである。
腰をかがめなくても作業ができるため体への負担が軽減できる。
「腰とか膝とか痛くないし楽しく作業させていただいています。」
プランターに敷き詰められているのは
川辺にあるごくふっつうの砂である。
砂の中に水と液体肥料をしみこませるだけで栽培できる。
専門的な知識は必要なく
初心者でも簡単に作業ができるという。
なかには自動車メーカーの関連会社から転職した人もいる。
(転職してきた菊池勘助さmm(28))
「マニュアルがあったりするので
 それを見ながらできるのが大きかった。
 未経験でもいけるのではと思って会社に入った。」
この農業法人では
主婦や高齢者、転職者といった幅広い人材を呼び込んで
競争力のある農業にしたいと考えている。
(大手商社「双日」の農業法人 本田欣之社長)
「人材を集めることが農業を盛り上げるポイントになる。
 負担が少ないとか
 特別な知識を必要としない
 というのをもってすれば人を集められる。」
 

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ヒット商品を連発 女性だけの開発チーム

2016-04-09 07:30:00 | 経済フロントライン

3月26日 経済フロントライン


革新的な開発を続ける企業5社が国から表彰を受けた。
そのなかの1つ 東海化学。
表彰されたのは
更年期のイライラなど中高年の女性特有の悩みを軽減できるというメガネ。
16日に江東区で開かれた健康に関する商品の展示会で
多くの女性から注目を集めた。
「不思議な感じ。」
「かけてみてすごく景色がよかった。」
愛知県にある従業員約400人のレンズメーカーである。
開発したのは事務や営業の経験しかない女性だけで結成されたチーム。
名付けて“女子開”。
発起人は入社32年目の金川幸子さん。
4年前 営業の仕事では満足できず商品開発をしたいと社長に直談判をした。
「通常業務に差し支えない範囲なら」と許可をもらい
メンバーを集めて開発に挑んだ。
(「女子開」統括リーダー 金川幸子さん)
「自分たちで起ち上げて自分たちでやろうと決めたので
 何か生み出さないと後には引けないところが根っこにあって
 とにかく生み出そうという原動力はすごく強かった。」
金川さんの熱意に押されて認めたものの
当時会社の上層部は心配だった。
(取締役 倉俣考志さん)
「不安ですね。
 会社としては投資が発生しますので
 物を作ることは人が動きますしお金も動きますし。」
不安をよそに目指した開発第1号は
女性の肌を美しく見せるカラーレンズだった。
レンズに着ける色を研究するため色彩心理学を学び
100枚以上の試作品を作った。
完成したレンズは
レンズと美容を結びつける斬新なアイデアは
15万枚を売り上げるヒット商品につながった。
(取締役 倉俣考志さん)
「素人の集団が勉強を重ねて商品化して
 花を開かせるのは想像してなかった。」
そして今回開発を目指したのが
中高年女性特有の悩みを軽減するレンズ。
色が気分に与える影響に着目し
神経内科医に協力を依頼した。
試作品を患者に使ってもらったところ
半数以上の女性が「イライラや不安が和らいだ」と答えた。
(神経内科医 春田博之さん)
「イライラがおさまる
 孤独感がなくなる
 温かい気持ちに包まれるとか
 満たされた気持ちになる方が多い。」
このレンズの科学的な効果についてはまだはっきりしていない。
しかし女性ならではの視点で
メガネの新たな市場を切り開こうとしていることが国から高く評価され
今回の受賞に結びついた。
女性だけの開発チーム“女子開”。
そのユニークな発想は会社のものづくりに大きな変化をもたらしている。
(「女子開」統括リーダー 金川幸子さん)
「私たちの手がけるものは
 男性目線では考えつかないことらしい。
 女性だけのチームを結成し女子目線で考える
 切り口や進み方が開発を変えたと思う。」



 

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犬の認知症 飼い主悩ませる問題に

2016-04-08 20:00:00 | 報道/ニュース

3月25日 おはよう日本


同じ場所をぐるぐると回り続ける犬。
遠吠えを繰り返す犬。
認知症になった犬である。
飼い主に代わって高齢の犬を世話する“老犬ホーム”に預けられるケースが増えているという。
(老犬ホームのマネージャー)
「徐々に増えてきている。
 “家で世話をすることができない”とお預かりしている。」
老化などに伴って脳の機能が急速に衰える認知症。
犬が認知症になると飼い主がわからなくなるなどの症状も見られる。
医療の発達などでペットの寿命が延びるなか
認知症の犬は飼い主を悩ませる問題になっている。
茨城県つくば市の老犬ホーム。
認知症の犬を預けた齋須健一さん。
齋須さんが飼っていた犬のコジロウは15才。
人に置き換えると75才ほどになる。
1年前に遠吠えを始め
その後次第に昼夜が逆転。
深夜にも遠吠えを繰り返すようになった。
近所に迷惑がかかるのではないか。
思い悩んだ末
死ぬまで施設で預かってもらうことにした。
費用は100万円余かかった。
(齋須健一さん)
「動物にも認知症があってショックだった。
 最後まで面倒みたい思いもあったが
 もう限界だろうと。」
認知症の犬を飼い続ける決断をした飼い主にも
大きな負担がかかっている。
奥田千佳江さんは2匹の飼い犬が認知症になった。
ほぼ毎日深夜に吠え続ける犬をなだめているうち
奥田さんは慢性的な睡眠不足に陥った。
かかりつけの動物病院に相談し
犬を寝つかせるため
1年ほど前から睡眠薬をもらっている。
しかし毎晩欠かさず与えなくてはならず
費用も毎月1万5千円ほどかかっている。
(奥田千佳江さん)
「今の状態が続くのか
 この先違う症状がまた出るのか
 認知症がどこまでいつまで続くのか
 その不安はある。」
犬の脳の病気を研究している日本獣医生命科学大学 長谷川大輔准教授。
(日本獣医生命科学大学 長谷川大輔准教授)
「17歳の認知所の症状を示す犬の脳の画像。
 白いところが非常に広くなっている。
 脳がすかすかで隙間が多い状態。」
認知症になると
脳の神経細胞が急速に死んで異常な行動につながると考えられている。
長谷川潤教授は神経細胞の死滅を防ぐためには
犬が高齢になっても
飼い主が関わり合いを欠かさないことが大切だと考えている。
(日本獣医生命科学大学 長谷川大輔准教授)
「犬が年でもう遊ばないからと
 動物との接触や関わり合いも少なくなる。
 楽しい うれしい刺激を増やすのは認知症の防止につながると思う。」
具体的にどのように予防すればいいのか。
犬の介護やリハビリを行っている施設では
遊びを通して脳に刺激を与えるトレーニングを行っている。
足を出させる「おて」や「おかわり」の代わりに
じゃんけんの「パー」や「チョキ」など新しい言葉を覚えさせる。
宝もの探しという遊び。
複数の紙コップの1つにエサを入れる。
すると犬は体を動かすだけでなく
鼻を活発に使ってエサを嗅ぎ分ける。
エサを探し当てたときや飼い主とのふれあいの中で生まれる感情が
脳の活性化につながるという。
(ペットケア施設)
「わんちゃんが楽しいことが大事だと思う。
 遊びの1つの要素として日頃の生活に取り入れられたらいい。」
ただ犬の認知症は
疑わしい症状が出ても飼い主だけで見極めるのは難しく
動物病院に早めに相談することが大切だと専門家は指摘する。
(日本生命科学大学 長谷川大輔准教授)
「動物病院で定期的に診察を受ける。
 それで早め早めに症状に気づく。
 犬も認知症になるんだということを知っておく
 認識しておくことは重要。」



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アフリカに“帰る”黒人たち

2016-04-08 07:30:00 | 報道/ニュース

3月25日 キャッチ!


大西洋を望む西アフリカのガーナ。
奴隷貿易の拠点として大勢のアフリカ人がアメリカ大陸へ送り出された。
奴隷貿易の拠点となったエルミナ城は
先祖の霊を慰めるため大勢のアフリカ人が訪れる。
奴隷として扱われた先祖の苦悩に思いをはせるアメリカの黒人たち。
自らのルーツを見つめ直す動きが活発になっているのである。
(アメリカ人観光客)
「本当にひどい歴史です。」
「自由を得るために支払われた代償に
 感謝をしなければと思います。」
こうしたなか生まれ育ったアメリカを離れてアフリカへ移住する黒人たちが増えている。
ロバート・ボッツさん(49)。
4年前ガーナにやって来て警備会社を起ち上げた。
急速に発展するガーナにビジネスチャンスを見出したからである。
若いころ海兵隊に所属していたボッツさん。
イラク戦争では民間の軍事会社で警備にあたった。
警備員は現地で雇用。
アメリカで培ったノウハウを生かして
質の高い人材を育てることに力を入れている。
(警備員)
「以前は何をすべきかわかりませんでしたが
 質の高い警備を教えられました。」
経済成長に伴って新しい企業が増えるなか
順調に業績を伸ばしている。
(警備会社社長 ロバート・ボッツさん)
「このエリアには石を投げれば当たるほど多くのニーズがあり
 ビジネスチャンスにあふれています。
 成功は間違いないでしょう。」
一方でアメリカの社会に失望し移住を決断した人もいる。
地方の町で小さなホテルを運営する ラー・ウィルソンさん(36)。
アメリカで生まれ育ったウィルソンさんは
幼いころから肌の色が原因で差別を経験してきたという。
(ラー・ウィルソンさん)
「幼いころから“モンキー”とかひどい呼ばれ方をしていました。
 父を誇りに思っていますし
 しっかり育ててくれましたが
 私を差別から守ることはできませんでした。」
高校時代には黒人グループと白人グループの対立が原因で
別の学校への転校を余儀なくされた。
その頃ウィルソンさんが書いた詩。
私の指を切ると
あなたと同じ色の血が流れます
何が違うというのでしょうか?
肌の色が黒いだけで同じ人間です
当時はまだ話し合えばわかると信じていた。
しかし差別を受ける経験を重ねるうちに
怒りを抑え込めず
この国に自分の居場所は無いと感じるようになった。
(ラー・ウィルソンさん)
「アメリカでは質の高い生活を手に入れられるとは思えませんでした。
 金を稼ぐことはできても完全な自由は感じられなかったのです。」
ガーナに来てからは
アメリカで暮らしていたときのように差別を恐れることはなくなった。
しかし別の疎外感を感じることがあるという。
ガーナに来たばかりのときには地元の人から“外国人”と呼ばれた。
今でも品物を仕入れるとき
外国人価格だと感じることがあるという。
安住の地を求めてアフリカにやってきたウィルソンさん。
地元の人に溶け込もうと
現地の言葉や文化を学んでいる。
ウィルソンさんには去年生まれたばかりの息子がいる。
妻とともに今はアメリカで暮らしているが
人種差別に苦しむことがないよう
将来はガーナで育てたいと願っている。
(ラー・ウィルソンさん)
「息子は人種差別の中で育てたくありません。
 ここで育ち
 より良い暮らしをしてほしいのです。
 自分が黒人であることを誇りに重い
 誰とも平等だと知ってほしいのです。」

 

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