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高齢のソメイヨシノ 倒木から守る

2016-04-16 07:30:00 | 報道/ニュース

4月2日 おはよう日本


都内屈指の桜の名所 目黒川。
今年も多くの花見客が訪れた。
しかし足もとに目を向けてみると
目新しいサクラの切り株。
「ちょっと見ない間に切られてしまっている。」
「ちょっとさみしい感じがしますね。」
いまソメイヨシノの木を伐採する自治体が相次いでいる。
目黒区は今年度27本を伐採した。
なぜ伐採しなくてはいけないのか。
全国でサクラの保全活動を行っている樹木医の和田博幸さんは
ソメイヨシノの高齢化を指摘している。
「これはベッコウタケと言いまして
 根元から幹の方まで中を腐れせてしまうキノコ。」
樹齢40年を超えると条件によっては
キノコが生えたり
蛾が卵を生んだりして
木が腐りやすくなるという。
伐採は倒木による事故を未然に防ぐために行われている。
ソメイヨシノの高齢化は都内全域で深刻化している。
都内に植えられた桜の木は約4万4,000本。
その多くが昭和30年前後に街路樹として植えられたソメイヨシノである。
そうした木がいたる所で衰えを見せていると
和田さんは危機感を強めている。
(日本花の会 樹木医 和田博幸さん)
「私たちの調査の結果では樹齢で40年ぐらいをピークに
 気がだんだん弱ってくるというデータを持っている。
 樹齢が40年50年となれば
 都内の桜は徐々に衰えていくものが目立ってくるとは思う。」
こうしたなかサクラを守ろうと動き出している人たちがいる。
植えられたソメイヨシノの多くが高齢化している国立市。
ここで16年にわたって活動をしているのがボランティアの“くにたち桜守”である。
3月に修復を行ったのが1月に降った雪で折れた木。
高齢化で弱っていたことで雪の重みに幹が耐えられなかった。
参加した子どもたちと一緒に空洞化した幹を消毒。
中に土を入れて居度を高め倒れるのを防いだ。
「このままだったら倒れてしまうが
 これから根を生やして延命してあげる。
 永久ではないけれど延命できる。」
新たな桜の木を植える活動も行っている。
かつて地元の小学生と一緒に植えたソメイヨシノが成長し
花を咲かせようとしていた。
(くにたち桜守 大谷和彦さん)
「3年生と一緒に植えた木が
 こんなにでかくなったのでとてもうれしい。
 先代たちが植えた木を次の世代に残していく。
 バトンタッチをする役目だと思う。」
伐採した桜の木を再利用して
売り上げを桜の保護に役立てているところもある。
千代田区が8年前から販売しているのが
「老朽化して伐採したものを使って作っている商品です。」
伐採した桜の木をそのまま使ったキーホルダーや
桜の枝を煮詰めたエキスで染めたハンカチなど4種類。
売り上げの10%が桜の保護活動に使われる仕組みになっている。
現在は桜に卵を生んで木を弱らせる害虫の蛾の捕獲に使われている。
特殊な匂いを放つ紐は
オスの蛾だけをおびき寄せ
メスと交尾をする前に捕まえることができる。
(千代田区 環境まちづくり部 中村文太さん)
「千代田区の桜でほぼ60年くらいなので
 老木が増えてきているということで
 害虫対策をやっていかなければ延命できなくなってきているところ。」
私たちに春を知らせてくれるサクラ
観て楽しむだけでなく
守る努力をしなくてはいけない時に着ている。


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