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日本の農林水産業 ②攻める農業・水産業

2016-04-11 07:30:00 | 経済フロントライン

3月26日 経済フロントライン


海外に目を向け攻めに転じようという動きが出ている。
午後2時 香港国際空港。
羽田空港から直行便が到着した。
運ばれてきたのは
いま香港でブームになっている日本の生鮮食品である。
陳浩龍さん夫婦は月に一度は日本から果物を取り寄せている。
届けられたのは静岡産のイチゴ。
日本の価格の1,5倍ほどするが
インターネットで注文すれば翌日の夕方には手に入る。
(陳浩龍さん)
「香港ではこんなにいい香りがするイチゴは買えない。」
「ちょっと高くても買って
 日本のイチゴを食べたい。」
香港に野菜や果物を輸出している会社。
国内の需要拡大が見込めない中
去年10月 香港での販売に乗り出した。
以来 売り上げは右肩上がりに増えているという。
(らでぃっしゅぼーや市場開拓化 寺井真紀子さん)
「少し先の将来を考えて
 販路は国内以外も持っておこう
 品質よく運べば価格が高くても勝負できる。」
野菜や果物だけでなく鮮魚の輸出拡大をねらう企業もある。
映像技術の研究開発をしているベンチャー企業。
マーズカンパニー 松井壽秀社長。
3月 独自に開発した技術を使って
鮮魚を香港まで試験的に運び試食会を開くことにしている。
(マーズカンパニー 松井壽秀社長)
「保存できない 運べないことがネックだった。
 香港まで運べますよというのを今回証明できれば
 非常に大きな第一歩になる。」
今回 食材の輸送に使うのは
温度がマイナス1度
塩分濃度が1%の特殊な氷である。
一般的に魚は0度以上だと腐敗が始まる。
マイナス2度以下にすると凍り鮮度が保てるが
細胞組織が壊れおいしさが損なわれる。
そこでマイナス1度の特殊な氷を使い
魚が腐りもせず凍らない状態を保つのである。
(マーズカンパニー 井筒伊朗常務)
「刺身レベルで1週間とか
 長いもので1か月くらいは鮮度がもつ。」
香港での試食会の8日前
松井さんは北海道の小樽を訪れた。
鮮度が問われるニシンの刺身を出そうと考えたのである。
ニシンは劣化が早く
刺身で食べることはまれな魚である。
特殊な氷の中に入れ1週間かけて香港に送る。
鮮度が保てればこれまで難しかった生のニシンの輸出も可能になると
地元では期待が高まっている。
(仲買人)
「付加価値を取るうえで刺身類は一番価格も取れるし
 もし通用するのであれば
 非常に期待している。」
香港の日本料理店で開かれた試食会。
日本の物流会社や食材の卸売会社も協力した。
小樽で買い付けたニシン。
さばいて鮮度を確認する。
(香港の料理人)
「1週間以上たっているなんて信じられない。
 びっくりです。
 20年料理人をしていますが初めての経験です。」
香港の消費者にニシンの握りがふるまわれる。
「口に入れたらすぐにとろけました。
 すばらしい。」
この技術で長期間鮮度が保てるようになれば
よりコストのかからない船便で送ることも可能になると
日本企業も期待を寄せる。
(食材卸 JFC香港 坂根正敏代表)
「非常にポテンシャルが大きい。
 日本の素晴らしい水産品をもっと幅広く紹介できる。」
(マーズカンパニー 松井壽秀社長)
「こういった場所で
 本当に定期的にこの魚を使っていただくことが次のステップ。
 生産者がしっかり安定した収入を得られる。
 僕らの技術の力で支えられたらいいと思う。」




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