日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

スペイン風邪③ 「日本への第1波」

2020-06-21 17:04:28 | 報道/ニュース

5月27日 テレビ朝日「グッド!モーニング」 池上彰のニュース検定


スペイン風邪の起源について
アメリカからの可能性のほかにもう一つ有力な説がある。
中国である。
この中国説のカギとなるのが相撲風邪である。
1918年4月
3人の力士が謎の風に感染して亡くなった。
当時日本の統治下にあった台湾で巡業が行われていた最中のことだった。
その後 本土に戻ってきた力士たちから相撲界に広がり
新聞に相撲風邪として取り上げられた。
ポイントとなるのがそのタイミングである。
記録上最初のスペイン風邪の感染者とされるアメリカ兵は
1918年3月に発症した。
そしてお相撲さんたちが台湾で発症したのは
同じ年の4月である。
わずか1か月でアメリカから台湾に流行が移ったとは考えづらい。
そこでスペイン風邪は中国で発症したと推測する学者もいる。
当時 アメリカでは大陸横断鉄道が建設されていて
多くの中国人労働者が渡っていた。
その中に感染した人がいるのではないかというのである。
また
アメリカの兵舎で流行する前に
スペイン風邪とみられる呼吸器病が中国国内で流行っていたという記録もある。
当時行われていた第1次世界大戦では
英仏軍が96,000人の中国人労働者を西部戦線で使っていたという事実も発見されている。
感染源は今も特定されていないが
中国が発生源なら
つながりの深い台湾でお相撲さんが感染しても不思議ではない。
いずれにしてもこの“相撲風邪”が日本でのスペイン風邪の第1歩となった。
この年の10月には第2波が
さらに翌年には第3派が襲ってきた。
収まったかに見えて牙をむく
それがスペイン風邪の本性だったのである。

 

コメント