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スペイン風邪とは① 「濡れ衣の名前」

2020-06-18 07:00:00 | 報道/ニュース

5月15日 テレビ朝日「グッド!モーニング」 池上彰のニュース検定


感染症の歴史の中で最も深刻だったのは
1918年に発生したスペイン風邪である。
わずか2年ほどの間に世界で6億人もの人が感染したのである。
死者は4,000~5,000万人とも言われている。
当時は第1次世界大戦の真っただ中だった。
多くの兵士が戦場に送り込まれたことで一気に感染が広がったのである。
感染源については実は今も分かっていないが
記録上残っている初めての感染者はアメリカである。
発端はカンザス州の1人の兵士だった。
当時アメリカは
ヨーロッパでの第1次世界大戦に参戦することを決め
兵士を集めていた。
そのうちの1人が
1918年3月
カンザス州の兵舎で高熱を訴える。
すぐに何百人もの兵士が倒れ始めた。
それでもアメリカ兵は予定通りヨーロッパへ送られ
連合国として共に戦っていたフランス兵やイギリス兵も感染した。
さらに敵であるドイツ兵にも飛び火したのである。
当時は戦時下である。
各国は自国の兵士が次々と病気で倒れていることを徹底的に隠したのである。
しかしスペインは情報を隠さなかった。
当時スペインは中立国だったからである。
戦争をしていなかったので
病気の流行は軍事機密ではない。
そのため国王が感染したことも伝えられた。
“スペインで強力な風が流行している”と
世界中に知られることになったのである。
そしていつしかスペイン風邪と呼ばれるようになった。
スペイン政府はこの名称に抗議したがあとの祭りである。
100年以上たった今も
濡れ衣の名前が使われているのである。

 

 

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