日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

スペイン風邪とは② 「大統領の感染」

2020-06-19 07:00:00 | 報道/ニュース

5月26日 テレビ朝日「グッド!モーニング」 池上彰のニュース検定


スペイン風邪は“第1次世界大戦の終結を早めた“と言われている。
フランス・イギリス
そしてアメリカの連合国と
ドイツ軍との戦いだったが
双方とも実に半数以上の兵士が感染したからである。
つまりスペイン風邪によって戦争どころではなくなったのである。
これとは逆に
スペイン風邪が戦争を始める要因の1つになったという指摘があるのが
第2次世界大戦である。
アメリカのウィルソン大統領がスペイン風邪に掛かったことが
回り回って
第2次世界大戦に結びついた可能性があるのである。
ウィルソン大統領が感染したのはちょうど
1919年4月パリ講和会議の最中だった。
第1次世界大戦の戦勝国のリーダーたちが
ドイツへの賠償金などを話し合っていた時である。
パリ講和会議では
アメリカがフランス・イギリスと対立した。
アメリカのウィルソン大統領はドイツに賠償金を求めないスタンスだった。
一方 フランスとイギリスの首相はドイツに巨額の賠償を求めた。
とりわけフランスは強硬だった。
ドイツと国境を接し
甚大な被害を受けたからである。
パリ講和会議で対立が深まるなか
ウィルソン大統領が突然のスペイン風邪に感染する。
生死をさまよい4日間ベッドに伏せた。
その後 会議に復帰したが
もう持論を展開する気力はない。
結局フランスやイギリスの主張が通った。
ドイツに対する巨額の賠償金が決まったのである。
その結果 ドイツの経済は危機的な状況となり
国民の間で不満が高まった。
そこで台頭してきたのがアドルフ・ヒトラー率いるナチスである。
第2次世界大戦を引き起こした。
スペイン風邪は歴史を悪い方向に操ったのである。

 

コメント