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コロナ禍の世界 ペットにつながりを求めて

2020-06-07 07:00:13 | 報道/ニュース

5月14日 NHKBS1「国際報道2020」


オーストラリア
ニューサウスウェールズ州にある動物保護団体の施設。
いま飼い主に手放されるなどして保護されたペットの引き取りを希望する人が増えている。
州全体の3月後半の引き取り件数は
去年の同じ時期と比べて約30%増えた。
(動物保護団体 広報担当者)
「ペットは自宅にとどまっている時の最高の仲間で
 愛情を与えてくれます。」
しかし施設は感染予防のため立ち入りが禁止されている。
引き取りを希望する人が訪れることはできない。
そうしたなかで活用されているのは“オンライン縁組”。
インターネットで里親を募集する取り組みである。
ペットの性格や適した生活環境を詳しく紹介している。
“私はおとなしいレディーです”
“室内で飼ってほしいなぁ”
希望者から問い合わせがあると
団体のスタッフが電話で面接を行い飼育環境や動物との相性などを審査。
審査をクリアしたら
スタッフが希望者の自宅まで動物を連れていく。
(動物保護団体 広報担当者)
「猫が1匹もいなくなった週末もあった。
 これまでにないことです。」
4月 この仕組みを通じて犬を引き取った小学校教師のドスさん(39)。
在宅勤務になったのをきっかけに犬を本気で探し始めたという。
オンライン縁組で見つけたのがマーリンくん。
“飼い猫としなさそうだ”と気に入ったそうである。
子どもたちにもすぐになついた。
(ジャックくん)
「マーリンにぎゅっとするのが好き。」
(ドスさん)
「マーリンのおかげで忙しくしています。
 家族の間でさらに愛があふれました。」
 一緒にいて楽しいです。
 外出制限を乗り越える助けになっています。」

新型コロナウィルスの影響で飼い主がペットを捨ててしまうケースも起きている。
住民不在の家にいたのは1匹の猫。
都市封鎖が行われた中国 武漢。
飼い主が帰省先から戻れなくなり
猫は3か月以上にわたって室内に取り残された。
この間ペットの世話にあたったのはボランティアの男性である。
「ペットの様子を見に行ってほしい」
「一時的に保護してほしい」
といった声が相次いで寄せられたという。
(ボランティア男性)
「60軒以上は訪ねているはずです。
 この猫を助けた時は餌も水もなく
 雨水を飲んで生き延びていました。」
一方 新型コロナウィルスをめぐる情報が思わぬ事態を引き起こしている。
海外でペットが感染したというニュースが広がった結果
ペットを捨てる人が増えているというのである。
飼い主への感染を恐れての行動とみられる。
江蘇省にある動物保護施設。
飼育放棄された犬や猫などは1月下旬からの3か月で200匹余。
去年の同じ時期と比べて2倍以上に増えた。
(ペット保護ボランティア)
「放棄されるペットが増え続け
 何とかしなければいけないと感じます。」
社会活動が元に戻りつつある中
この団体が積極的に進めている取り組みがある。
新しい飼い主を探すイベントに連れてきたのは飼育放棄された犬40匹。
SNSを通じて集まった希望者に
“責任を持って飼ってほしい”と訴えた。
「犬を飼うと部屋中が毛だらけになって手間がかかるので
 よく考えてくださいね。」
この日は新しい飼い主に引き取られたのは合わせて23匹。
それでも保護される犬の数に追いつかないのが実情である。
(ペット保護ボランティア)
「現在1,000匹以上の動物を世話している。
 動物が感染源になるという証拠はないと思う。
 ペットを簡単に捨てないでほしい。」

一方 アメリカでは
外出制限の影響で捨てられるなどしたペットを引き取る人が増えている。
こうしたなかで新たな懸念が。
ペットを引き取った人たちが元の生活に戻ったとき飼育放棄してしまうことである。
その対策としてニューヨークの保護団体では
新たにペットを引き取る人に誓約書の提出を義務付けている。
責任をもって世話をすることや
万が一世話ができなくなったときには団体に連絡するなど
12の項目が決められている。
この団体から犬を引き取った女性。
誓約書を書くことで
飼い主としての責任を強く感じたという。
(犬を引き取った女性)
「何があっても彼のそばにいます。」
団体では飼い主にペットを引き渡した後も
生活環境を確認するため調査員を派遣する取り組みを行なっている。
(ニューヨーク市の動物保護団体 副代表)
「犬たちにとって安全で快適な住まいの提供を確認したいのです。
 引き取られたあともずっと幸せに暮らしてもらいたいのです。」


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