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米国 「食」を支える労働者を感染から守るには

2020-06-14 07:06:28 | 報道/ニュース

5月21日 NHKBS1「国際報道2020」


アメリカでは50州で経済活動が再開されたが
感染の打撃は依然深刻である。
特に懸念されているのが
暮らしに欠かせない食を支える人たちへの影響である。
医療従事者や食品生産者など生活に不可欠な分野で働く
エッセンシャルワーカー(不可欠な労働者)を支援しようという動きが活発になっている。
なかでも今
農業に携わるエッセンシャルワーカーを感染からいかに守るかが大きな課題である。

ステーキ用の肉として人気のアンガス牛を飼育しているカリフォルニア州の牧場。
経営者のレイシーさんは
新型コロナウィルス感染拡大の影響で
肉牛の出荷計画が大きく狂い
かつてない危機に直面しているという。
理由は
卸し先の食肉加工施設が休業に追い込まれたためである。
こうした施設の中には従業員の集団感染が発生したところも出ている。
(牛の畜産農家 レイシーさん)
「問題は牛を出荷したいのに加工施設が閉鎖していることだ。
 このままでは年末まで大量の牛を抱え込んでしまう。」
食品流通に詳しい専門家は
食に関わる現場で働くエッセンシャルワーカーをいかに感染から守るかが重要だと指摘する。
(パデュー大学 ミンタート教授)
「今後は加工処理施設で作業する従業員の感染予防が課題だ。
 施設はこれまでよりも小さい規模で稼働せざるを得ないだろう。」
こうしたなかカリフォルニア州にあるブドウ農園では
感染のリスクから従業員を守るための新たな取り組みを始めた。
実はこの農園で働く約1,000人の従業員は多くがメキシコなどの出身で英語を話すことができない。
このため感染予防のための正しい情報を得てもらおうと
農園ではまずスペイン語での感染予防の説明に力を入れた。
(現場責任者)
「清潔を心がけ
 手は水と石けんで最低20秒間洗い
 口・鼻・目には触れないこと。」
さらに農作業の合間にはチラシも配る。
“うわさーニンニクで感染は予防できる?
 事実ーいいえ ニンニクは健康的な食品だが予防できる根拠はない”
新型コロナウィルスに関する根拠のない情報を信じないよう呼び掛けている。
そして従業員が楽しみにしている昼食時の休憩。
ふだんは会話もはずむが
およそ2メートルの距離を取るよう徹底させた。
(従業員)
「全員がマスクを着けて
 お互いに気をつけている。」
(ブドウ農園 経営者 ビーグルさん)
「今のところこの農園で感染者は出ていないが
 今後もし発生したとき
 どう対処するかが問題だ。
 労働者の健康と安全を常に考えて行動している。」
先行きが見通せない中
アメリカの食を支える農家の取り組みが続いている。

 

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