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中国 北京 芸術の灯を絶やすな!

2020-06-13 07:00:00 | 報道/ニュース

5月20日 NHKBS1「国際報道2020」


中国では感染拡大は収まりを見せたが
アートギャラリーや展示会の客足が戻らなかったり
消費の冷え込みで作品が売れなくなったりして厳しい状況が続いている。
こうしたなか立場の違う2人の女性が
これまでになかったやり方で
人々の芸術への関心をつなぎとめようと奔走している。

中国の芸術の中心地 798芸術区。
工場の跡地にギャラリーや美術館が多く集まる。
北京有数の観光スポットの1つだが
新型コロナウィルスの影響で閉鎖。
閉鎖は徐々に解除されているがギャラリーには客足が戻らないままである。
ギャラリーのオーナー 来さん。
厳しい状況に頭を悩ませている。
(ギャラリー オーナー 来さん)
「すでに3つの展示会が中止になりました。」
ギャラリーに来てもらえなくてもより多くの人に作品を見てもらいたい。
そう考えた来さんが始めたのが
SNSを使った取り組みである。
ライブ配信機能を使って展示作品を紹介。
作品の特徴やアピールポイントを画面越しに1つ1つ丁寧に説明する。
“この作品は沢山の色を使い太平洋の島を描いているんです。”
これまでギャラリーを実際に訪れていた人は1日100人ほどだが
この日の配信には3,000人が訪問。
バイヤーから作品を購入したいという問い合わせも数十件入った。
(ギャラリー オーナー 来さん)
「新型コロナの影響がある中で
 とどまることなく何かしなければなりません。
 ギャラリーとして動画配信を使い販売や展示を試みるべきです。」
作品を手掛ける芸術家自らも動画の配信に乗り出している。
“今日はみんなを芸術の世界に案内するね。”
798芸術区を中心に活動続ける于さん。
北京で美術を教えるかたわら造形作家として活動し
個展を開けるまでになった。
しかし
これからという時に感染拡大に見舞われ
予定されていた展示会が中止に。
収入が途絶えてしまった于さん。
自分の作品を知ってもらうことで販売につなげようと
作品を紹介する動画配信を始めた。
人間の体の一部をモチーフに生命の躍動感を表現している于さんの作品。
動画では
制作過程など
普段は知ることのできない情報も盛り込む。
“型を取って金属を流し込み
 磨いて
 完成まで3か月もかかるのよ!
 この作品すごく手間がかかっているので
 実は売りたくないんです。”
作品の魅力を一番理解している作家自らが動画を制作することで
置き方・角度などを工夫し
もっとも魅力的に見せることができるという。
作品の紹介以外にもこだわっていることがある。
ギャラリーで作品を鑑賞するときのコツや
ギャラリー運営の裏話など
798芸術区の魅力も伝えることで
地区全体を盛り上げようとしているのである。
“ギャラリーの集落で大事なのは
 常に客のニーズをつかむことよ。”
于さんの明るく気さくな人柄が話題となり
フォロワー数は配信からわずか2週間余で3万人を超えた。
作品への問い合わせも増加しているという。
(造形作家 于さん)
「新型コロナがこの働き方をもたらしてくれました。
 良い点も悪い点もありますが
 ここにはチャンスと挑戦が共存しているんです。」


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