And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

リザヴェータ、リザヴェータ

2015-01-26 19:23:44 | 日記
昔、夢中になって読んだ推理小説。最初はアガサ・クリスティだったと思ったが、中過ぎてから解決に向かうあの緊迫感。むろん何冊読んでもそのわくわくする気持ちは変わらなかったが、最初の4,5冊は驚きの連続だった。2冊目くらいに「アクロイド」を読んでたまげた。最初の頃に読んでおいて良かったと思う。だんだんと召使いは犯人ではない、これは怪しく見せてるだけだ、アリバイ堅いから怪しいとかひねて読むようになって、しかも有名ものを読んでしまうと当然それ以上の驚きを起こさせる小説に会うのは難しくなる。推理小説は手元にはほとんどないので思い出で書くしかないが、好きだったのはヴァン・ダイン、ディクスン・カー、チェスタトンのブラウン神父ものなど。エラリー・クイーンも代表作読んだが、いまいち好きになれなかった。読めば読むほどトリックを覚えていくのでだんだんとこんなものかになっていき、かといって心理描写など長々やられると所詮推理小説なんだろうと腹が立ってくる。みんなそうだと思うのだが、そして読まなくなるになる。そこで次に興味持つのが松本清張の社会派推理小説。「点と線」「ゼロの焦点」そして戦後事件もの、帝銀事件、下山事件、スチュワーデス殺しなど。清張も男性本好きなら読んだことない人いないくらい誰とでも話できた。映画観てはまったのが高木彬光。「白昼の死角」の手形パクリの話、実際にあった話が元だからなおさら興味もって読んだ。それから高木彬光も次々読んだ。同じ角川でも森村誠一は好きになれず、映画の「人間の証明」はひどかった。映画といえばクリスティもかなり映画化になりテレビドラマで相当数映像化されたが、「そして誰もいなくなった」のようにハリウッドハッピーバージョンに変えられ原作が台無しになったのもあるし、テレビのほうも原作を変えてるようだ。原作と照らし合わせていないので変えてるかはわからないが、「オリエント急行殺人事件」「ナイルに死す」と「白昼の悪魔」の映画化はふつうに面白かった。それで話は飛ぶが、先日デュヴィヴィエの「運命の饗宴」を観てひどいと思った。完全にプロデューサーのいいなりで、お幸せなハリウッド映画作ってる。戦後デュヴィヴィエがフランスに戻ったのはわかる。デュヴィヴィエはたいした監督ではないと思っているが、まだフランスではましな映画つくっていたはず。ヒッチコックもアメリカ来た当初、これはプロデューサーのいいなりという映画何本か作った。アカデミー賞取った「レベッカ」なんてヒッチコックらしくない映画。作品賞はプロデューサーの賞だからヒッチコックは関係ないのだが。もちろん「海外特派員」のようなこれぞヒッチコックという映画もある。愛こそすべて正義は勝つみたいなハリウッドクソ映画全盛時に「殺人狂時代」なんか作ったらチャップリンでさえ追い出されるよな。たぶん日本に入ってこないだけで日本人をコケにした映画、戦後もたくさんあったのではと思う。不思議なのは「そして誰もいなくなった」の原作バージョンでいまだ映画化されないということ。さすが今なら正義は勝つでなくてもいいだろう。映画では。