たまたま映画「Uボート」を観た。3時間超えるディレクターズカットだったけれど、連休前だからゆっくり観ようと。原作者の体験を元にと解説にあったので、ということは帰還したのかと思いUボートの悲劇は戦争後半ほとんど戻ることが出来なかったことなのにと観る前から結末を知ったような気がした。けれどハリウッド映画と違い勝った勝ったで終わるのではないだろうという予測はあったが、逆にあの終わり方は無理があった。思うに結末はどうでもいい映画。潜水艦の中の息詰まる様子を味わうこと。要するに観ていて楽しくもなんともない映画。それならかつての「眼下の敵」のほうがずっといい。でも思うのは戦争というのは「眼下の敵」のような美しいものではない。「Uボート」が現実なのだと。日本でも玉砕なんかせず生きて家族に会いたいと思っていた兵士もたくさんいたはず。それを無謀な指揮官のために犬死にさせられてそれを指示した将軍、政治家は戦後悠々と生きながらえている。そんな戦争の反省を描いた日本映画はない。戦後になっても国のために死んでいくのは美しいなんて映画がまだ作られるくらい。まあ地球を守るなんていうクソSF映画以外、戦争映画はもう滅びた。西部劇もしかり。ハリウッドはあいかわらずボーイミーツガールのハッピーエンド。最近本はといえば高遠訳「失われた時を求めて」が半分以上いってとまっている。「失われた時を求めて」はどこでとまろうが話がわからなくなることはないので、いつでも再開できる。この間何かのきっかけでフレドリック・ブラウンの「狂った星座」を読みたくなり、それの入った短編集「宇宙をぼくの手の上に」を買おうとしたら絶版。創元推理文庫のブラウンはいつも全部出てるのだと思っていたからちょっと驚いた。アマゾンで探すと安くきれいな本が手に入った。実はサンリオ文庫の「フレドリック・ブラウン傑作集」に入っていて持っているのだが、あまりに字が小さくしかも古いので紙も茶色くなり、これでは読めないと創元を買った。創元も小さいがサンリオよりはまだまし。例によって短編は2,3読んだらそれ以上読むのが面倒になる。チェーホフも全部買ってみたものの進まず。書店で文庫の「悪魔の辞典」見て懐かしく思って買った。昔完訳版というのを買ったのだけれど人にあげてしまった。これは辞典とはいえ最初から読むものなのだろうなと今になってわかった。しかしこれも短編と一緒で何ページかめくって面白いなと思ってそれで終わりだろう。ショスタコーヴィチは7,8枚買ってしまったのでもう終わりにしなければと思いながらヤルヴィを全部揃えようかと注文。ブルックナー、マーラーの隣に並べあと何年後に聴くのだろう。マレーヴィチに思いを寄せながら。
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