And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

L.H.O.O.Q

2015-10-30 23:02:25 | 日記
嫌いなマーラー。必ず途中で寝てしまって1曲まともに聴いたことがない。レコードのときはマーラーといえばワルターかバーンスタインだったので、バーンスタインを何枚か買ったが、聴くのは5番の4楽章くらい。CDになってもCBS盤のバーンスタインをバラで集めたが、安いボックスが出たのでバラを売ってボックスを買った。それも1枚聴かないうちに眠くなったので、それ以来聴くことがなかった。今回そのボックスと中身は同じなのだが、レコードを復刻したきれいなジャケットになっているし12枚組で3千円と安く、同じものをしかも聴かないものを買うのはいくら安くたってもったいないとは思ったが買ってしまった。驚いたのが聴き比べたわけではないが音が格段に良くなっている。特につまらない音楽では音がいいというのは重要だ。レコードのときはたいがいは2枚組だったが、CDの技術で2枚は2番、3番だけ。これも重要。辛抱して1枚聴いたとしても2枚目はのせないから。今回初めてでないだろうか、3番を通して最後まで聴いたのは。映画「ベニスに死す」で5番の4楽章のほかに3番も出てくるので、そこをピックアップして聴くくらいだった。今箱を聴いてるグールド、ルービンシュタイン、ホロヴィッツ、マイルスにマーラーも入れるかと思っていたらもはや5番まできてしまった。みんな雑誌めくりながらくらいはできるが、小説読みながらは聴けないのでプルーストも止まったまま。何の好みも自分では歳とともに変わるわけがない、高校の時一緒にクラシック聴いてたやつが今はカラオケで演歌を歌っていても、演歌どころかモーツァルト、チャイコフスキー、ブルックナー、マーラーは一生嫌いでいられると思っていたが、もちろん好きになったわけではないが通して聴けるようになった自分の変化に何か気味悪く感じた。ある小説では最初の100ページを乗り切れば面白くなっていくなどという話を聴くことがあるが、3番も長い長い楽章を聴いていくと最後に美しい合唱が待っているとは、マーラーを初めて聴いたのは高校生の時だが初めて知った。次はショスタコーヴィチでいけるかもしれない。そうだ昔は同じ交響曲を100曲も書いてとバカにしていたハイドンも聴くようになったし、あくびの出るくらいつまらないオスカー・ピーターソンも聴けるかもしれない。でも人生の秋を迎えた今やることではないだろう。今日もマーラーを聴きながらこの文章を書いていたら、あっという間に寝る時間。亡霊よ、待て!

第七騎兵隊の正義

2015-10-26 22:18:53 | 日記
飛行機で涙流すほど笑った映画「SPY」は日本ではいつ公開か調べたら、上映未定という。元々コメディは大好きだが、これは面白い、もしかしたらシリーズになるかもくらい思ったので驚きだった。当たり前だが、アメリカの大手が制作した映画でも日本で上映されないものもある。ジャック・レモンがアカデミー主演男優賞を取ったのは意外にも1回。その「セイヴ・ザ・タイガー」は劇場公開されていない。DVDで出たので観たらなるほど、こんな暗い映画されないわと思った。これは例外で大抵はアカデミー賞受賞作と受賞しなくても何部門ノミネートとか書いて宣伝に使って上映するのが普通。「ロッキー」や「タイタニック」「ロード・オブ・ザ・キング」みたいな映画も受賞するので、そんな信用もできないが芥川賞よりは確率的にいい作品が入っているのではと思う。米英の作品に限られ、リベラルなものは受賞しないというのは仕方ないが、ベトナム戦争の悲惨さを写した「ハーツ・アンド・マインズ」が最優秀ドキュメンタリー賞を受賞していてアメリカには良心のある人がいつも存在するのは感心する。日本は戦後になっても、この戦争は正しかったのかと問う映画は作られていないように思う。「人間の条件」などは個人の問題にしかしていない。話はそれた。日本映画などどうでもよい。日本未公開映画がテレビで放映されることがあるが、たいがいはそうだろうなこんな映画はというのばかり。ヨーロッパ映画は掘り出し物に巡り会う時がある。もう30年以上前だと思うが、どこで知って観に行ったのか覚えていないが「木靴の樹」バッハのトリオソナタが印象的だった。テレビで観た「シベールの日曜日」これはアカデミー外国映画賞を取ったのではなかったか。リバイバルで観に行ったアンジェイ・ワイダ。ベルイマンやブニュエルが今は家でほとんど観ることができる。リバイバルどころかテレビでも滅多に放映されなかった映画が。でも「2001年宇宙の旅」「アラビアのロレンス」でなくても映画館で観たほうがいいし、映画館で観た映画でないと頭に残らない。


太陽が照りつけ枯木には隠れ場もなく

2015-10-22 19:19:38 | 日記
ルービンシュタイン、ホロヴィッツ、グールドのボックス買って、マイルスのボックスも聴いてなかったので最初から聴き直そうと思ったら、その4種類を順番に聴くだけで夜は終わる。みんな1枚ずつでも4時間近くかかる計算だから当たり前か。それに買ったが1,2枚しか聴いていないハイドン交響曲全集も入れれば、もっと面白くなるだろう。そうだハイフェッツもある、エリントンもある。モンク、エヴァンス、モンゴメリーのリバーサイドもあるが、アルバムの曲順になっていないので聴くのに義務感を感じてだめだ。LDでヒッチコックや007を最初から観続けるのは楽しかった。ヒッチコックはイギリスの初期のものでも退屈しないで観られるし、後になれば夢中になってしまう。今度それをベルイマンやブニュエルでやってみようかと思うと、夜にそんな時間が取れることに感謝しなければなるまい。今回のルービンシュタインなどは聴きいってしまうから、本は読めなくなることになる。本のことを思い出したのはプラハ城は観光客の山で、電車の駅から長いこと歩き上ったことのほうが思い出となり、カフカの「城」へ行こうとする意味、なぜか行けないもどかしさを上っている時に考えていた時。結末のある「審判」よりずっと印象がないのは、話が動かなくていらいらして何かつまらなくなってしまったからだ。3大長編と言われるが、カフカには短編にも書簡、日記にもそれと同等以上の面白さがあるから、なぜだろうと読み返さなくても興味はよそに移ってしまう。カフカはどの小説にも父親の影を当てはめてしまうのは簡単だが、それはベケットの「ゴドーを待ちながら」でゴドーというのはゴッドだというのと同じくらい陳腐なものになってしまう。それと同じに城に向かおうとする自分をKに見立てるのは恥ずかしいと思いながら上ったら人の山で上って損したとは言わないが、何でもわからないということに魅力があると感じ、さっさと城を降りてカフカ・ミュージアムへ向かった。


さよならプラハ

2015-10-18 13:35:42 | 日記
ベルリンのあとプラハへ行った。全くベルリンとは対照的。戦争でぼろぼろになって、しかも東西の発展の違いとかで人工的な街になったベルリン、戦争の影響をほとんど受けなかったプラハ。プラハがこれほど観光客が押し寄せるとは思わなかった。10月でこれくらいなのだから、夏はものすごいのだろう。プラハ城なんて人のゴミで、よかったと思ったのは上まで登って運動になったなということくらい。カフカの「城 」みたいな世界を想像していたら、いきなり銀座の歩行者天国にきたみたいな。初めてのヨーロッパがプラハだったりすると感動するだろうな。旧市街を歩いてカフカはこの街で息をしていたのかと思う。でもプラハももう来ない。


さよならベルリン

2015-10-16 21:25:14 | 日記
ベルリンへ行ったのだけど、雨の毎日で興味半減。ミュンヘンはソーセージ出すビアバーがあってドイツらしかったのだけど、ベルリンは普通のイタリアンとかでさっぱりドイツの食事という雰囲気ではない。面白そうだと入った日本料理店も老舗で普通に美味くてつまらなかった。戦争でぽろぽろになって、東と別れて格差もついたので街としては全然面白くない。フランス人の腰抜けみたいにすぐ降伏するとパリのように残る。そういった面では冷たい街という印象。その中でショックだったのか壁博物館。今までベルリンの壁のことは聞いてるが、実際に脱出に使われた用具とか見ると、ヒトラーでドイツが終わったわけではないのだとわかる。2度は行かないだろうがベルリンも考えさせられた。