And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

孤独の太陽はいっぱい

2017-10-27 23:51:06 | 日記
輸入盤であったのでウォーカーブラザースのライブインジャパン買ってみたが予想通りというか予想以下で、よくもまあこんなのレコードにできたなという代物。観客の声援は完全タイガースかテンプターズの客と同じ。ロッテ歌のアルバムの時代に戻ったようだ。もっと驚かなければならないのが輸入盤なのだから欧米で出ているということでしかも今の時代に出ていること。「In My Room」ああ懐かしいなと聴いたけど、まだショッキングブルーのライブインジャパンのほうが聴ける。これも前の話からの続きでエヴァンスをもう少し知ろうと中山康樹の書いた「ビル・エヴァンスについてのいくつかの事項」を買って読んだ。若くして亡くなってしまったけれど、評論家の書く本では中山康樹が唯一金出して買おうと思うし、これまでも何冊も買った。全部は鵜呑みにはしないけれど、たぶんこういう人生だったんだと面白かった。でも伝記のたぐいはどうでもいい。そんなのは評論家が研究すればいいことで、映画俳優がどんな私生活してるかと同じでそんなこと自分には関係ない。エヴァンスはほとんど持っているけれど、よく聴いたのはラファエロとのトリオで全部を同じように聴いてきたわけではない。かといってハイドンの交響曲を順番に全部聴こうというのと同じく、1枚目から聴いていこうとは思わない。クラシックならできるのになぜジャズはそういうことしようと思わないのか。そういうことなら夏目を文庫のセットで買っていまだ手をつけてないとか、チェーホフ全集も文庫で全部そろえたのに2,3編しか読んでないとかいろいろあるけれど、言い訳するなら夏目は主要なものはだいたい読んでるし、短編はなかなか1冊読み切ること少なくなってきたので最初から読破していくとは思っていなかった。でもあった。マイルスのコロンビアコンプリートは最初から1枚づつ全部聴いた。そのマイルスだってその前のプレステッジは真剣に聴いていない。映画はできる。昔LDで007、ヒッチコック小津、黒澤を最初から全部観続けた。ベルイマン、ブニュエル、ヴィスコンティも手に入るものは全部観たが、やはりこちら系は最初から順番には観られなかった。手に入りづらく、買った順から観たというのもある。何度も書いてるがプルースト全集、読むどころか開くことも滅多にないので自分が死んでから状態のいい本で古本屋に売られるのだろう。ヴァレリー全集カイエ篇は箱が白いので触らなくても時間が経てばシミやカビがつきそう。それなら読むか売るかすればいいのだけれど、その決断もできない。施設にでも入ったら全部持って行けないので今からしておいたほうがいいに決まっているのだけれど。

イシュメルと呼んでくれ

2017-10-24 08:46:05 | 日記
何曲か知ってるくらいで、確か不二家のコマーシャルに出てなかったかなという記憶のあるウォーカーブラザース。出ていたCDを見るとライブインジャパンがあった。日本でも人気あったしとレビュー読んだら、前年解散したのに相当いい金を積まれて来たと。当然力の入ったコンサートになるわけもなく、それでもレコードが出たのはステージから馬鹿野郎と叫ばれても声援送っていた当時のコンサートを象徴している。ちゃんと3人揃っていたからいいようなものでマウンテンのように急遽スタジオミュージシャン集めてコンサートというのもある。英語圏以外には行かないといってたボブ・ディランも初めて日本に来たときは招聘元の意向もあるだろうが、アメリカではやらない昔のヒット曲オンパレードをやった。カーペンターズは大ブームとなり、欧米ミュージシャンにしては珍しく公演は抽選となったが、ライブ盤を聴くかぎり手を抜かず演奏している。ロック系は真面目な演奏のほうが珍しい。それに比べジャズはコルトレーン、マイルスのようにアメリカ人にはわからないジャズを日本でやって絶賛される。この前ブートでエヴァンスのライブイン東京聴いて改めていいなと思った。体もこの頃からぼろぼろのはずだが、なんで引きつける演奏ができるのだろう。破滅的な人生を送ったら誰もがこういう演奏できるわけでもあるまい。70年代入ってから4度も日本に来たんだ。最後の来日公演の時聴いたが、クラブみたいなところで聴きたかったと思ったことだけ覚えている。あと日本ならワルツ・フォー・デビイは必ず演奏しただろう。そのブートには正規盤「ライヴ・イン・トーキョー」に入っていないワルツ・フォー・デビイが入っていて音もいい。明らかに正規で録音したものの流出音源。エヴァンスはジャズ聴きはじめから聴いていているが飽きることはない。ジャズファンはみんなエヴァンスが好き。同じピアニストでもオスカー・ピーターソンやセシル・テイラーのようにファンもアンチも多いというのが普通なのだけど。薬で体がぼろぼろになり別れた奥さん、実兄の自殺など、ジャズエイジの典型的な音楽家であることは間違いない。さようなら最良の精神。
最近観たもので退屈せず最後まで観たのは「フライト」。「ハドソン川の奇跡」のようなハリウッドお得意の英雄物語かと思って観たら正反対。「大空港」のあとの「エアポート」シリーズを観るくらいなら「メーデー」のほうがずっと面白い。「メーデー」でも奇跡的に助かるなんてのもたまにあるが、そんなのドキュメンタリーにする意味がない。

雨を見たかい

2017-10-20 15:36:21 | 日記
「パーソン・オブ・インタレスト」つながりでジェームズ・カヴィーゼル主演の映画を観てみようと「シン・レッド・ライン」をアマゾンで買ってみた。安く買えた理由がわかった。昔「プラトーン」を観てもう二度と観ないだろうと思ったが同じ系統の映画。つまり二度観ようと思わないから売ってしまう、在庫が増える、安くなる。考えさせられる映画は好きなのだが、はたしてこれは映画を観てよかった、面白かったと思わせる役割を果たしているのだろうか。「ジョニーは戦場へ行った」も息詰まるような映画だった。よく考えると幸せな戦争などない。それをフットボールか何かのように敵をやっつけて万歳みたいな映画を見せられ続けてきたわけだ。ジョン・ウェインもノルマンディの敵側にソ連兵士入れたかっただろう。「コールドケース」で興味もって日系人部隊やそれでは黒人はどうだったのだろうと調べると第二次大戦中はまだ人種差別が激しく、黒人には後方支援しかさせてなかったと。だから「コンバット」でも黒人兵が出てこないんだ。最前線で後方部隊の弾よけでもさせられたかと思ったが、逆に味方に撃ってくるのを心配したのだろうか。日系人部隊については第442連隊戦闘団というのが有名でそれこそ盾となり相当の死傷者が出たという。200人の白人兵を救うのに200人の死者を出したというのは命の価値、重みについて考えさせられる。しかも行かせたのが日系人を強制収容所に閉じ込めたルーズベルトなのだから。そのことについて何か特番ないかと探したらあった。NHKクローズアップ現代で「Niseiたちの戦争~日系人部隊の記録~」というのが。30分位の短いものだったが、生き残った日系人が出てきて70年前のことが今でも忘れられないと涙を流す姿を見ると、今の20代がこういう思い出を望んでいるのだろうかと思う。友人が手や足なくなって帰ってきた時、やっと憲法について考えるのだろう。自分たちはいいんだ、若いのが少し死んでくれないと食料が足りなくなるから。軍隊に入るとパワハラなんて言葉も死語になるだろうし、自殺しても誰も気にとめない。戦中の「必勝歌」という国策映画、オールスター勢揃い、溝口健二も監督している映画の1シーンで息子がお国のために死んでよかったとみんなで酒飲んでいるシーンがある。親は息子のために涙を流すはずなのだが、それさえも消している。アメリカでさえ戦争に対しての反省を映画などで告解しているのに日本は愛は死にますかみたいな映画しか作らない。右寄りのクリント・イーストウッドだって日本人から見た硫黄島を映画にしてるというのに。カリフォルニアでは雨は降らないというけれど。

冬の音楽

2017-10-19 09:05:34 | 日記
何かの拍子にネットで出てきたチャック・マンジョーネ。懐かしくて1枚だけ買ったCDを聴いたら、今も昔も陳腐なのは変わらない。マンジョーネのように本格的なジャズでは成功せず、フュージョンブームで当たって一山当てたミュージシャンは何人かいた。そのどれもが10年後には中古レコード店で箱に入って1枚100円で売られるような音楽だった。その中でウェザーリポートだけがまともだったけれども、ジャコが人気出てガキファンがつくようになった。ウェザーリポートをフュージョンに入れたらかわいそうか。フュージョン景気が終わって80年代さてどういうジャズがというときになって、ジャズが消えてしまった。マイルスは燃えかすのような音楽になり、新世代のマルサリスのような音楽はー少なくとも日本ではー受け入れられず、スティーブ・コールマンとか買ってみたけど後世に残る音楽ではなかった。
ジョン・ケージがよく鈴木大拙の名前を出していたので、何か1冊買ってみようかと思った。こういうのは買っても読まないで置いておくようになりそうだと買う前から想像つく。アニメに夢中になるやつは別として西欧では知識人が東洋、日本などに興味を持つことが多い。多いというのは自分が知っている音楽家、詩人の何人かという意味で全体でという意味ではない。ジャポニスム、イマジズム。そうかと思えばイアン・フレミングの「007は二度死ぬ」のように全くトンチンカンで逆に笑えるものもある。たぶんトンチンカンなほうが一般的ではなかったのだろうか。60,70年代の欧米映画に出てきためがねかけて出っ歯でカメラぶら下げた日本人。あの頃の日本人観光客は今の中国観光客と同じだというやついるがとんでもない。日本人は品と奥ゆかしさがある。全部と言えないところがくやしいところだが、裏を返せば中国観光客も静かで常識ある人たちもいるはずだ。「コールドケース」で第二次大戦中のアメリカで日系人を強制収容所に集めた話を取り上げたことがある。「コールドケース」もシリアスな問題に向き合うシナリオが多く、多くのノー天気刑事ドラマとは一線を引く。刑事ドラマでもよく男女が我慢できなくなるシーンがあるが、やはりアメリカ人は男女とも体がでかいので性欲もゴリラ並みということか。脳みそと一緒で。日本の学芸会ドラマよりはましかもしれないと考えると日本の俳優はゴリラ以下ということだ。違いは「コールドケース」のような良識あるドラマを作れるかどうか。



服を着たアフロディーテでさえ

2017-10-12 15:26:04 | 日記
「パーソン・オブ・インタレスト」のファイナルシーズンを観終わったけれど複雑な気分。ネタバレになるから詳しく書けないけれど、アメリカドラマにしては珍しいなという感想。「LOST」も似たような感じだったかな。長々と続いているシリーズ物よりずっといいというのは間違いない。だいたい刑事物なんかスタスキーとハッチの頃から変わっていない。どのキャラもうんざりするチャラさ。「シカゴPD」などはまだ軽さがなくて観ていられる。「パーソン・オブ・インタレスト」も後半は話が大きくなりすぎて最初の頃のような面白さはなくなったが、観終わった複雑な気分はなかなか消えない。ロスコー・ミッチェルのアンソニー・ブラクストンとのデュエット、70年代の演奏だけれど音もよく期待してなかった分よかった。ブラクストンは昔から買うだけは買うのだけれど、1度聴いたら5年は聴かないくらいのサイクルだった。改めて2,3枚聴いてみると意外とうるさくない。「タウンホールコンサート」なんかなかなかいいじゃないと40年以上経ってから思う。これは当初日本のみの発売だったから日本のレコード会社にブラクストンがライブテープを売ったのだろう。チック。コリアのサークルもそうだ。デューク・ジョーダンの「フライト・トゥ・デンマーク」レコードの頃からの愛聴盤で聴き過ぎるくらい聴いた。CDになって別テイクが入ったのはいいのだけれど、途中に別テイクを挟むのでいらいらして別テイクの入っていないCDを探したら紙ジャケットでしかも新品を見つけた。レコードの時エヴァンスの「ポートレート・イン・ジャズ」で枯葉のモノラルバージョンをステレオバージョンの後に入れたことがあった。レコードではレアケースだが世界的にそれが定番バージョンになってしまったというのもある。しかもそれは日本でやったこと。ジャズの本場はアメリカではなく日本なんだ。MJQの「ラストコンサート」のように曲を増やして、レコード順を無視して、コンサート演奏順に並べたものもある。それも両方紙ジャケットCDで出たので両方楽しめる。チャーリー・パーカーのダイヤル盤などレコードの時から録音順に並んでいてとても買う気がせず、CDになったら飛ばせるからと買ったけれども逆に通して聴いてしまう。いつでも飛ばせるという安心感とあの頃ならつまらないとしか思えなかったテイク違いがわかるようになったからだろう。「パーソン・オブ・インタレスト」がCSで放映され録画してまた観てるがやはり面白い。特にシーズン2あたりが。何がいいのか考えるとアメリカドラマは筋と関係ない家族や恋人が出てきてそれにうんざりすることがあるが、それが少ないことか。