ドイツ制作の「タイタニック」がゲッペルスの指示の元に作られたプロバガンダ映画だと初めて知った。プロバガンダ映画といえば「カサブランカ」が有名だが、あの映画のよさがわからない。クサい科白だけでうんざりしてしまう。日本でも今井正、山本薩夫といった社会派もっといえば左寄りの監督でさえ戦時中は戦意高揚映画を作っていたのだから。それらに比べると「カサブランカ」は映画として観られるかもしれない。その当時に木下恵介が軍をだますぎりぎりのところで反戦映画「陸軍」を作ったのはすごいことだった。木下恵介はぬるい映画ばかり作ってというイメージだが「陸軍」を作ったというだけで評価できる。「日本の悲劇」のラストもショッキングだったが。戦争終わったら終わったらで赤狩りがあって、ハリウッドでも思想のないくだらない映画ばかり出てきて、その間に戦争ではお荷物以下の存在だったイタリアから次々と名画が出てきたのは皮肉だ。日本はアメリカのせいで映画に変な希望を盛り込んだが、イタリアは現実そのまま表した。正直なところ今でもイタリアの労働者階級は変わってないのではと思ったりする。松本清張が好きだったので冤罪ものの映画、帝銀事件、松川事件などまた不明のまま終わった下山事件とかの映画はよく観た。日本映画でこの系統が一番面白いかもしれない。それらは映画なので事実とは違うだろうが、ケネディの暗殺犯がオズワルドだとは誰も思っていないのと同じで、犯人は別にいるというのは誰にもわかる。
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