And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

宝石の居眠り

2020-05-08 14:52:16 | 日記
またマタイ受難曲を買い出した。きっかけは磯山雅の「マタイ受難曲」が文庫になって、単行本持っていて読んではいるのだけれど買ってきてパラパラめくっているうち面白そうな演奏あるかなとネットで注文した。たぶん演奏は論外だと思うが中古で安かったのでメンゲルベルグ。予想通り別の曲、オペライエスの苦難的な曲になっていて、別の曲として聴くと面白い。観客も泣かせてくれみたいな思いで構えているのだろう。もう一つは初版を使った演奏。何度も聴いてる人間にはここ違うなとわかる程度でマニア向け演奏。ただ少年聖歌隊の合唱が美しく、それだけで済ませるのはもったいない。でもせっかく少年聖歌隊にしたのだからソロもボーイソプラノ使えばもっと味わい深くなっただろう。そこまで再現しておいてソロが女性というのも中途半端。最近新しいCDプレーヤーに代えたら、変わらんだろうと思っていたSACDの音のよいのにびっくり。そのついでにCD持っているのだけれどレオンハルトのマタイ受難曲ハイブリッドも注文して聴いたが、元が良いのかわからないが違いがわからない程度。すべてのCDが全く変わるわけではないようだ。それでもレオンハルトはマタイのような長い曲でも昔も今も聴き出すと止まらなくなる。なぜヨハネ受難曲を録音しなかったのかわからない。
吉川訳失われた時を求めてを読み終わってからしばらく経ったのだけれど、次が決まらない。100分de名著で観たので亀山郁夫訳のカラマーゾフの兄弟でも読もうかと思ったが、それより読んだことのない長編のほうがいいし。ジッド、自分たちの頃はジイドだったのに何変える必要あるのだろうか。別にどうカタカナで書いたところで正解ないのだから、なじみやすいままにしたらと思う。そのジッドのソビエト旅行記短かったのであっという間に読み終わり面白く読んだ。
ここまで書いたのが2月。しばらく続きが思い浮かばず、そのままにしていたらコロナ。暇つぶしにいろいろ探し、見つけたのがテレビ版「帝銀事件」もう40年くらい前に放映されて面白かったのだけど、それから観ることができず何とか観たいと思っていた。それから帝銀事件関係の本を3冊くらい読んで連休終わらせた。磯山雅の遺作「ヨハネ受難曲」を買って読んだら今度はまたヨハネ受難曲ばかり聴きだして、受難週前から今までで何種類のマタイ、ヨハネ受難曲のCDを増やしてしまったことか。そうそう聴くものでないのでCDを見ながらため息をつく。




モナリザの尻は熱い

2019-12-27 14:51:54 | 日記
書店でホロヴィッツ全録音をCDで聴くという本を見つけ買って、家でめくっていた。こういう本は文章二の次でディスコグラフィーとして役に立つ。ホロヴィッツ日本公演のブートまで出ているんだと探しても見つからなかったのだが、ユーチューブだと簡単に出てきた。著名人が集まったコンサートではブラボーの嵐だったが、吉田秀和があの王様は服着てないと一言書いただけでみんな裸だと気づいた。3年後にリベンジで再来日したらしいが、それから3年も経って歳取っているのに輝かしい演奏ができたわけがない。日本の観客は特にロックではさんざん馬鹿にされてきた。観客に向かってこのクソ野郎どもと叫んだら、のってるのかと勘違いしてわーと歓声起こったとか、酔っ払って立っていられなくなって寝そべってギター弾いたら、またそれものってるのかと思い歓声起こったとか数限りない。ホテルのスイートルームを日本刀でめちゃくちゃにして、金で済むんだろうとおいていったツェッペリンとか、日本嫌いで有名だったショッキングブルーとか。ひいき目にみても欧米人がアジア人を尊敬してるようには思えない。トランプにいいだけこけにされても逆らえない安倍とか。若い女性がパリ行ったって行儀の悪い中国人と一緒にされるのがオチ。そんな日本人に馬鹿にされたらホロヴィッツもはらわた煮えくりかえっただろう。そんなホロヴィッツだってセルとのピアノ協奏曲のような壮絶な演奏がある。当たり前、若い頃壮絶な演奏してきたからこそ名声が続いたのだから。ジャズと違いクラシックは技術が命だから腕が動かなくなってから演奏がよくなるなどない。本読んでいて面白かったのは今の時代は当たり前なのだけど、ホロヴィッツは若い頃からライブ盤も常に編集していたよう。リハーサルテイクを取り差し替える。豪快に弾けばミスタッチなど何も気にならないのに。逆にほとんどライブ盤を残さなかったルービンシュタインとかコンサート自体をやめてしまったグールドとか様々。
吉川訳「失われた時を求めて」もとうとう最終巻が出た。最初が出てからもうそんな年数が経っているのかと思うが、それだけ自分も歳を取っている。あらためて何度読んでも新しい発見がある。これだけの量と中身を一度で覚えることなどできまい。高遠訳が止まったままなのが残念だが、途中でやめたりしないだろうと思いつつ、こういう時代だから売れない本はストップもあり得るかなと不安になる。今でも覚えているのが昔まだまだ本が出版されていた頃にブルトン集成が半分くらいで中止しなったことがあった。こういうことってあるんだと当時は驚いたが、今では無理な企画自体できないだろう。

What did you do in Dallas,Secret service?

2019-12-07 10:43:33 | 日記
なかなか書くことなくて、また久々。いつもアメリカテレビドラマは面白く観てるのだけど、最近観出したラストシップまた面白い。何が面白いかというと敵を中国にしていること。多分向こうのテレビドラマもたくさんあってすべてが面白いわけではないだろうけど、日本のテレビドラマの1本でもこれはというのに当たったことないこと考えると率としてはいいほうだと思う。ジャンルは様々、モンスターもの、恋愛ものなど観ないし、刑事もの好きだけどすべてが面白いわけではない。市販DVDでは出ないコールドケースなど貴重というかアメリカ人にこんな良心があったのかというストーリーもあって感心させられる。といってもどんなに面白くても1度観たら2度は観ないものがほとんどだけれど「パーソン・オブ・インタレスト」は何度も観た数少ないドラマ。シーズン5で終わってしまって残念だけれど、それ以上続くとどんなドラマでも最初のわくわく感がなくなってしまう。「24」も面白くて新作がレンタル店に出るとすぐ借りにいったものだが2度観ることはなかった。
買うだけ買ってほぼ聴くことなかったシュトックハウゼン、久々に聴いてみた。初期の頃はまだ音楽として聴けるので何度か聴いていたが「Aus den sieben tagen」昔買ったたぶんこれが最初のシュトックハウゼンのレコードでなかっただろうか。楽譜がなく言葉から連想して楽器を演奏する。ケージの図形楽譜の発展系か。我々はこれを音楽としてまじめに聴く必要があるのだろうか。息子のマルクス・シュトックハウゼンのCDも買ってみた。息子は現代音楽ではなくジャズに近い。ほっとするが物足りない。別に息子の音楽聴く必要もないかと思う。
最近で一番興味を引いたのは「アイリッシュマン」たまたま書店で目にして買って読んだら面白く、Netflixで映画化されたというので会員になってそれも観た。最近はネットで注文してしまうので、なかなか書店でふらりと見つけることはないが、そういう本こそ親しみがあり思い出に残る。「アイリッシュマン」はジミー・ホッファを殺害した犯人の告白。当然関係者がいなくなり、本人も亡くなってから本になったよう。映画にはでてこないが本にはJFKのオズワルドを殺したジャック・ルビーの話が出てきて、それを読むと暗殺にはマフィアが関係して、ダラス警察もいうこと聞かせていたようだ。それだからか証人がばたばた死んでいったのもわかる。映画「JFK」の中で証人が大統領を殺すような人なんだから、私たちなんか簡単に殺されるといってたがその通り殺されていった。ザプルーダー・フィルムがよく闇に葬られなかったものだ。本当は警官を「殺害」したオズワルドを別の警官が見つけ、撃ち殺すはずだったのがしくじったからルビーに責任取らせた。もしそれをしくじったらルビーも家族も惨殺されてたとのオチまでついて。




髭を剃ったモナリザ

2019-08-17 10:58:34 | 日記
「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」のセットを中古で買って、1日1本、1週間で観終わった。「リチャード二世」など久しぶりだったのでこんな話だったかというのもあれば、「リチャード三世」のようによく知っていて、演出が過剰だと思うのもあった。当たり前だがシェイクスピアなどどれだけ演じられているかわからないのに、地味な演出では誰も観てくれない。それでもそれぞれの中にあるイメージを壊せない縛りがあるから、どこで成り立たせるか。リチャード三世をいい人にするわけにはいかない。せいぜいシャイロックやフォルスタッフを憎めない人間に描くとか逆に思い切りいやな人間にしてしまうとかその程度だろう。そう思うと忠臣蔵で吉良上野介側から実は大石はとんでもない奴だったみたいのを作ったら面白いのではと思うが、誰も作らない。一風変わった忠臣蔵は溝口健二の討ち入りのシーンを入れないというのくらい。
一風変わったといえば、たまたまネットで見て「地獄」という日本映画のDVDを注文した。ネットによると毎年夏の恒例になった新東宝怪談映画のバリエーションらしく、絶対1度しか観ないだろうし、普通の値段だったので金捨てるようなものかと思ったけれど、他では観られないだろうから仕方なく買ってみた。こういうDVDのなんと多いことか。エド・ウッドのB級映画もそう。ジョニー・ディップの映画観て、ついエド・ウッドの映画買ってみたけれど、笑えるのは1度目だけ、というより絶対2度観ない。今は安く出ているようだが当時はボックスでそこそこの値段だったように思う。それで「地獄」を観たのだけれど、笑いものにするくらいの楽しさかと思ったら、途中でぐっすり寝てしまった。よくこんなのが当時映画館で上映され、しかも今堂々とDVDやブルーレイで売れるものだと感心した。意味不明はいいのだけれど、それ以前に観てて楽しくない。「死霊の盆踊り」以上の映画があったんだ。これならタイガースやコント55号の映画の方が絶対面白い。久しぶりにブログ書くのに何でこんなくだらないことで文章埋めなければならないとさらに腹が立ってきた。
原作通りの「そして誰もいなくなった」のテレビドラマを観てからこの他にないのかと探してもない。ソ連の映画であるようだが当然観ることはできない。となると先日のBBCのテレビドラマだけとなる。ポアロシリーズは映画、テレビドラマになるのにこれだけは不思議と少ない。数十年ぶりに本を読んだらやはり面白い。推理小説はどれもというか滅多にしないが読み返すとつまらなくなるものだが、これだけは例外。

3月15日には早すぎる

2019-05-27 16:32:30 | 日記
イギリスでは定期的にシェイクスピアを定期的にテレビドラマ化するのだろうか。シェイクスピアは好きなので映画、テレビドラマになったら観るようにしているのだけれど、もちろんすべて観ることはできない。最近アマゾンで「嘆きの王冠」という史劇のシリーズを知って早速買ってみた。前にBBC制作のシェイクスピア全集を買って全部観た。映画とは違い舞台をそのままというセットはシンプルなもの。今回は映画と同じ作りで原作の編集もあるよう。どちらも面白い。それに関連して「時の娘」も読み始める。元々「嘆きの王冠」が検索に引っかかったのはローレンス・オリビエの「リチャード三世」字幕付きのがないかなと探していたからで、「我らが不満の冬」の「リチャード三世」が一番好きなのにLDでは出ていたのにDVDで出ないので自分の中の不満の冬が終わらずにいる。またついでにジェイムス・メイスンやマーロン・ブランドが出ている「ジュリアス・シーザー」もDVDで買って観た。「ジュリアス・シーザー」の主人公はシーザーではなくブルータスなのでシーザー役はそれほど有名でない役者がすることが多い。「ヘンリー四世1部」もフォルスタッフがメインのようなものと同じか。フォルスタッフの場合人気がでて主演劇が作られるくらいなので、それはシェイクスピアの人の描き方がどれだけうまく共感を呼ぶということに重なるだろう。
たいして好きでもないのにブラームス弦楽六重奏曲1番の紙ジャケット1枚ほしいばかりにアマデウス弦楽四重奏団のグラムフォンコンプリートを買ってしまった。この楽団感心するのはメンバーチェンジなく40年も演奏したということ。どこも必ずといっていいほど人は変わる。そしてその間ずっとグラムフォンと契約していたのも一流の証拠。ただ演奏は保守的で悪くはないのだけれど、自分の好きなジュリアードやラサールとは対極にある気がする。今では演奏家の写真しかなくなったが、昔のグラムフォンジャケットはおしゃれなものがよくあって、それだけで他のレコード会社との格の違いを感じた。レコードの時からそれが廉価盤になると急にどうでもいいジャケットになったが、CDもあれっというのがある。別に紙ジャケットでなくていいから元のジャケット使ってよの1枚がブラームス弦楽六重奏曲1番だった。いいレコードはジャケットを見ただけで演奏が思い起こされていく。帯はもうないが確か映画「恋人たち」に使われたというようなことが書いてあったと思った。結局いまだその映画は観ていないが、ジャケットを見るとどういうシーンに使われたのだろうと想像しながら聴いていた頃を思い出す。