And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

鎌倉霊園ミサ

2015-01-07 12:46:50 | 日記
三枝成章の「ラジエーション・ミサ」が紙ジャケットで復刻されていたのを知って手に入れた。当時レコード芸術の現代音楽部門で賞をとって、どんなものかと買ってみた。当時は三枝成彰も有名ではなく新進作曲家だったのだろう。レコード芸術で行っているレコードアカデミー賞は日本アカデミー賞と同じく何の権威もなく、それで大賞に選んでおきながら、のちの名曲名盤などでは触れもしないとかよくある適当なものだが「ラジエーション・ミサ」は何か気になって買った。早い時期にCDにもなったのだが買わずにいたら、すぐ絶版になり手に入らなくなった。あの頃はレコード持っているからCD買わなくてもいいとかいう感覚だったので買い逃してあとから苦労して手に入れたCDもあった。これもレンタルビデオ店閉店の時の在庫処分で手に入れた。今ならオークションでほとんどのものが手に入るが廃盤になっただけで値段は跳ね上がる。こういうマニアックなものは特に。CD化されたときジャケットはアラジンの上に猫のが変えられていて三枝成章の写真になっていてがっかりしたので今回の紙ジャケットはうれしかったが、あらためて音楽を聴いてみるとこんなものだったのかと思った。やはり電化ものは仕方ない。年数経つとこんなものになってしまう。
もう一つ最近おっと思ったのが、リヒテルのカーネギーホールコンサートを全部集めたボックス。60年に初のアメリカコンサートをカーネギーホールで行った。すごい演奏なのだが当時のコロンビアが勝手に発売したということでリヒテルは販売を止めてしまったいわくつき。稚拙な録音装置を持ち込んだため録音状態はよくない。何年か前にアーカイブシリーズでCDになったことがあったが、そのときは盤おこしだったが今回は正式なマスターから。といっても元が悪いので音が良くなった感じはしない。前後のRCA録音も含まれるがメインはカーネギーホールだろう。ベートーヴェンの熱情、3楽章で最後猛烈なスピードで終わらせるのだが、さすがのリヒテルも指がついて行かず思い切りミスタッチするのだがそれがまたすごい。ライブでも修正しまくってスタジオと変わらない演奏にしてしまう最近の録音を聴いていると、これぞライブとうれしくなる。リヒテルの録音はスタジオでもいい録音に当たったことがない。しかもレパートリーが偏っているから、有名なピアニストの割には親しみづらいかもしれない。録音レーベルも分かれているのでホロヴィッツのようにひとつのボックスで全部聴くこともできない。でも今回のボックスであとは別にいいと思う。