And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

聖オーガスティンを夢でみた

2016-09-28 16:43:03 | 日記
WOWOW版「沈まぬ太陽」を観終わったので映画版を観た。やはり映画は話を短縮したり、簡略化したりするのはテレビ版を先に観るとわかる。今回のテレビも板尾創路が演技へたとか陣内孝則の演技がオーバー過ぎるとか個々には文句はあるが、いい役者を使いいいドラマになったと思う。これを観て本当にそんなことあったのかとか、そんなわけがないといっても所詮ドラマなのだから真実を追究しているわけではない。ただ今までの山崎豊子ものを観ていると全くの作り話ではないとわかる。小説用に映画用に話を面白くするために作った部分もあるだろうが、真の部分は真実だと山崎豊子なら信用できる。とはいえ事件、事故はそれ自体推測で判断される部分も多い。日航の場合は奇跡的に生存者がいたが、上まであがって落ちた場合まず生存者はいないのでフライトレコーダー、ボイスレコーダーなどから原因を推測する。ナショジオのメーデーを観ると整備ミス、パイロットミス、管制官ミスそれぞれあるのがわかる。変わった例だとパイロットが親族の子どもを操縦席に座らせ何かの拍子に自動操縦が解除され落ちたとか、何かの原因で上空で空気が作れなくなりパイロットを含む全員が窒息死。飛行機は自動操縦だったので燃料が切れるまで飛び続け、落ちたなど様々。飛行機がとまっているのにそこに離陸、着陸。空中衝突。たいていは事故が起きてから改善される。東南アジアとロシアが一番危なく、それに比べれば日本の航空会社は安全。スチュワーデスはにっこり笑ってくれるし。向こうは笑うなと指示されているのかと思うほど愛想がない。日本のマクドナルドにはsmileというメニューがあるのに向こうはちょっとでも戸惑うといやーな顔をする。昔「兼高かおる世界の旅」という番組で世界を観たとき、欧米はおとぎの国のようだった。スポンサーのパンナムもよく覚えていて、アメリカの航空会社といえばパンナムというイメージだったのでパンナムが倒産したと聞いてびっくりした。そのパンナムにも乗らずに終わったけど、アメリカは行く気がないので今あっても乗らないだろう。もちろんコンコルドにも乗っていない。コンコルドは普通席でファースト並の料金だったというので、これもあっても乗れない。子ども心にイメージあるのが海外旅行土産といえばジョニー・ウォーカーにナポレオン。今はジョニー・ウォーカーなどコンビニに売っているし、ブランデーなどバーで飲んでいる人見たことない。
ぼくは空飛ぶことを想像した。
自由の女神が
はっきり見えるぼくの目よりも高く
海のかなたへ
空飛ぶことを想像した。

American Tune

長い水晶の夜

2016-09-25 21:20:12 | 日記
「帰ってきたヒトラー」を読み出したら面白くて止まらない。文庫増補版になって注釈がつけられたようだが、この注釈がまた興味を引く。ただ面白半分でヒトラーを取り上げたのではなく研究がなされているのが、その注によってわかる。まだ半分しか読んでいないのだけれど、たぶんこの面白さは映画では失われると思う。もちろんDVDになったら買うけれども。資料を読んだり映像を観るとナチスがどんなひどいことをしたのかがわかるのに、そして戦後もう二度とこんなことがないようにとすべての人が考えたはずなのに、コメディチックに書かれているとはいえ、こういうのがベストセラーになるのは同じことを繰り返す人間の習性なのか。世界的に閉鎖的になりよそを受けつけないならまだいいが、隣が攻めてくるということを考えるようになると振り出しに戻って、もう一度戦争してみましょうかとなってしまうのは何千年もの繰り返し。選挙で一方的に勝たせてしまってからだと元には戻らないのはナチスが証明している。そんなことまじめに考えながら読む小説ではないのだろうけど、注釈から調べていくとまた知らなかった暗い過去を知ってしまう。元々ドイツは好きだし、興味があるのでどんどんと調べようと思ってしまう。シュタージのことを映画にした「善き人のためのソナタ」、ヴィスコンティの「ルートヴィッヒ」。去年ベルリン行ったときに旧シュタージ中央庁舎の前まで行って閉館だといわれ入れなかったのは悔しかったので今年ベルリンリベンジしたいが、ちょっと無理か。ベルリンは徹底的に破壊されたので、街としてはヨーロッパにきたという雰囲気を感じられないかもしれない。それと同じドレスデンも興味あって、たぶん近代的なビルばかりのつまらない街ではと想像する。ヴィルヘルム皇帝記念教会のすぐそばのホテルだったので、唯一第二次大戦を感じる建物を着いてすぐ見ることができた。興味深かったのはやはりベルリンの壁。その記念館もよかったのだが、ちょうど小学生が団体で見学に来ていたので落ち着いて見ることができなかった。2日間雨で旧シュタージ中央庁舎も中には入れず、よかったことといえば悪い天候でペルガモン博物館が比較的待たずに入れたことか。少なくともベルリンオリンピックの頃のベルリンではなかった。旧東ベルリンのほうは建物も何か古くて未だ取り残されているような印象もあたえられる。ミュンヘンはいい街だったけれどもういいかと思うが、なぜか味気ないベルリンにもう一度行って見たい。おかしな総統が復活する前に。

燃える秋

2016-09-20 15:07:12 | 日記
リンカーンが奴隷解放しても黒人が好きだったかは別問題。憶測でしかないがインディアンを大量虐殺したのは歴代大統領と同じ。ウィキペディアに「リンカーンの有名な演説にある「人民」には、インディアンは含まれていなかったのである。」とあるのは痛烈な皮肉。日本人に言われたくないとアメリカ人は怒るだろう。でもユダヤ人を虐殺したヒトラーとどこ違うのという疑問に答えてほしい。アメリカの実業家がナチスを援助していたのは対共産党だろうが国がソ連を援助したのも皮肉。ともかく馬鹿な西部劇やドイツだけが極悪非道な戦争映画ももうほぼなくなった。アメリカには日本人を馬鹿にしたプロパガンダ映画もたくさんあっただろうが、そういうものはもちろん日本には入ってこない。60年代後半の「タイムトンネル」真珠湾、硫黄島のエピソードなど別に日本人を蔑視した内容ではないのに放送されなかったなどみても、相当排除したのかなと想像する。「007は二度死ぬ」は映画はもちろん小説も笑わされる。銀座に人力車だから。この頃の欧米人の日本を見る目はこの程度だった。人気絶頂だった頃のバート・バカラックに日本から曲を依頼したら中国風の陳腐な曲を作ってよこしたなども同じ感覚。エリントンやブルーベックの日本の印象を題材にした音楽は素晴らしく、安物の映画音楽作曲家とは違う。一時期抵抗のあった武満徹。特に尺八や琵琶が入ると日本人が偽物の日本を作っているような気がした。デビュー曲を音楽以前と評されたのは有名な話。最初から評論家にもわかる音楽作っていたら逆に先なかったかもしれない。評論家も口を濁したら褒めたりするのではなく、はっきり書いたのはいいことだ。黒澤、溝口も外国で評判をあげてというのがあるが、ストラビンスキーが絶賛してからかわからないけれど日本で一番有名な作曲家になる。小澤征爾も何で海外の評価高いのと思う。嫌いなものは書かないほうがいい。全部聴いているわけではないけれど武満はみな共通の響きがある。ストラビンスキーのようにころころ作風が変わったら、とてもいい作曲家とは思えない。前にも書いたが後々になってびっくりしたのがハイファイセットの歌った「燃える秋」が武満作曲だと知ったとき。契約上の問題だろうけどレコードには入ってなくて、CDになってサントラ盤にハイファイセットの歌が入った。映画を観ていないので音楽がどういう使われ方をしたのかわからない。ソフト化されないのはなんだかの理由があるのだろう。ともかく武満はこれで一番金が入ったけれど、抵抗もあったよう。金稼ぐだけのおかしな音楽ではないと思うのだけど。


ポーランドはまだ失われてはいない

2016-09-17 13:06:52 | 日記
NHK「テレビでドイツ語」で紹介された映画「帰ってきたヒトラー」は面白そうだが、公開は終わっているようでDVDを待つしかない。原作がベストセラーになっての映画化らしく文庫で出ていたので買った。予告だけ観るとコメディだが、ヒトラー待望のような匂いもする。本当に時代は繰り返すという。そろそろドイツも強い指導者がほしくなる頃。アメリカのトランプはやり過ぎたが、あれだってうまく包みながらやったらもっと支持を受けたかもしれない。日本も中国や朝鮮が襲ってくるとマスコミが煽ると軍隊は必要だ、中国くらい最新鋭の兵器で撃退してやれという意見に違和感を感じなくなる危険性。そして戦争に突入する。そんなことここで書いても仕方ない。できれば自分に関係ない若者が行ってほしい。ヒトラーは人気者で戦中から「独裁者」「生きるべきか死ぬべきか」など映画に取り上げられている。ルビッチの「生きるべきか死ぬべきか」はメル・ブルックスの「大脱走」という邦題でリメイクされていて、どちらもドタバタコメディなのだがユダヤ人の尊厳を描いていてとてもいい映画だった。同じく人を殺しまくったスターリンの映画ができてもおかしくない。敵だけではなく自国民、ユダヤ人とまんべんなく殺しているのはヒトラーもかなわない。それを言ったらコロンブスの殺戮もすごいぞとかアメリカのどの大統領が一番インディアンを殺したかとか殺し自慢は白人には多くありそう。残虐なインディアンに立ち向かう勇敢な白人みたいな西部劇が最近まで作られていたのだから呆れる。黒人問題は映画でも少しずつ取り上げられてきたが、インディアンは野蛮人のまま。「小さな巨人」「ソルジャー・ブルー」あたりからやっと生きる資格の持つ人間は自分たちだけではないと悟る良識が馬鹿なアメリカ人にも出てきた。こんな歴史があるのだから人は殺し合うの当たり前だ。70年も平和だったのだから、そろそろあってもおかしくない。でもヒトラー、スターリン、名高いインパール作戦とかは映画、フィルムで観るだけにしたい。インパール作戦など何万も自国兵士を犬死にさせておきながら、総司令官は戦後悠々と生きたなど怒りをどこにぶつければよいのだろう。旧約聖書の時代から人は神の前で公平ではない。仕方ないのかもしれない。また戦争は繰り返される。ソ連に占領されなかったのはいつも馬鹿だといってるアメリカ人のおかげ。あと20年ほど戦争がなければ見なくてすむのだけれど。たとえそれ以上生きても世界で何をやっているのかわからないで過ごしているだろうから、いいタイミングで頭の上に爆弾が落ちてくれればいいのだけれど、神様今ですと祈って叶うか?

わたしには、眼はみえても涙はみえない

2016-09-16 08:41:03 | 日記
「原子力潜水艦シービュー号」のあまりのくだらなさに同じアーウィン・アレン制作のシーズン2の途中で観るのをやめた「宇宙家族ロビンソン」を久しぶりに観た。子どもの時観ていてDVDになって観てがっかりした一番のドラマ。昔も今も共通しているのだが、声優がうまくて面白くしているというのがある。これではドクタースミスの熊倉一雄。もちろん他の声優もうまいが「宇宙家族ロビンソン」はドクタースミスでもっていたところがあるので功績は大。あとアーウィン・アレン制作といえば「タイムトンネル」後半宇宙人とか出てきてストーリーがおかしくなったが、この3つの中ではこれが一番まともで今観ても面白いのでは。この頃「宇宙大作戦」「スパイ大作戦」「鬼警部アイアンサイド」などでは黒人のレギュラーが出ているがアーウィン・アレンには出てこない。設定からいって仕方ない部分もあるが「コンバット」に黒人兵士が出てこないのは今観ると不自然に見える。「宇宙家族ロビンソン」「タイムトンネル」とも途中打ち切りのため解決篇ないまま終わっている。「逃亡者」のように解決しなければならないドラマでもあるまい。最近wowowで「コールドケース」のシーズン1が始まり、1は観たことなかったので最初はこんな感じに始まったんだと観ていたら5話過ぎたあたりから同性愛とかこのドラマ特有のシリアスなテーマが出てきて、この間の幼児虐待の話では思わず泣いてしまった。昔からそうなのだ。子どもものに弱い。「禁じられた遊び」は今観ても最後泣くだろう。だから観ない。「チップス先生さようなら」でも涙が出た。日本の映画、ドラマでは一度も涙が出たことないのに。「コールドケース」はその時代のヒット曲が使われ、その著作権の問題からDVDにはできないという。だから見つけたときには必ず録画して保存する。これも偶然暇なときにテレビつけて食事していたら面白くて暇つぶしにいいなと思っていたが、そんなちゃっちいドラマではなかったと何度も観るうちに思った。wowowでこれの日本版作るらしいが、だいたい想像つく。「沈まぬ太陽」とか民放に比べたらいいドラマ作っているのは確かではあるが、どうしても「コールドケース」と比べると差のついたものになるというのは想像つく。「クローザー」も面白かった。「バーン・ノーティス」も面白かった。でも両方ともドラマの続きとして引っ張らなければならないものがあって、それがドラマを暗くして、ヒットして7までいくと当初の新鮮さが消えていった。でも「コールドケース」はそれぞれの家庭問題とか出ることもあっても、それぞれが独立しているので引きずるものがない。「24」のように観ているときは面白かったが、あとで好きなドラマといえるかというと趣味悪かったねとしかいえないドラマとは対極にある。