ウッディ・アレンは「アニーホール」で全世界的に有名になってから、フェリーニやベルイマンに傾倒していたことを隠さない映画を続けざまに出した。アレンも古い映画を観直していないのでほとんど忘れてしまったが、「アニーホール」で子ども時代に自分が行くのはベルイマン知っていたら誰でも「野いちご」と連想するし、映画館に行くシーンで確か上映してるのがベルイマンでなかっただろうか。「インテリア」は「鏡の中にある如く」、「サマーナイト」は「夏の夜は三たび微笑む」、「スターダスト・メモリー」はフェリーニの「81/2」、「ラジオ・デイズ」は「アマルコルド」とすぐ連想するものが出てくる。もちろんそれがまねにならずウッディ・アレンの世界にしてしまうから、なお評価を高くしたのだろう。ーフェリーニもいいとこDVDになっているのにどういうわけか「アマルコルド」の日本版は出ないー「私の中のもうひとりの私」も思い切りベルイマンだが、「ハンナとその姉妹」「セプテンバー」「アリス」などウッディ・アレン独自の映画の世界を作った。それ以降、上映されるごとに観に行ってそれなりに楽しめるのだがファンだったので最後まで付き合おうという気持ち。でも前にも書いたが「ミッドナイト・イン・パリ」みたいな映画をいきなり作るので油断できない。黒澤、フェリーニは晩年にゴミみたいな映画ばかり作ったし、溝口健二は若いときから傑作も作るがクズも混ざっていた。逆にヴィスコンティは晩年にピークを迎えた。ブニュエルも晩年面白い映画を作った。デビッド・リーンは初期と晩年では作風が違うが一貫していい映画を作ったのではと思う。ヒッチコックとビリー・ワイルダーは全部好き。新藤兼人は10本も観てないが観た映画は全部好き。デシーカもLD、DVDで手に入れられる物は全部持っているが、1本というとどうもピンとこない。それより俳優としてロッセリーニの映画に出た「ロベレ将軍」がよかった。小津安二郎は全部観てもう観ることないだろう。木下恵介はまだ半分くらい残っているが気が向いたら観ることあるかも。山中貞雄の3本はどれも面白かった。特に「人情紙風船」独特のペシミズム。前にも書いたがラストはアメリカンニューシネマだ。
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