And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

未使用の便器のための音楽

2017-02-15 23:05:51 | 日記
NHKの朝連続ドラマ、ちょうど食事の時にかかっているので好きでなくても観てしまう。その中でもニッカ創業者の話などは面白く、いいのがいくつか続いて今のべっぴんさんは久々つまらないと思って文句つけていたら、ジャズライブのシーンが出てきて演奏してた曲、曲名何だっけ、誰が演奏していたっけと考えた。自分のあまり聴かないハードバップ系、アート・ブレイキー、リー・モーガンといくつか思いつくところ聴いてみたけど違う。家のどこかにあるはずだが全く思いもつかない。そういうときは本当にネットが便利。べっぴんさん、ジャズ曲ですぐ出てきた。「クール・ストラッティン」の中の1曲。昔何回か聴いたが少なくともここ10年は聴いていなかったと思う。古いのも繰り返し聴かない、若いプレーヤーのCDは聴かないとなればジャズで普段聴くものは限られてくる。これだけCD持っていて普段聴くものは10枚くらい。クラシックだってグールドのボックス、ルービンシュタインのボックスがあれば、あとレオンハルトのバッハくらいでいいか。有名演奏家はみなボックスとなってまとめ売りになっている。レコード会社も淘汰され、なお新人が出てくるのは厳しい状況。と自分が憂いても仕方ない。70年代のアバド、ポリーニが出てきて、カラヤン、バーンスタイン全盛なんて時代とは違う。ジャズはフュージョンに行ってしまって雲行きが怪しくなっていったが、それでもまだ活気があった。最初クロスオーバーといっていたフュージョン、だいたいは子供だましみたいな音楽だったけれど、なかにはいいのもあった。ECMが出てきたのが70年代の収穫。キース、チックを録音させたというのが成功の最大の源だった。写真のよさなどわからないけど、ECMのジャケットの美しさ、趣味の良さも聴いてみたくなった要因の一つ。その中でアート・アンサンブル・オブ・シカゴやスティーブ・ライヒが出てきたのにはびっくりした。ライヒはECMくらいからメジャーになったのでなないだろうか。グラスもCBSから出してすっかりメジャーになった。あの頃新しい現代音楽の流れとして聴いたライリー、ライヒ、グラスも今ではもう古典。小杉武久、タージ・マハル旅行団は現代音楽のままだけど。自分の現代音楽はケージ、クセナキスでとまっているから今の現代音楽はどういうのか想像もつかない。今でもライヒは聴いたことない曲が入ってるCDだと買ったりするが、70年代を超えるものはもうない。1曲6時間CD5枚組のモートン・フェルドマンの弦楽四重奏買ってみたけれど、DVDオーディオなら1枚で聴けるからとそれも買ってみたけれど、それかな一番最後に聴いた現代音楽らしい曲は。今まで5分以上聴いたことがないという言葉を付け加えるのは野暮か。

易経の手がまだ触れない

2017-02-07 22:41:40 | 日記
フィリップ・ディック「高い城の男」がテレビドラマになっていたのをアマゾンで知った。もしかしてディックくらい映画化の多い作家はいないのではないだろうか。ところが日本で人気の高い「宇宙の眼」は映画化にならない。欧米と日本ではSF人気投票はけっこう違ってくるけれど、「宇宙の眼」は誰が読んでも面白くまた映画にもしやすい題材ではと思うのだが。とはいっても映画化と違ってドラマは話を継ぎ足さなければならないので、「高い城の男」は原作からかなり離れているよう。まだ1話しか観ていないが、主人公まで変えているようだ。ブラウン神父のドラマがほとんどチェスタトンの原作を使っていなくて神父のキャラだけ使っていたのと同じで「高い城の男」も設定だけ利用しているといったほうが近いのではないだろうか。映画の場合も少なかれ原作とは離れていると思うが、原作を読んだときと同じイメージで全く違和感なく観ることのできる映画もある。と書いてシーズン1を観終えたら何か違和感。書くのをやめて、どうもこんな中身のない話ではないだろうと急遽原作を読み返した。95年刷になっているので20年前。読んだらしき跡があるので読んだか、途中でやめたか。いずれにしても全く記憶にない。人気あるだけあってすいすいと読んでしまったが好みは絶対「宇宙の眼」。主人公が誰かわからない不思議な小説ではある。少なくとも女主人公の活劇でないことは確か。テレビドラマは登場人物の名前だけ使って、部分ストーリーも使いながらの三流ドラマというのがわかった。本を読んだら、どんなくだらないものでも別物として観ることができるのでシーズン2も観てしまおうか。それほど何でも信じるタイプでないので、易経にどっぷりつかることはないけれどキットを揃えてやってみたら酒の席のネタになるかもしれない。ケージに「易の音楽」というのがあるし、チック・コリアもアルバムに易経にインスパイアされたという文章を載せたのがあるように欧米の知識人にとっては興味深いものであろう。易経のことを小説に取り入れたいために日本人を出し、そのために戦争を絡めたと小説家の意図が見えてくる。決して日本人をいいようには書いてはいない。ドラマもいまだ奇妙な日本人になっている。ビルのオフィスに和風のドアとか。まあどうしても観れないようなドラマでもないのでここまで観てしまったのだから観てしまおうと思うけれど、今度は「夏への扉」「発狂した宇宙」あたり、そして「宇宙の眼」もまともな制作者で映画化されないかなと期待する。そういえば「12モンキーズ」のテレビドラマも割と面白く観たが映画とは全く別物だった。