And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

ぼくグロスターのマキシマスより君たちへ

2019-02-26 22:01:03 | 日記
刺激を受けて何枚もジャズを買ってみたけれど、勢いに乗って買っただけでどれもぱっとしなかった。モザイクのレスター・ヤングは前回のコロンビア録音がすっぽり抜けていて、中途半端なのをつかんだという気分。元々スイングするようなジャズは聴かないからブルーノート系を買ったところで一度聴いておしまいになる。あとジャズのことを書こうと思っても何も思いつかないのは自分でも意外。クラシックなら割と書けるのに。テレビドラマも「パーソン・オブ・インタレスト」以降夢中にさせるものはない。昔鍵谷幸信という大学の先生がジャズや現代音楽の文章を書いてたことがあった。ジャズでいえばオスカー・ピーターソンをけなしてセシル・テイラーを褒めたたえるような極端な好き嫌いで書いてたものだから当然ファンもアンチもいた。音楽で食べてる訳でないので評論家のようにこびへつらった文章書かなくていいというのはあっただろう。抵抗を覚えながらもずいぶんと読んだのはやはり文章がうまいからだった。その中で自分の専門の西脇順三郎やアメリカ現代詩を引用するものだから、詩などに全く興味なくても気になってつい本を探してしまった。そういう読者たくさんいただろうからその先生の意図としては成功。西脇、エリオット、パウンド、スティーブンス、ウィリアムズ、レヴァトフ、ダンカン、オルソン、アッシュベリなど、この人の文章読まなかったら一生巡り会うことなかった。現代音楽もケージはもちろんまだ若い頃のライヒ、ライリー、グラス、小杉武久などもこの人の文章から知った。そのおかげでC・コリアがジャケットに引用したカミングスだとかライヒが曲に使ったウィリアムズの砂漠の音楽とかたぶん普通の音楽ファンにはわからないことを知った。K・ジャレットもロバート・ブライを引用していた。西脇順三郎は全集を3度出したがその3セット持っている。1セットだって読まないのにほぼ同じものをもう2セット持っているというのは完全インテリアだ。ウィリアムズの「パターソン」が全訳され驚いていたのにC・オルソンの「マキシマス・ポエムズ」全訳されたのには驚いた。申し訳ないけど誰が買って読むの。研究者と一部の自分のようなファン。前も書いたように電話帳のような本なので日本語でもなかなか最初からじっくり読もうと思わないけれど、逆に原書だけならこれもインテリアにしかならなかっただろう。詩なので全部読み切る必要もないが、1冊として原書を読み切ったことなく、死んだあとは二束三文で売られていくのだろうがあとのことはどうでもいい。いずれ旅に出る。ひとりとして戻ったためしのない旅に。

心の間歇

2019-02-17 22:00:42 | 日記
また安いCD買ってきた。ブラームス交響曲、序曲、ピアノ協奏曲入って5枚組千円、指揮はアーノンクール。1曲でも良ければそれで元取れると思うと買うだろう。演奏はそう期待以上ではなかったけれど、まとめて安くなるのは大歓迎。国内盤は相変わらずおかしな値段で売っていて、スーパーCDとかに高い金払う人いるのかね。ベームのブラームス交響曲全集、SA-CDで1万円。輸入盤なら2千円。いまだにSA-CDを出してること自体驚く。ジャズはとっくに、クラシックも売れる演奏家がいなくなって、街のCDショップはなくなるのではと思ってしまう。アマゾンで注文したら会員になれば1枚から送料無料で送られるのだから。中古もヤフオクより安全に買えるし、つい後で後悔する物まで買ってしまう。どうも昔からブラームスはぴたっとくる演奏がない。交響曲4番なんか好きなんだけど、どれ聴いても物足りない。同じブラームスでもクラリネット五重奏曲ならウラッハと聴くものが決まっているものもあるのに。
 高遠訳「失われた時を求めて」6巻目読み終わった。何度も読んでいるはずなのに祖母の死の描写、圧倒される。吉川訳の「見出された時」にいく前にロマン・ロランの「魅せられたる魂」読もうかと思ったが、巻の差はあるけれど、このまま「見出された時」にいきたくなった。些細な出来事だとこんなところあったかと思うのはよくあることだけれど、この小説の中でも重要で圧倒的な場面なはずなのに初めて読んだかのように感動する。そうでないと何度も読めないというのはあるだろう。そうそう買った本はためないで読もうとしているが、読まないで貯まるのが哲学、次にSF。哲学書は最初の数ページおもしろいのだが、持続して全部読もうとする前に小説が読みたくなる。SFはディックの短編などで例によって1,2読んだら最後まで読む必要ないとやめてしまう。「失われた時を求めて」も学生の時、共同訳をわからずただ字を追っていくだけで1年以上かかって「読んだ」ということにした。プルースト全集が長い年月かかって出たのを買ったが、ぱらぱらめくるだけで読まず。読みやすそうな鈴木道彦訳の単行本も全部買って最初の100ページくらい読んだだけ。やはり文庫でないと持ち歩けないしと思っていたら全集から井上究一郎訳が文庫になったけど、それも買っただけ。その後出た鈴木道彦訳の文庫を今度こそ読んでみようと思ったのがきっかけ。そのあと井上訳文庫も読み終わり、鈴木訳の抄訳版まで読んで、吉川訳、高遠訳へ。
最近facebookのジャズグループ入って刺激を受けて滅多に聴かないようなCDまで買ってしまう。こういうのは付かず離れず、深入りするとろくなことないが適当に楽しむにはいい。訳のわからないやつはどこにでもいて、好きなもののことだけ書いていればいいのにこれは嫌いだとか。結局は一人誰の意見も聞かず古いジャズ聴くしかないのだけれど。