And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

俺の名はノー・マンだ

2018-01-23 12:31:33 | 日記
「パーソン・オブ・インタレスト」の後半のシーズンだったと思うけど、ラストにピンク・フロイドの「ようこそマシーンへ」がかかって驚いたことがあった。ドラマの流れにも合ってるような。その曲の入ってる「炎」はレコード買ったけれど面白くなくて聴かなかった記憶がある。その前の「狂気」は別にピンク・フロイドのファンではなかったけれど、さんざん聴いて次の期待があった。そのあたりがロックを聴いた最後で、逆に「炎」が出たのが75年、そんな頃までロック聴いていたんだと思い出した。そこからピンク・フロイドに火がついて、ちょうど紙ジャケットでしばらくぶりに出るようなので全部買ってしまった。レコードで買ったのは2枚だけで、あとはブッチャーのテーマ。あれ聴いたところでピンク・フロイドのレコード買おうかとは思わなかったけれど。そして最初から最後まで聴いてみた。熱心なファンではないからどうでもいいのだけれど、「狂気」までが自分のイメージしているピンク・フロイド。「炎」と「アニマル」が対で「ウォール」と「ファイナル・カット」が対という印象。「炎」と「アニマル」は別物ロックとしてのれるけど、「ウォール」と「ファイナル・カット」はどこがいいのだろうと思う。ロジャー・ウォーターズが日本嫌いでも構わない。イギリス人、フランス人がアジアを下に見るのは知ってる。そんな曲聴いても抵抗感じない奴らのほうが腹立つ。よく「ファイナル・カット」をピンク・フロイドという名で出せたものだ。そのあとも聴くものないけど「ファイナル・カット」よりはましかも。ブートが昔から有名だったという74年のライブが今回聴いたなかでよかったか。となると「炎」の頃までがよかったのか。
岩波で出ていた新書の中国詩人選集、いくつも抜けているのだけれど杜甫がなくてアマゾンの中古で買ってみた。アマゾンの場合、本はどういう状態か説明と評価からの賭けだが、箱がやけてるのは自分の持っているのもそうだし仕方ないとして、中身は開いたこともないような新品に近くほっとした。きれいはきれいでそっと扱ってしまい読みづらい。昔から布表紙の岩波新書はそういうところがあった。魯迅選集も結局のところ、筑摩の魯迅文集で読んでしまい選集は箱に入ったままとか。文集も文庫で出た時があったのだが、単行で持ってるからと見送ったら気づいたときには絶版とか。李白や詩経國風とかはエズラ・パウンド経由で興味を持った。学校の授業で興味を持てばもっと勉強して輝かしい未来に当たったかもしれないが、人生それほど甘くない。



われらが不満の冬

2018-01-22 21:36:48 | 日記
現代音楽のことを書いておいてケージのことを書くのをすっかり忘れていた。ケージは自分にとって現代音楽を聴く始まりだった。クラシックを聴き始め、ストラヴィンスキーやショスタコーヴィチを現代音楽として聴いていて、それからシェーンベルク、ウェーベルンにいった。当時EMIで現代音楽シリーズが出て、その中でケージを買った。ターンテーブルにのせて針下ろしたとたん、レコードの中身すり替えられてるとびっくりした。いきなり新世界の4楽章が鳴ったのだから。そして次の瞬間理解した。これともう1枚はスリーダンシズが入って裏がスティーブ…ライヒ。この2枚で完全にケージのファンになった。最初に聴いたのがこの2枚でなければ印象は変わっていたであろう。
ポリーニのボックスもピアノが好きなこともあって、次々聴いていく。やはりベートーヴェン後期、バルトークは今聴いてもいいなと思う。ただルービンシュタイン、ホロヴィッツのボックスと同等かといえば疑問。録音をつなぎ合わせた人工的な音がする。それが歳をとるにつれ新鮮な響きも失われていくので、アバドとの2度目のベートーヴェンピアノ協奏曲など評論家は絶賛だがレビューではボロクソとか、ファンのほうが先に作られた音に飽きてきた。今引退しても誰も惜しまない。グールドのようなまねもできないだろう。ポリーニ、アシュケナージ、アルゲリッチといった自分たちの聴いたピアニストがいなくなり、儲けさせてくれるピアニストは今いるのだろうか。
最近は新藤兼人の映画も一息ついた。へたに何かに興味持つとまた1度観ただけでもう観ないDVDを増やしてしまいそうなので、気にしないことにする。待っているのが「M・A・S・H」テレビ版なのだけれど、なぜ出ない。「パーソン・オブ・インタレスト」のファイナルシーズンもアマゾンプライムビデオに入った。これは大好きでレビューも好意的なものが大多数だ。アメリカン・ニューシネマのようだと書くとネタバレになりそうだが、ドラマでも正義は勝つみたいなものばかりのアメリカでこのドラマは新鮮だった。ファイナルシーズンとしてもう続編は作らないという意思を出したところも残念ではあるが潔い。10シーズンも出続ける俳優はホントばかでないかと思う。あまりのくだらなさに貯めてあった録画を全部消した「リーサル・ウエポン」テレビ版、シーズン2が出てるのには驚き。まあどんなくだらないアメリカドラマだって日本ドラマに比べたら、まだ観ることができる。まずテレビ観ないが、朝かかっているから観てしまうNHK連続ドラマ、前のは割と面白かったのに今の「わろてんか」は笑えない。俳優も学芸会の子ども並み。若くてももっとまともなのいるだろう。




石化したパン

2018-01-07 12:23:40 | 日記
またボックス買ってしまった。昔は好きだったけど、コンサート聴きに行って日本なめるなよといきなり熱冷めたポリーニ。後期ベートーヴェンやショパンの前奏曲、練習曲よかったなと思い出し、その中で紙ジャケットになってるのは練習曲だけかとネット見たらDGのコンプリートが紙ジャケット仕様で出ている。向こうの紙ジャケットは日本と比べものにならないくらい安っぽく雑だが、カラヤンEMIのように番号振られただけのよりましか。しかも2万以上したら買わないけれど、1万中ならぎりぎりいいかと。70年代はかなり持っているけど、それは売ってしまって初めから聴いてみようか。ジャケットは予想通り、カラヤンDGは裏も再現してたのに曲名だけ。
久しぶりに聴いたルイジ・ノーノ。「力と光と波のように」題名はイタリア語かと思ったらスペイン語。昔買ったレコードも輸入盤だから曲の意味も何もわからず、国内盤CDで持ってるケーゲル盤で解説読んだら、チリの政治家に捧げられているよう。だからスペイン語なんだ。ノーノ、アバド、ポリーニみんな共産党だったらしいことまで書いてあった。この曲、音響的に面白いので訳わからなく聴いても退屈しないのだけれど中身を知っていた方がいいに決まってる。ただ当時買ったレコードとジャケットが違うのはなぜだろう。当時のレコードはB面に別の曲が入っていたが、紙ジャケットではこれ1曲だけ。「そしてそこで彼は理解した」 は単品CDにも入っていないけど、どこで聴いたらいいんだ。あの頃の現代音楽を思い出す。クセナキス、リゲティ、ペンデレツキ、ルトスワフスキ、そしてブーレーズ、シュトックハウゼン。メシアンは刺激が少なくそれほど興味なかった。70年代中過ぎてからミニマルミュージックを知った。当時まだフィリップ・グラスの自主制作レコードが出ていたし、スティーブ・ライヒのレコードがDGから出ているなんてと驚いた。その前にテリー・ライリーはCBSからレコード出していたので一足先にロックファンに受けていたのかもしれない。ライヒがECMから出したときはたまげたけれど、グラスもCBSから出て、あっという間にミニマルはメジャーになった。ウェーベルン以降の堅苦しい現代音楽も行き詰まり、メロディを取り戻したり、ミニマルの手法を取り入れたりして現代の音楽はどうなっているのだろう。日本作曲家の理解も武満徹、小杉武久あたりで止まっているし。もう一度ノーノを聴いたというだけで、ポリーニボックス買ってよかったかな。どうせポリーニでいいのはせいぜい80年代前半くらいまでなのだから後半はあくびしながら聴くことになりそうなんで。

埃の栽培

2018-01-02 00:08:44 | 日記
新年何にしようかと思ったが、チック・コリアの最初のソロを聴いてキース。キース・ジャレットは昔から玉石混淆だが、ピアノソロはそれほどはずれはなかった。全くと書けないのは何枚かはずれがあるから。最初は「ダーク・インターバル」あの頃は短いソロではなかったので細切れにされたソロに不満だった。出た時以来聴いていない。そして病気から復帰した後の「メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー」これこそ2曲くらいで聴くのをやめてしまった。一般的には人気があるらしくジョージ・ウインストンと比べたりするレビューもあり、レストランでBGM弾くピアニストくらいに思ってる人もいるのか。マイルスの吹く「夜空のトランペット」を聴いている感覚。別の意味で鳥肌が立つ。好みだから好きに聴けばいいけど、自分にとっては初期のアトランティックやオーケストラと共演のものと同じくらい聴く機会がない。最近といっても何年か前だが、ロンドン、パリのソロの入った「テスタメント」これは本当にとうとう才能の枯渇がきたと思った。相変わらず短いソロだけど「リオ」が少しよくなったか。
今年は何を読もう。楽しみにしているのが吉川訳の「失われた時を求めて」まさか途中で中止ということはないだろう。ドス・パソスの「U・S・A」ブルトン集成など自分が知ってる中でも途中でやめてしまったものがある。文庫なら仕方ないかと思っても、箱に入った単行本のブルトンが途中でやめてしまったのはびっくり。ブルトンだからなというのはあっても最初からわかってることじゃないか。ジャズならVol.1と題されて2が出なかったなどよくある。何度も書くがヴィスコンティは「異邦人」だけがソフト化されない。何十年も前に観た記憶だけ。カミュ側かヴィスコンティ側かわからないけどストップしている?ブニュエルは「グラン・カジノ」かビデオになっているがDVDにならない。あと「ドン・キンティン」ベルイマンは「それはここでは起こらない」と「道化師の夜」これらはコンプリートを狙ってるマニア以外ではどうでもいい映画かもしれない。今年もいきなり新藤兼人を1本観る。「心」は先生を消してしまって恋愛だけを取り出しているので、どうせ面白くないだろうと観ていたがそれなりに最後まで観た。殿山泰司がクレジットされてあったのでどこで出るのかと思っていたら、彼の出演のためだけに1シーン作ったような感じ。
音楽も聴いた、映画も観た、あとは本だ。レヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」が10ページくらい読んでそのままなので、ここらからと思っているうちに時は過ぎ、振り返ることもできずただ同じことを繰り返すだけ。