マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

学校徴収金(PTA会費、後援会費)

2014年04月18日 | カ行
 2012年度に静岡県立高校92校が保護者から集めた学校徴収金(PTA会費、後援会費)を、教職員の旅費や施設修繕費など学校運営の経費として支出した総額は4758万円で、2011年度から54%減少したことが4月16日までに、県監査委員の2013年度調査で分かった。

基準策定で抑制、県監査委員2013年度調査

 県監査委員の学校徴収金を対象にした行政監査の実施や、県教委による学校運営における公費支出の基準策定などが影響し、各校が学校運営に充てる経費としての支出を抑制したとみられる。県監査委員は県教委の基準に基づいた適正な支出が行われているか調べるため、2014年度は数校を抽出して特別監査を実施する方針。

 調査によると、学校運営の経費に学校徴収金を充てた支出の内訳は、教職員の勤務時間内の出張に支払う旅費が579万円、施設を修繕する施設費3594万円、授業用教材の購入にかかる需用費345万円、備品費15万円、実験実習費223万円となっている。

 PTA会費は92校全てが徴収した。生徒1人当たりのPTA会費の年額は平均1万2283円。最高額が3万1200円で、最少額は2400円。後援会費を徴収しているのは90校で、平均額9314円、最高額は2万6400円だった。

 県監査委員は「学校間でPTA会費や後援会費の負担額に差があるのは問題では」としている。

公費と区別、グレーゾーンも

 県監査委員が2013年度、県立高校3校を対象に学校徴収金に関する特別監査を実施した結果、県教委の基準に明確に違反しているとして是正を求める支出はなかった。ただ、体育館の緞帳(どんちょう)の修理費やグラウンドの土の購入費など、公費か学校徴収金のどちらを使うべきかが判然としない「グレーゾーン」の支出もあった。

 監査結果によると、3校のうち1校では、体育館の緞帳の修理費21万4000円、グラウンドの土の補充費8万3000円が、いずれも後援会費から支出されていた。県監査委員は緞帳修理費について「体育館のような基幹的施設の補修は本来、公費支出すべき」、土の補充費も「体育授業にも不可欠なグラウンド整備を安易に部活動関係の支出としていないか」としている。

 グレーゾーンが生じる背景には、県教委の基準に「学校の一層の魅力化、特色化を図るため実施される部活動、進路指導、学校行事の充実や教育環境整備などの事業に要する経費については、PTAなど学校関係団体から支援を受けることが可能」と記されていることがある。県監査委員は「基準自体があいまいさを残しているのでは」とみている。
(静岡新聞ネット版、2014年4月17日)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 田中茂範著『表現英文法』を読む | トップ | als etwas erscheinen »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

カ行」カテゴリの最新記事