植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

明日ありと思う心の仇桜

2019年03月28日 | 植物
 今朝は、一番で「花御所」という柿の苗を植えてまいりました。ただでさえ、植えすぎて飽和状態のマイガーデンではありますが、柚子とブルーベリーと不知火(デコポン)のトライアングルの真ん中にわずかなスペースを見つけて、深さ6,70センチの穴を掘り、たい肥・ボカシ肥料・腐葉土を多めに投入して植え付けしました。あとは、水切れに注意して、だいたい1年枯れなければ、成功の部類とします。実が成るかは、神のみぞ知る、ということです。

 昨日は、午後になって、ずいぶんと強い北風が吹きました。外での時間が長いと、季節や天候の移り変わりが、文字通り肌で感じることが出来ます。ガーデニングは、天気には敏感でないとならないので、無論天気予報はチェックしますが、空模様や風向きなどによって、なんとなく今日明日の天気くらいはわかるようになってきますな。各地で桜の開花情報が流れてきます。関東方面は、今週の土日が花見のピークかと思われます。花見のお誘いがありましたが、所用があって参加出来ません。だんだん人ゴミが苦手になりつつありますし。

 「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかわ」という、親鸞聖人が詠んだとされる有名な和歌があります。

 明日はどうなるか分からない、世の中は無常であることよ、みたいな意味らしいですが、お花見好き(酒盛り好き)の人たちが、何をさておいても今週は花見でしょ!みたいな気持ちを表す言葉で、いまや諺扱いされております。ワタシが、まだ社会人で、サービス残業続きでぐったりしていた時期に、時の支店長が、よくこの句を口に出してました。今日やれることは、何時になってもいいから終わらせるんだ、という𠮟咤激励でしょうか。今の世の中では、こんなことを言ってると、パワハラだブラックだと騒ぎになりますが、当時はこんなことは当たり前で、夜9時ころまで仕事してから、お酒や麻雀をやったもんです。若いうちだったから体力も続いたのでしょうが、体を壊すほど働いてはいけません。若者が劣悪な環境で長時間労働の結果、心を病んだり、離職するような世の中は私たちにも責任があります。外国人労働者頼み、みたいな安直な打開策によらず、日本の若者がちゃんと正規雇用され、所帯を持ち子供を育てようという気にさせるような社会であってほしいと切に願います。

 桜のシーズンになると、案外寒くなります。「花冷え」といいますね。ちょうど入学式のシーズンでもあります。ワタシの両親は教員でした。父親の転勤を機に、小学校に入学する直前に引っ越しで汽車に乗りました。九州の山間部で、珍しいくらいの横なぐりの風と吹雪でしたね。子供心にも、陰鬱と言えるほど厳しく寒く暗いその光景は、忘れられません。高校入学の朝も、粉雪が舞ったのを思い出します。さらに、大学の入学式の日のキャンパスには、あちこちに積もった雪が残っていました。 

 門出は、厳しいものだと思って間違いありません。そして、そのうちに春爛漫となり山々に新緑が輝く季節が到来することも。
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