すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー戦術論】カウンターに弱い日本式パスサッカー ~カウンタープレスのすすめ

2020-12-09 04:18:51 | サッカー戦術論
ショートパスが大好きな日本人

 森保ジャパンは(よくも悪くも)日本人らしいパスサッカーに落ち着きそうだ。そこでアキレス腱になりそうなのが、そのスタイルではカウンターに弱いことだ。

 日本人はもっぱら、味方同士が近い距離を保ってパス交換する。日本人は長いボールを正確に蹴るのが苦手だし「嫌い」だ。逆に日本人が大好きなのはショートパスである。

 ゆえにショートパスを使いやすいよう、味方と近い距離を保つことを「距離感が大事だ」などと言って有難がる。

 とすれば日本人のパスサッカーは、常にボールのあるサイドに人が密集する。逆にいえばボールのない反対サイドには、人のいないスペースがたっぷりある。

 となると敵にボールを奪われ、素早くその逆サイドのオープンスペースにボールを展開されれば簡単にカウンターを食らう。敵にサイドチェンジされた瞬間に、それまでパス交換していた3~4人の日本人はたちまちまとめて取り残される。日本人ならではのパス交換の距離が短い「小さいサッカー」は、致命的にカウンターに弱いのだ。

嵐のように襲いかかるカウンタープレス

 ではどうすればいいのか?

 この対策として有効なのがカウンタープレスである。

 前線でボールを失った瞬間に、素早い攻守の切り替えから複数の選手が連動しながら嵐のように敵にプレスをかけ、ボールを即時奪回してしまうのだ。

 前述の通り、日本人のパスサッカーはボールの周辺に人が密集しがちだ。だが、ものは考えようである。これは逆にいえば、失ったボールの近くにはカウンタープレスに使える味方の「駒」がすでにたくさん配置されていることになる。

 つまりカウンターに弱いという日本式パスサッカーのピンチを、チャンスに変えるわけだ。そして素早いネガティブ・トランジションからカウンタープレスをかける。

 では、もしこのときファーストプレスをかわされてオープンスペースへボールを運び出され、カウンターを受けたとすれば? 

 そのときの対策としては、事前にSBを内に絞りながら最終ラインの前に一列上げておく。で、「偽SB」としてあらかじめ危険なバイタルエリアを予防的にカバーリングしておく。

 そしてもし前線でボールの即時奪回がむずかしい場合には、敵の攻撃をなるべく遅らせて速いカウンターを許さない。敵のパスコースを背中で切りながら、ミドルサードへリトリートしてブロック守備に移行する時間を稼ぐ。

 これでカウンター対策は万全だ。さあ、ワールドカップへ行こう。

【参考記事】

【サッカー戦術論】「ロストフの悲劇」なんてなかった ~トランジションの重要性

【サッカー戦術論】なぜトランジションが重要なのか?

【森保ジャパン】日本にトランジション・フットボール以外の選択肢はない

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