すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【アフリカ選手権・準決勝】アルジェリアの鋭い縦パスが敵を引き裂く ~アルジェリア2-1ナイジェリア

2019-07-16 09:27:05 | その他の欧州サッカー
マレズが劇的な「サヨナラ弾」

 アフリカ大陸の選手権大会である、アフリカ・ネーションズカップ2019の準決勝が14日に行われた。

 アルジェリアは準々決勝のコートジボワール戦ではやや守備的だったが、今日は積極的だ。フォーメーションは2センターの4-4-2。グラウンダーの長くて鋭い縦パスを突き刺してビルドアップしている。彼らは緩いショートパスをつなぐナイジェリアからボールを刈り取り、前半35分までに3度のシュートチャンスを作った。

 アルジェリアの選手は日本人のような献身性があり、走ることを厭わない。メンタルにアフリカ的なムラっ気がない。彼らはナイジェリア人とくらべ腰回りが太く、重心が低くて安定感がある。フィジカルに優れ球際も強い。そして組織的だ。

ビルドアップを封じ込められたナイジェリア

 一方のナイジェリアは4-3-3だ。彼らは局所で鋭さも見せるがボールスピードが致命的に遅く、アルジェリアの緻密なプレッシングにひっかかりビルドアップに四苦八苦している。

 特に前半40分にアルジェリアのMFマレズ(マンチェスター・シティ)が右から入れたクロスがオウンゴールを誘って1点を先行されてからは、ナイジェリアは最終ラインでボールを回すか縦にロングボールを放り込むかの二択になった。だが、それでもナイジェリアは後半27分、アルジェリアのハンドによるPKでなんとか1-1と同点に追いつく。

 そして大団円は後半アディショナルタイムに訪れた。アルジェリアのマレズがゴールやや右寄りからのFKを左のサイドネットに叩き込み、ほぼ同時にタイムアップになった。突然試合が終わったので、一瞬、何が起こったかわからなくなるほど劇的な「サヨナラ弾」だった。

 アルジェリアの労を惜しまないプレッシングがナイジェリアのビルドアップを封じ込め、相手に絵を描かせなかった試合である。ヨーロッパの最前線では、敵のビルドアップをどう制限するか? が一大テーマになっている。忍耐強い日本人なら、アルジェリアのような豆なプレッシングはマスターできる。日本代表にとっても参考になるゲームだった。

決勝はアルジェリア対セネガルに

 一方の準決勝もう1試合は、セネガルが延長戦の末に1-0でチュニジアを下した。これで19日の決勝はアルジェリアとセネガルの対戦になった。

 ただセネガルは悪い意味でアフリカ的で規律がユルく、チュニジア戦では走るのをやめたり3~4人が攻め残ったりしていてあまりいい印象はない。彼らはロシアW杯ですばらしく速いショートカウンターを見せていたのに、すっかりルーズなチームに変わっていて驚いた。

 セネガルにはリバプールのマネがいるので楽しみだが、心情的には献身的なアルジェリアの肩を持ちたい。

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