すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【リオ五輪OA枠】「戦術=岡崎」で、と日刊ゲンダイが仕掛ける壮大な釣り

2016-04-27 17:40:24 | サッカー日本代表
「岡崎を1人だけ選べばいい」の時代錯誤

 いやはや、昨日の日刊ゲンダイを読んで目が点になった。この記事はひょっとして釣りだろうか? 要約すると……(1)強豪ひしめくリオ五輪では、日本は弱者のサッカーを強いられる(2)ゆえにOA枠はレスターで堅守速攻を体現している岡崎を1人だけ選べばいい。「戦術=岡崎」でOKだーーなる論旨である。

 いや前段の(1)に異存はない。日本はレベルの低いアジアでこそ一定の地位を占めるが、「世界」へ出た瞬間に弱者の立場になる。その意味でこの記事の現状認識は正しい。

 だが後段の(2)「戦術=岡崎」はどうか?

 いちばん引っかかるのは以下のくだりだ。

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 岡崎はシーズンを通して“弱者のサッカー”をやり続けて結果を出している。岡崎を1トップに置き、その岡崎を最大限に生かすための戦術を採用する。これこそが、手倉森ジャパンの命運を左右する。

戦術ピタリ リオ五輪サッカーOAに岡崎1人召集という選択(日刊ゲンダイ)

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 それをいうなら「岡崎を生かすための戦術を採用する」のでなく、「堅守速攻なら結果として岡崎が全体戦術に貢献できる」という言い方が正解だろう。両者は似て非なるものであり、むしろ主客転倒だ。頭とお尻がひっくり返っている。

 レスターには岡崎に近い働きをする選手が何人もおり、彼らが揃ってプレスをかけコレクティヴに機能するから勝っているのだ。百歩譲って五輪代表に岡崎が11人いるなら、この記事の論旨もある程度は意味をなすだろう。11人の岡崎が組織的な動きをし、彼らが全体として「戦術」になるーー。なるほど、それなら話はわかる。

 だが当然ながら岡崎は1人しかいない。その岡崎をOA枠で1人だけ選び、「戦術=岡崎でOKだ」で事足れりとの発想はいただけない。いつの時代の話だよ、って感じである。

 この考え方は、例えばフィールドの中央にチームを仕切るゲームメーカー(死語)が帝王として君臨し、彼の存在がすなわちチーム戦術になるみたいな時代の論理だ。まるで80年代以前の話である。そんなふうに個がそのまま全体戦術化する世の中なんてとうの昔に終わっている。

 当然の話だが、現代サッカーでは岡崎を1人入れても単なる11分の1だ。彼1人の存在がそっくりそのまま戦術になるってありえない。

 日刊ゲンダイは、(釣りだとは思うが)もうちょっとサッカーを勉強すべきだろう。

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日本のサッカー界を左右する2つの大ニュースが気になる

2016-04-27 14:45:06 | サッカー日本代表
清武がブンデス2部でプレイするだって?

 日本のサッカー界を左右する2つの大きなニュースがあった。ひとつは、なでしこジャパンの監督にU―20女子日本代表の高倉麻子監督の就任が決まった件。もうひとつは、2部降格が確定したドイツ・ブンデスリーガのハノーバーでプレイするMF清武弘嗣の動向についてだ。

 まず世代交代のただ中にいるなでしこジャパンは、いろんな意味で転換点にある。高倉監督はむずかしい舵取りを迫られるが、ぜひがんばって成功に導いてほしい。なでしこジャパンの再興を願い、熱いエールを送りたい。

 そしてもうひとつの話題も、大変気になる。

 清武はこのままだと2部でプレイすることになるが、もし他クラブから実オファーがあり、5月31日までに固定違約金650万ユーロ(約8億1300万円)が支払われれば、移籍が可能とのことだ。実際、プレミアリーグのクラブ等から軽い当たりはあるらしい。

 清武には、日本の未来がかかっている。

 彼の居場所は2部ではない。

 ぜひ1部で優勝争いするチームに移籍し、心身ともにひとまわり大きくなることを祈っている。

 がんばれ清武!

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