ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

ます渕ダム

2017-09-26 00:40:20 | 福岡県
2017年9月18日 ます渕ダム 
 
ます渕ダムは福岡県北九州市小倉南区頂吉の紫川水系紫川本流源流部にある福岡県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、県のダム建設事業に北九州市上下水道局が水道事業者として参加し、紫川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、北九州市上下水道局への上水道用水の供給を目的として1973年(昭和48年)に竣工しました。
1994年(平成6年)には北九州市上下水道局井手浦浄水場への導水路を利用した北九州上下水道局ます渕発電所が設置され最大出力520キロワットの小水力発電を行っています。 
 
ます渕ダムは県道258号線沿いにありアプローチは簡単です。
クレストに赤いラジアルゲートが2門あるだけで、オリフィスやコンジットゲートはありません。
これは昭和30~40年代の福岡県営ダムに多く見られる特徴です。
一方、写真には写っていませんが堤体下部右岸に常用洪水吐となるホロージェットバルブがあります。
 
ゲートをズームアップ。
 
対岸に管理事務所があります。
 
上流面
手前の半円形は常用洪水吐としてのホロージェットバルブの取水設備
奥の四角いの利水用取水設備。
昭和30年代の設計と言うことで何かにつけ大掛かりな設備になっています。
 
天端は歩行者のみ通行可能
ここはフェンスはなく高欄に手すりが後付けされています。
ダムの左岸が福智山への登山口になっており晴天の休日ということで多くの登山者が天端を渡ってゆきました。
 
減勢工。
左手は利水放流設備で福岡県営ダムでよく見られる減勢池があるタイプ。
減勢池から一部が河川維持放流され、残りが専用導水路で井手浦浄水場に送られます。
 
アングルを変えて
減勢工は分離型でクレストゲートとバルブの減勢工が導流壁で隔てられています。
 
総貯水容量1360万立米のます渕貯水池。
実はダム湖上流に1940年(昭和15年)竣工の頂吉ダムの遺構があったのですが、事前の予習不足で見落としてしまいました。
 
左岸のインクライン
インクラインの裏手が福智山への登山口となります。
 
左岸から上流面。
 
ダムにつくとダムサイトの県道路肩には数十台の車が止まっています。
ここは釣りのメッカか?と思いきや地元では人気の福智山への登山口だそうです。
昨今ダムが人気と言われますが、登山人気の足元にも及びません。
 
追記
ます渕ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2425 ます渕ダム(1101)
福岡県北九州市小倉南区頂吉
紫川水系紫川
FNW
60メートル
205.5メートル
13600千㎥/13440千㎥
福岡県県土整備部
1973年
◎治水協定が締結されたダム


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