ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

宮ノ越ダム

2021-12-03 14:00:00 | 高知県
2018年 3月28日 宮ノ越ダム
2021年11月21日
 
宮ノ越ダムは高知県幡多郡大月町姫ノ井の周防形川水系姫ノ井川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧によれば1960年(昭和35年)に月灘土地改良区の事業で建設されました。当初は『姫ノ井池』の名称で掲載されていましたが、2019年の編集でダム名が『宮ノ越ダム』に変更されました。
ため池データベースでは所有者は「自然人」となっており、個人所有のため池ということになりますが、この規模の溜池が個人所有とは思えません。
法人格のない水利組合もしくは地域の管理と見るのが妥当でしょう。
当ダムには2018年(平成30年)3月に訪問しましたが、その後の耐震補強工事で風貌が一変したことから2021年(令和3年)11月に再訪しました。
 
まずは改修前の宮ノ越ダムの風景から 
フィルダムとしては珍しく堤体下流面上にポンプ設備があります。
 
天端
丸石の記念碑が3基立っていますが、池の由来等は書かれていません。
 
上流面は谷積の石で護岸。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
貯水池対岸に斜樋が見える一方、湖面にはフローティング式の取水設備が浮かんでいます。
斜樋が壊れたのでフローティング式取水設備を導入したのか?
両方を活用しているのか?は不明です。
 
ここからは改修後2021年(令和3年)11月の写真になります。
ダム下から
新調された右岸洪水吐、白いコンクリートが目立ちます。
 
耐震強化のため、盛土が厚くなった堤体。
ただ表面に芝などが張られていないため、堤体が雨に浸食されています。
 
高い位置から俯瞰。
 
下流面と洪水吐導流部を超広角で
導流部は右岸を湾曲しながら流下します。
前回訪問時にあった下流面上のポンプ室などはなくなっています。
 
堤体上部は草がついていますが、下部や右岸側は丸裸
雨で浸食された跡が幾筋も見られ所によってはかなり抉られています。
素人目にもきちんと芝を貼るべきだと思いますが。
 
洪水吐導流部。
 
新調された横越流式洪水吐。
 
貯水池は総貯水容量17万1000立米。
 
上流面に新設された斜樋。
 
上流面はウレタン防水シートで護岸されています。
 
耐震強化工事ですっかり様相が変わった宮ノ越ダムです。
ただただ、芝を貼っていない下流面の土砂の流出が気になるばかり。
 
2314 宮ノ越ダム(1331) 
ため池コード 394240002 
高知県幡多郡大月町姫ノ井 
周防形川水系姫ノ井川 
 
 
23メートル 
80メートル 
171千㎥/171千㎥(ため池データベース172千㎥) 
管理者は自然人
1960年竣工 
2020年改修工事竣工 


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