ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

宮崎ダム

2019-07-22 12:19:22 | 長崎県
2019年7月12日 宮崎ダム
 
宮崎ダムは長崎半島南東部の長崎市川原町の宮崎川水系宮崎川上流部にある長崎県土木部が管理する治水目的のアースフィルダムです。
建設省(国交省)の小規模ダム建設事業である生活貯水池事業の補助を受けて建設された補助治水ダムで、宮崎川の洪水調節のほか、安定した河川流量の維持と既得取水権としての流域への灌漑用水の補給を目的として2002年(平成14年)に竣工しました。
宮崎ダムは長崎県土木部が手掛けた初のフィルダムです。
 
またダム建設に合わせてダム下流一帯は宮崎ダム公園として整備され、梅やツツジを中心に長崎を代表する花の名所となっています。
 
堤高27メートルのアースフィルダムですが、建設残土を下流面に盛り立て公園化しているため見た目ではどこが堤体かはっきりしません。
 
ダム下は宮崎ダム公園となっており、梅やツツジが植えられています。
 
右岸の洪水吐導流部
唯一ここがダムの堤体を感じられる場所です。
洪水吐減勢工の底が基礎地盤なんでしょう。
 
いったん左岸に回り込みます。
下流面が埋め立てられ公園になっているのがよくわかります。
対岸に管理事務所と洪水吐があります。
 
生活貯水池事業で建設された小規模ダムと言うことでダム湖は溜池サイズ。
総貯水容量は16万4000立米。
 
洪水吐と取水設備
洪水吐は独特の構造で左手の高い越流壁が非常用洪水吐、取水設備を挟んで右手の低い越流壁が常用洪水吐となっています。
 
洪水吐導流部と減勢工
右手は放流設備。
 
上流から見た洪水吐
奥(下流側)が非常用洪水吐、左手が取水設備、手前の湾曲しているのが常用洪水吐
非常と常用の間には仕切りがありますが、たぶん試験湛水時にこの仕切りが閉じられサーチャージ水位まで上昇させたんでしょう。
とにかく洪水吐の構造が独特且つユニーク。
 
アングルを変えて。
この湾曲も魅力的。
 
ダム上流にも遊歩道が整備されておりダムを俯瞰できます。
 
ダム下が埋め立てられ公園化されているため、どこがダムの堤体かよくわからない下流面。
さらに初めて見るユニークな洪水吐と小規模ダムながら見どころたっぷりの宮崎ダム、よく咀嚼しながら見学しないとなかなか消化できない難物です。
 
(追記)
宮崎ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
2633 宮崎ダム(1476) 
長崎県長崎市川原町
宮崎川水系宮崎川
FN
27メートル
154メートル
164千㎥/114千㎥
長崎県土木部
2002年
◎治水協定が締結されたダム


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