ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

山口ダム

2015-11-25 06:00:00 | 長野県
2015年11月22日 山口ダム
 
山口ダムは左岸が長野県木曽郡南木曽町吾妻、右岸が同町田立の一級河川木曽川本流にある関西電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令で誕生した関西電力は戦後の電力不足に対処するため各所で活発な電源開発を進めます。
特に木曽川はでは新規電源開発や既存の発電施設の再開発が積極的に進められ、その一環として1957年(昭和32年)に完成したのが山口ダムです。
当ダムを取水ダムとして同時に建設された山口発電(最大出力4万2000キロワット)が稼働したほか、従来水路式発電を行っていた賎母発電所(最大出力1万6300キロワット)も当ダムを取水ダムとすることで安定した発電が可能となりました。
 
中津川から国道19号を北上し県境の賎母大橋を超えると右手に山口ダムが現れます。
下流の河原に下りダムと正対できます。
 
関西電力ではおなじみブラックのラジアルゲート6門を装備
河川維持放流として1門が開放されています。
左岸(向かって右手)1門だけゲート幅が細く越流高も低くなっています。これが排砂ゲートの役割を担っているようです。
 
右岸上流から。
 
左岸の取水口。
右手が賎母発電所、左手が山口発電所への取水ゲートで、それぞれスクリーンの上に除塵機が並びます。
 
追記
山口ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

1009 山口ダム(0058) 
左岸 長野県木曽郡南木曽町吾妻
右岸         同町田立
木曽川水系木曽川
38.6メートル
181.4メートル
3484㎥/1264㎥
関西電力(株)
1957年
◎治水協定が締結されたダム


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