ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

雷山大溜池

2017-10-12 02:14:20 | 福岡県
2017年9月21日 雷山大溜池
 
雷山(らいざん)大溜池は福岡県糸島市香力の雷山川水系多久川源流部にある灌漑用目的のアースフィルダムです。
1929年(昭和4年)、1934年(昭和9年)と九州北部を立て続けに大干ばつが襲いますが、特に1934年の干ばつでは当時の前原町及び雷山村では作付面積の約半分が収穫皆無という甚大な被害となりました。
これを受け溜池築造の機運が高まり、土地買収など紆余曲折はあったものの1937年(昭和12年)に県営事業による建設が開始され戦時中の物資・人員不足の中、奉仕隊などの動員の甲斐もあり1944年(昭和19年)に無事雷山大溜池が完成しました。
完成当時は福岡県内最大の灌漑用溜池でした。
その後1979年(昭和54年)に大規模な改修を行い現在に至っています。
池の管理は糸島市前原土地改良区が行い、638ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
糸島市高力の県道564号線『香力台団地バス停』を西に折れると雷山大溜池に到着します。
堤高は25メートルながら堤頂超230メートルの立派な堤体です。
 
右岸から下流面
犬走りを挟んで2段構成になっています。
 
右岸にある竣工記念碑。
 
洪水吐導流部。
 
湾曲した横越流式洪水吐
わかりづらいですが洪水吐手前に穴が開いており、ゲート操作で水位の微調整ができるようです。
 
天端は車道で、上流側は有刺鉄線付きのフェンスが続きます。
こう言っちゃなんですが、福岡は大阪と並ぶ民度が低い土地柄、不法投棄が多いんでしょうねえ。
 
天端からの眺め。
 
総貯水容量は120万立米
自己流域だけでは集水できないため雷山川および長野川からの補給を受けています。
 
天端から見た洪水吐、大きく湾曲しています。
一方で池のすぐそばまですぐ迫る宅地。旧前原町は福岡の衛星都市として昭和40年代以降人口が2倍に膨らみました。
 
円筒形の取水塔。
これは1979年の改修によるものかな?
 
2395 雷山大溜池(1147)
ため池コード 402300001
福岡県糸島市香力
泉川水系多久川
20.5メートル
240メートル
1200千㎥/1150千㎥
糸島市前原土地改良区
1944年


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