ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

新蝮谷池

2021-05-26 18:05:45 | 島根県
2021年5月21日 新蝮谷池
 
新蝮谷池は島根県松江市大庭町の斐伊川水系大庭川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1949年(昭和25年)に当時の大庭町の事業で竣工と記されていますが、竣工記念碑等もなくこれ以上は不明です。
管理は水利組合等の受益組織が行っているようですが、具体的な管理者名を確認することはできませんでした。
 
新蝮谷池へは島根県立「風土記の丘」が目印となり、公園の南西に池があります。
池の天端
轍がありますが、池の入り口にチェーンがかけられ徒歩のみ立ち入り可能です。
 
上流面
特にコンクリートなどでの補強は行われていません。
 
対岸に余水吐がありますが、木が茂りそれとはわかりません。
 
左岸の取水設備。
 
総貯水容量9万9000立米の小さな貯水池。
 
天端からの眺め
眼下には松江市大庭町の市街が広がります。
かつてこの地には出雲国の国庁が置かれ出雲の中心地でした。
 
下流面
秋に草が刈られたようですが、5月後半ともなると草が繁茂してきており池の下に降りるのは断念しました。
 
右岸余水吐の越流堤。
 
これが余水吐になりますが、草木が茂り写真を見る限りは何のことか全くわかりません。
 
風土記の丘からの遊歩道が池のそばを通っています。
 
ダム下には下りなかったので、底樋は確認できませんでした。


1726 新蝮谷池(1623)
ため池コード 322010126
島根県松江市大庭町
斐伊川水系大庭川
16メートル
80メートル
99千㎥/90千㎥
管理者未確認
1949年

山佐ダム

2021-05-26 16:13:00 | 島根県
2021年5月21日 山佐ダム
 
山佐ダムは島根県安来市広瀬町上山佐の斐伊川水系山佐川にある島根県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、山佐川及び飯梨川の洪水調節、松江市・安来市への上水道用水の供給を目的として1980年(昭和55年)に竣工しました。
1967年(昭和42年)に飯梨川に建設された布部ダムと連携した治水・利水運用が行われています。
また2020年(令和2年)には河川維持放流を利用して最大199キロワットの小水力発電を行う島根県企業局山佐発電所が増設されました。
 
安来市広瀬町で国道432号から県道安来木次線に入り南に進むと山佐ダムに到着します。
ダム下への道は関係者以外進入禁止のためダムの下流面をはこれが精いっぱい。
現地ダム案内板によればクレストにローラーゲート2門、コンジットに高圧ラジアルゲート1門を装備しています。
 
ダム湖は山美湖と書いて「やまびこ」。
 
上流面
堤体に巡視艇が繋留されています。
堤高から比べると水位が低いようですが、これで常時満水位。
 
職員さんの許可を得て管理事務所裏手から撮影させていただきました。
残念ながらここからもゲートは見えずコンジットの予備ゲートを眺めるのみ。
 
減勢工
左岸の新しい建屋が2020年(令和2年)に新設された山佐発電所。
 
ゲート操作機器。
 
洪水吐導流部
前日までの雨で水位が上がりコンジットから放流しています。
 
ダム湖は「山美湖」で総貯水容量は505万立米。
 
天端は車両通行可
ちょうど軽自動車が通りかかりました。
 
下流面。
 
同じ飯梨川水系の布部ダム同様、管理事務所の門扉親柱にダム銘板が嵌め込まれています。
 
見えそうで見えないゲートにややストレスがたまる山佐ダムです。
 
(追記)
山佐ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
1751 山佐ダム(1622)
島根県安来市広瀬町上山佐
斐伊川水系山佐川
FW
56メートル
220メートル
5050千㎥/4450千㎥
島根県土木部
1980年
◎治水協定が締結されたダム

布部ダム

2021-05-26 10:23:21 | 島根県
2021年5月21日 布部ダム
 
布部(ふべ)ダムは島根県安来市広瀬町布部の斐伊川水系飯梨川にある島根県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、飯梨川の洪水調節、松を行う飯梨川第3発電所が増設されました。江市・安来市への上水道用水の供給、中海沿岸の工場群への工業用水の供給、上工水の利水従属発電として島根県企業局飯梨川第1発電所(最大3000キロワット)及び第2発電所(最大1400キロワット)でのダム水路式発電を目的として1967年(昭和42年)に竣工しました。
その後1980年(昭和55年)に飯梨川左支流山佐川に
山佐ダムが完成し、現在は同ダムと連携した治水・利水運用が行われています。
また1991年(平成3年)には河川維持放流を利用して最大250キロワットの小水力発電を行う飯梨川第3発電所が増設されました。
 
布部ダムは国道432号沿いにありアプローチは簡単です。
国道から分かれ飯梨川沿いを遡上するとダム下にもアプローチできます。 
 
昭和40年代前半のダムらしくクレスト、オリフィスともにゲート装備。
また右岸(向かって左)には利水放流用のハウエルバンガーバルブがあります。
 
バブルをズームアップ
バルブから下に伸びるのは利水用放流管で1991年(平成3年)に増設された飯梨川第3発電所へと向かいます。
 
下流面
右岸側がわずかに湾曲しています。
 
天端は車両通行可能
湾曲した堤体に合わせ左岸は緩やかにカーブを描いています。
 
天端から洪水吐導流部と減勢工。
 
1991年(平成3年)に増設された小水力発電所の飯梨川第3発電所。
 
ダム湖は「白椿湖」と命名され総貯水容量は710万立米。
堤体に係留された巡視艇が湖面を漂っています。
 
右岸にある飯梨川第1、第2発電所の取水設備。
ここで取水された水は発電に使われたのち、上工用水に供給されます。
 
右岸から天端と管理事務所。
 
右岸から下流面
左岸側が湾曲しているのがわかります。
 
(追記)
布部ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

1747 布部ダム(1621)
島根県安来市広瀬町布部
斐伊川水系飯梨川
FWIP
55.9メートル
190メートル
7100千㎥/5000千㎥
島根県土木部
1967年
◎治水協定が締結されたダム

朝鍋ダム

2021-05-26 00:33:08 | 鳥取県
2021年5月21日 朝鍋ダム
 
朝鍋ダムは鳥取県西伯郡南部町鶴田の日野川水系小松谷川右支流朝鍋川にある鳥取県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
国交省の補助を受けて建設された補助治水ダムで、朝鍋川および小松谷川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給を目的として2004年(平成16年)に竣工しました。
2016年(平成28年)には河川維持放流を利用した管理用発電所(最大出力77キロワット)が増設されています。
 
朝鍋ダムは県道溝口伯太線沿いにあり県道からダムと正対できます。
前日までの雨で水位が上昇しオリフィスから越流していました。
 
右岸から
2004年(平成16年)竣工と比較的新しいダムですが、襟の高いガッツリした昭和感漂うスタイル。
 
天端入り口にはバリケードが置かれていますが、徒歩での立ち入りは問題なさそう。
 
親柱の銘版。
 
減勢工と副ダム。
 
総貯水容量は138万立米。
治水ダムですが不特定利水容量が設定されていることに加え訪問直前にまとまった雨があったためダム湖は満水。
左手は管理事務所ですが、コロナの影響かゲートは閉まったままでした。
 
オリフィスゲートの取水口
流木除けのゲージが設置されています。
 
左岸の浮桟橋と巡視艇。
 
上流から。
 
左手はオリフィスゲート
右手が取水設備。
 
今回の朝鍋ダムの見学を持って鳥取県の主要ダムはすべて訪問済みとなりました。
 
(追記)
朝鍋ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3046 朝鍋ダム(1620)
鳥取県西伯郡南部町鶴田
日野川水系朝鍋川
FN
45メートル
150メートル
1380千㎥/1190千㎥
鳥取県県土整備部
2004年
◎治水協定が締結されたダム