ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

頓田第2ダム(再)(頓田第2貯水池)

2017-09-28 19:13:48 | 福岡県
2017年9月19日 頓田第2ダム(再)
 
頓田(とんだ)第2ダムは福岡県北九州市若松区頓田にある北九州市上下水道局が管理する上水・工水目的のアースフィルダムです。
戦後の発展を受け北九州の都市用の需要は急増を続けます。。
小倉・八幡・戸畑・若松の4市は効率的な水道運営を行うために1952年(昭和27年)に北九州水道組合を設立し水道事業の拡張に着手、1959年(昭和34年)に既存の頓田第1ダムの西側に建設されたのが頓田第2ダムです。
1968年(昭和48年)には第1、第2ダムそれぞれの嵩上げが行われ合計有効貯水容量は915万立米に拡大しました。
現在、頓田貯水池は北九州水道組合を引き継いだ北九州市上下水道局が管理を行っており、ここに貯留された水は本城浄水場を通じて若松区および八幡西区へと給水され北九州市水道事業最大の水がめとなっています。
なお頓田第1第2を併せた頓田貯水池は近代水道黎明期の貴重な施設として近代水道百選に選定されています。 
 
頓田貯水池の位置関係
赤線が第1ダムの堰堤、青線が第2ダムの堰堤。
第1貯水池と第2貯水池には仕切りの堰堤がありますが、両者は貯水池中央でつながっており余水吐は第1ダムにのみ設置されています。
 
竹並バイパスから見た頓田第2ダムの堰堤。
 
下流面。
 
天端は第2貯水池を周回するサイクリングロードの一部になっています。
 
堤体は左岸寄りでほぼ直角に屈曲しています。
 
第2貯水池の有効貯水容量は第1貯水池を凌ぐ475万立米。
第1貯水池同様取水塔は円筒形。
 
取水塔をズームアップ。
 
頓田貯水池の説明板
日本水道百選に選ばれています。
 
天端からの眺め。
 
 
天端左岸側には東屋と展望台があります。
 
2409 頓田第2ダム(再)(1113)
福岡県北九州市若松区頓田
北緯33度54分30秒,東経130度43分39秒
遠賀川水系遠賀川
WI
21.6メートル
474メートル
5293千㎥/4750千㎥
北九州市上下水道局
1968年

頓田第1ダム(再)(頓田第1貯水池)

2017-09-28 15:09:10 | 福岡県
2017年9月19日 頓田第1ダム(再)
 
頓田(とんだ)第1ダムは福岡県北九州市若松区頓田にある北九州市上下水道局が管理する上工水目的のアースフィルダムです。
福岡県の事業で1952年(昭和27年)に建設され、完成後は福岡県と門司市を除く旧四市によって設立された北九州水道組合が管理を受託しました。
自己流域はなく、遠賀川で取水した水がここに導水され貯留する河道外貯留ダムです。
その後の水需要増大を受け、1959年(昭和34年)に第1ダム西側に第2ダムが建設され、さらに1968年(昭和48年)には第1、第2ダムそれぞれの嵩上げが行われ合計有効貯水容量は915万立米まで拡大しました。
現在、頓田貯水池は北九州水道組合を引き継いだ北九州市上下水道局が管理を行っており、ここに貯留された水は本城浄水場を通じて若松区および八幡西区へと給水され北九州市水道事業最大の水がめとなっています。
また頓田第1第2を併せた頓田貯水池は近代水道黎明期の貴重な施設として近代水道百選に選定されています。
 
頓田貯水池の位置関係
赤線が第1ダムの堰堤、青線が第2ダムの堰堤。
第1貯水池と第2貯水池には仕切りの堰堤がありますが、両者は貯水池中央でつながっており余水吐は第1ダムにのみ設置されています。
 
頓田貯水池一帯は響灘緑地(グリーンパーク)として整備され、貯水池を周回するサイクリングロードや大芝生広場、野外ステージのほか様々なレクリエーション設備が設置されています。
今回はそういった施設とは反対の南側からアプローチ。
水田の先に第1ダムの堰堤が見えてきます。
 
下流面。
 
右岸堤体下に頓田排水処理場があります。
 
右岸にある横越流式余水吐
立ち入り禁止のためこんな写真しか撮れません。
 
天端は遊歩道として開放され多くの市民がウォーキング、ランニングを楽しんでいます。
 
堤体からの眺め
 
頓田第1貯水池
有効貯水容量440万立米。
 
戦前に着手されたダムらしく取水塔は円筒形。
 
第1貯水池と第2貯水池を仕切る堰堤は車道になっています。
道路沿いに桜が植えられ春には満開の桜が彩りを加えます。
 
上流から見た余水吐。
 
良く予習して見学しないと何がどこにあるのか戸惑ってしまうほど広大な頓田貯水池です。
 
2401 頓田第1ダム(再)(1112)
福岡県北九州市若松区頓田
遠賀川水系遠賀川
WI
21.6メートル
817メートル
5011千㎥/4400千㎥
北九州市上下水道局
1952年 竣工
1968年 再開発事業竣工

菖蒲谷貯水池(菖蒲谷ダム)

2017-09-28 13:44:34 | 福岡県
2017年9月19日 菖蒲谷貯水池(菖蒲谷ダム)
 
菖蒲谷貯水池は福岡県北九州市若松区小石の赤崎川水系赤崎川上流部にある北九州市上下水道局が管理する上水道用水目的のアースフィルダムです。
明治後期より石炭の積み出し港として発展した若松ですが半島地形のため上水道水源の確保に苦労し、1912年(明治45年)に洞海湾を挟んだ対岸の戸畑に浄水場を作り海底送水管による給水を開始しました。
若松市の発展に対応した第2期拡張事業で1925年(大正14年)に建設されたのが菖蒲谷貯水池で日量1400立米の給水能力がありました。
戦後も上水道水源として活躍しましたが、1967年(昭和42年)の浄水場統合によりその役割を終え、現在は緊急時の予備水源として北九州市上下水道局が管理を行っています。
大正以降の若松の発展に大きく貢献した点を評価され経産省による近代化産業遺産に選定されています。
 
若松区小糸町に菖蒲谷自然公園を示す標識がありこれに従って赤崎川沿いを西に進むと左手に菖蒲谷ダムが見えてきます。
下流から見る限りはただのため池。
 
天端左岸に近代化産業遺産の説明板があります。
 
左岸の余水吐導流部
木が茂りなんだかよくわからない写真。
 
左岸の横越流式余水吐
こちらも同様、木の間に越流面が見えます。
 
総貯水容量26万4000立米
現在は緊急用予備水源という扱い。
 
明治大正期の上水用水源地でよく見られる円筒形の取水塔
ここから水を送っていた畑谷浄水場はすでに廃止となっています。
 
空気が澄んでいれば洞海湾を挟んで戸畑、さらに下関まで遠望できるのですが・・・。
 
天端
上流面は谷積の石で護岸されています。
 
階段で堤体直下まで降りることができます。
ダム下は公園になっていますが、木が茂り下流面の写真を撮ることはできませんでした。
地図では菖蒲谷自然公園と記され、北九州市のHPでも桜の名所と紹介されていますが、訪問した時期が悪かったのか?草が生しかなり荒れ気味の公園です。
 
2377 菖蒲谷ダム(1111)
近代化産業遺産
福岡県北九州市若松区小石
赤崎川水系赤崎川
18メートル
140.4メートル
264千㎥/210千㎥
北九州市上下水道局
1924年

釜底溜池

2017-09-28 12:32:23 | 福岡県
2017年9月19日 釜底溜池
 
釜底溜池は福岡県宮若市水原の遠賀川水系犬鳴川左支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1937年(昭和12年)に当時の若宮町の事業で建設され現在は宮若市が管理を行っています。
釜底溜池は九州自動車道わきにあり若宮インターから県道9号を東に向かうとすぐに到着します。
周辺は宮田工業団地になっており、トヨタグループの工場が集積しています。
 
右岸から下流面
ダム便覧では堤高20メートルになっていますが、工業団地造成の際に盛土されたようで見た目は5メートルほどの高さです。
福岡県ため池データベースでは堤高は6.5メートルになっており、こちらを取れば河川法上のダムの要件には届きません。
当ブログでは諸元はため池データベースを採用します。
 
写真右手に取水設備からの底樋があり、灌漑用水路が伸びています。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
上流面の斜樋、その右手の小さな穴が余水吐になります。
 
この水路が余水吐からの流路、左手からの水路は斜樋からのものです。
 
堤体直下はトヨタ系の工場で出荷前の新車がずらっと並んでいます。
 
総貯水容量は21万4000立米。
釜底という名前通りの形状です。
 
貯水池に残る遺構
溜池建設前にあった橋の一部だそうです。
 
右岸から
対岸を県道が6号が通り天端も立派な車道になっています。
ただし天端と県道の間にはガードレールがあり県道から天端に車で入ることはできません。
 
昭和12年の竣工記念碑。
 
記念碑の隣にある中国風の祠。
 
2388 釜底溜池(1110)
ため池コード 402261014
福岡県宮若市水原
遠賀川水系犬鳴川左支流
6.5メートル(ダム基準未達)
106メートル
214千㎥/192千㎥
宮若市
1937年