夢の翼with皇大26期生のブログ

私と関わる全ての人たちが繋がりあえるように、大学時代の思い出から現在の環境までをまとめて1つのブログにしちゃいました。

訓練にかける意欲

2008-08-04 02:53:06 | Weblog
 今日,父が退院してきます。あと6時間後には迎えに行く予定。約3週間前に,膝の関節の一部を人工関節に置き換える手術をしました。骨が壊死していく病気でした。原因も不明です。立ち仕事でずっとその場所に負担がかかってきたからだと医者は言います。その考え方ならばもう片方の足もなる可能性はあるよね?という疑念は持ったままなのですが,とりあえず,痛そうに足を引きずって歩く父の姿を見ていられなくて,今回の手術を勧めました。あと数日で68歳になる父。年齢的にはまだ若いといわれます。私もそう思う。ただ,調理一筋50年でやり続けてきた頑固者ですから,痛みがあっても自分の口からは絶対に言い出しません。特に母に向かっては弱音を吐きません。といっても息子である私たちにも滅多に痛いという言葉は口にしません。看護師さんに「うちの父は『痛い!』といえない頑固者です」と伝えたら,「今回の手術では『痛い』と言わないことが一番困る」と説得されて,ようやく言えるようになりました。
 それはさておき,手術後2日目から,細かいことを言えば手術直後から,リハビリは始まりました。車いすに乗せてもらえたのは2日目のみ。3日目からは歩行器を使って歩く訓練です。一日も早く人工関節をなじませなければならないので,かなりハードな訓練が続いています。元々まじめな人柄ですから,医者が勧める以上に黙々と訓練をしてしまう父ですので,やり過ぎに注意をと思っていたら,先日調子づいた父は歩行器も杖も使わずに勝手に立って歩いて,看護師さんに叱られたと言っておりました。子どものような父を40歳にして初めて見た私です。
 父には訓練に精を出す理由がありました。自分と先輩が守ってきた味を,まだ若い人たちに教えていないので,先輩(御年77歳)が引退しない限り,自分もまだ引退できないし,その味を求めてやってくるファンの人々がまだたくさんいるということを聴いては,仕事復帰に燃えないわけにはいきません。退院後1週間は家族とともに自宅で療養が続きますが,次の診察でOKが出ればすぐにでも仕事復帰を果たすつもりでいるわけです。私が車で送迎できるこの時期をねらっての手術でしたが,何とか上手くいきそうです。「訓練をして何としても現場に復帰したい」という意欲が,父を支えています。これは「ことばの教室」でも同じだと思いませんか?ことばの教室の先生=私は医者でも手品師でも超能力者でもない。訓練の仕方は指導できても,努力をするのは本人です。本人の努力抜きでは治るはずのないものであることは,膝の病気も言葉の障害も同じです。もちろん周りの,特に家族の気遣い,環境の整備も忘れられません。昨日最後のお見舞いに家族総出で行きました。娘は「退院」という言葉の意味を知らなかったので「退院ってなぁに?」と「おじいちゃん」に聞きました。「病気が良くなっておうちへ帰れるんだよ」と嬉しそうに孫に話す父に対しても嬉しくなりましたが,「退院」という言葉の意味を知ってすぐに「退院できるんだね,おうちに帰れるんだね,すごいね,良かったね,おじいちゃん,おめでとう!」とすぐに使えるようになった4歳の娘の成長に感動した一日でもありました。こういった言葉が,父を元気にしていくんだなということも実感しました。本人の意欲と周りの支え。どんな訓練にも欠かせない,大切な「車の両輪」ですね。つばさの皆さんも家族の皆さんも頑張ってくださいね。
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