昨日、知り合いの家にホームステイ中のイギリス人の青年に、剣道を体験させることになり、私のお古と防具を身につけさせて、稽古に連れて行きました。外人さんの登場に、ドキドキする子どもたち。「は、ハロー!」「マイネームイズ・・・」興味のある子どもたちは自ら声をかけに来る。緊張しながら片言の英語を話そうとする子どもたち。英語を習得するには、こういったチャンスを最大限に活かし、どれだけ英語を使うか、が大切なポイントだ。高校生くらいになってくると、恥ずかしがってしまって、決して話そうとしないが、恐れを知らない小学生は天下無敵である。これくらい興味を持って勉強すれば、きっと英語も上達するよ!と心の中でエールを送りながら、肝心の自分の英語の力があまりにも身についていないのが情けない・・・。自慢じゃないが、中学1年生の頃から英語が好きで、成績は良かった。一度は通訳になる夢も持っていたが、そこまでの上達はなかった。しかし、中1から高3まで6年間、NHKラジオ講座の基礎英語シリーズを、1日も欠かさず3番組続けて1時間聞き続け、大人になった今も、先日ラジオが壊れるまでの5年間ほど、ずっと朝は基礎英語。テレビで語学番組を毎日録画して見ている。にもかかわらず、本場イギリス人に通じる英語が出てこない。実際に日本の学校英語はアメリカ英語だから、通じない部分があるのは当たり前。剣道の稽古会場である「小学校」も「エレメンタリースクール」ではなく、「プライマリースクール」ということを、彼との会話の中で聞いて理解した。そういえば聞いたことがある!くらいの知識だった自分が恥ずかしい。相手も日本語の勉強に来ているから、必死に日本語で話そうとする。どう伝えていいか分からなくなると仕方なしに英語で話すが、こちらも日本語だけで剣道を教えても、なかなか伝わらない。お互いが「通じない」ことのイライラが募ってくる。専門用語は日本語で教えるにしても、動作や意味を教えるのにどうしても英語が必要だが、「地稽古」という言葉一つでも「エクササイズ」とか「プラクティス」とか「ドリル」などとたくさんの種類の言葉が出てくる。どれが正しいのか分からない。
肝心の剣道の稽古のことはかなり興味を持ってくれたらしく、実際に面・小手・胴を打突するところまで駆け足で進めた。大事なのはその前後に行う「礼」について。形を教えることはできるが、その意味を求められると、こちらもなかなか英語にならない。剣道の精神として一番大事な「礼に始まり礼に終わる」ことを伝えなければ、ただのチャンバラを教えたことになってしまう。そこが苦しく、一生懸命に考えたが、やはり浮かばない。あと2回ほど来てくれるらしいので、こちらも一番大切なことを教えてあげられるように勉強しておかなければ…。
終わりがけに片付けている最中、剣友会のマスコット的存在の1歳の女の子がよちよち歩いているのを見た彼は、私が「可愛いね」と言ったことに対して「かわいい、とは英語ではどう表すのか?」と逆に質問されて「プリティ・ガールだね!」と言ったら、どうもイギリスでは「プリティ」という言葉は赤ちゃんには使わないらしい。私が思っているようなニュアンスでもないというのだ。ひょっとしたら、日本語のように使っている英語の中には、本来の意味とは全く違う使われ方をしているものもたくさんあるのかも知れない。勝手に外国語を日本の表現に合うようにカスタマイズして良いのだろうか?ますます、きちんと英語を勉強したくなった。これからも大人の基礎英語やテレビでドイツ語会話など語学番組の視聴に気合いを入れようと誓った昨晩でした。