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ハノイ・鎮国寺

2018-10-10 07:06:24 | ベトナム・ハノイ

 

チャンクオック(鎮国)寺の旧名は開国寺と呼び6世紀、李南帝の時に紅河畔に建立されたという。
1616年、紅河の土手が崩れたため、現在地の西湖東岸の小島に建立され1639年、後黎朝の実力者であった鄭氏の命によって増築され現在の規模になった。その後11代皇帝・黎熙宗の時代、鎮国寺と改名された。
鎮国古寺と扁額のかかる本殿(大雄宝殿)は、16世紀から始まった建築様式で俯瞰すると『エ』字形の本堂に『ロ』字形の回廊、客殿、僧房が取り囲み、堂内には仏像だけではなく、元寇時の英雄チャンフンダオ(陳興道)や関羽が祀られ、祖師堂には歴代住職の像とともに三聖母も祀られている。

仏教寺院といえども、道教の神々が祀られており、何か混交しているイメージを受けるが、マレーシアやタイのように仏教寺院にヒンズー教の神々が祀られている姿は見ない。

ところで中国の仏塔は石造か塼(煉瓦)造りが多い。それに忠実に倣っているのはベトナムと朝鮮半島で、日本では木造の三重塔や五重塔に変化した。写真は鎮国寺の仏塔であるが、16世紀当時のものではなく、近年の建立のように見えるが煉瓦造りである。
安南山脈を西に越えると、中国の仏塔様式は消えインドのストゥーパの影響が濃厚な仏塔に変化する。形而下的なものが、このように変化することは、人々の意識や考え方の違いも当然のことながら存在すると考えられる。尚、この項はハノイ歴史研究会のHPを参考にした。

<了>

 


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