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古代人の視点・山見

2021-10-07 08:14:07 | 出雲国

過日、松江からの帰り、三瓶山と大山が一箇所で見られる地点を探して、宍道湖岸の北を通った。日本海を通過したり、倭地に向かう古代と云うより上代人の疑似体験である。近くでは後鳥羽上皇の隠岐の島脱出が思い起こされる。彼らは三瓶山と大山を道標としたのである。

『出雲国風土記』では八束水臣津野命が西の佐比賣山(三瓶山)を綱を掛ける杭にして、志羅紀(新羅)の御崎に綱をかけて引き寄せたと記されている。一方、東は火神岳(大山)を杭にして、高志(越)の都都の御崎に綱を掛け引き寄せたと記す。古代の人々は高い山を道標にしたのである。蛇足ながら西の綱は薗長浜、東の綱は弓ヶ浜(夜見島)である。

宍道湖北岸で、この三瓶山と大山の双方が見える地点を探すと、松江市秋鹿町で見ることができた。

Google Earthのココ地点が、松江市秋鹿町で双方の山を望むことができた。先ずは東の大山から。

次は西の三瓶山。距離はほぼ同じながら、大山より小さく見える。標高差と山体の規模からくるものである。

上代に朝鮮半島のみならず、長江下流域の呉越の民が出雲を目指して、渡海して来た時の道標であったろうと、妄想に近い感慨にひたったひと時であった。

<了>



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