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他にも在る装飾付須恵器

2023-03-20 08:26:46 | 古代日本

前回は、大分県立埋蔵文化財センターで見た、天の鳥船の肖形物で装飾された須恵器を紹介した。このような装飾付須恵器は他にも存在する・・・と云っても、それは西日本のことであり、東国のそれについては皆目分からない。

島根県浜田市めんぐろ古墳出土 6世紀 古代出雲歴史博物館にて

先ず、我が島根県の事例である。子持ち壺と共に馬かと思われる動物が取りつけられているが、大分で見た装飾付須恵器のような明確な物語性は感じられない。

東大阪市 山畑22号墳出土 東大阪市立郷土博物館にて

装飾付須恵器の器台部分の透し穴は、長方形あり三角あり、その組み合わせもありだ。地域性なのか、何か約束事があるのかないのか、詳細を調べていないので、現時点では不詳である。子持ち壺、人物、馬、猪や犬であろうと思われる肖形が貼りついている。狩猟の場面であろうか。

兵庫県小野市勝手野6号墳出土 兵庫県立考古博物館にて

髪型からみて男女が対向している姿や、騎馬人物が鹿と猪を追いかけ、狩猟している様子。更に相撲をとる男同士が造形されている。被葬者の生前の様子を、反映しているものと思われる。

岡山県総社市法蓮出土 7世紀 倉敷考古館にて

子持ち壺のほか動物と、頭部が欠けた人物像かと思われる肖形が取り付けられている。これをもって何を物語っているのか・・・について述べる見識をもたない。

広島県北広島町石塚2号墳出土 みよし風土記の丘資料館にて

堂々とした鳥が天辺にとまる。羽が短いので水鳥には見えないが、どのような鳥を意識して造形されたであろうか。鳥は被葬者の霊魂を常世に運び、稲魂をもたらすと云う。古代からの信仰・風習を造形したものである。

大阪府太子町 一須賀古墳群出土 大阪府立近つ飛鳥博物館にて

人物、馬、鳥、他に獣が貼りついているが、狩猟の場面と被葬者の魂を運ぶ鳥を造形したものであろう。

和歌山日前宮出土 天理参考館にて

子持ち壺と騎馬人物、鳥に獣が貼りついている。被葬者の狩猟の様子を表したものと思われる。

東国の装飾付須恵器の様子をしらないが、西日本では狩猟の場面が多いようである。それは主要古墳の埴輪の様子や、装飾古墳の壁画場面と共通している。表そうとしたことは同じであった。

<了>

 



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