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北タイ陶磁の源流考・#9<インドシナの治乱攻防と窯業・#5>

2017-01-16 07:55:51 | 北タイ陶磁
<続き>

5.15世紀初頭のインドシナ諸国
先に14世紀のインドシナ諸国の情勢と窯業開始時期について概観してきたが、今回はタイ各地で窯業が活発になる15世紀初頭を概観したい。

<紺色>
「大越国・黎朝」1428-1527年、1532-1789年・・・キン(ベト)族
15世紀初頭に明はベトナムを支配下に置いていた。これに対し清化地方丘陵部の小首長黎利(レーロイ)が挙兵した。長期のゲリラ戦を経て明の勢力を国外へ放逐し、1428年に現在のハノイで皇帝に即位。
1434年に黎利が崩御すると、その次子である太宗が即位した。即位時に僅か11歳ということもあり、当初黎察という人物が摂政に当たっていたが、成人するとこれを退け親政を開始した。一時宮廷内の内部抗争の後、1460年に名君聖宗が即位する。

<黄色>
「チャンパ王国」先述。

<桃色>
「ハンタワデイー」・・・モン族 ペグー王国のこと、先述。

<紫色>
「ランナー王国」・・・タイ族 先述。ランナー王国諸窯の最盛期。

<黄土色>
「スコータイ王国」・・・タイ族 先述。
アユタヤ王国に浸食され版図は狭まった。シーサッチャナーライ、スコータイ窯の最盛期。

<濃紺>
「アユタヤ王国」1351-1767年・・・タイ族
ウートーン王により建国、以後400年に渡って栄えた王朝。日本では山田長政が仕えた王朝として著名。

<深緑>
「ランサーン王国」1354-1709年・・・ラオ族
ファーグム王により建国された。支配領域はメコン川流域から、コラート台地に広がっていた。16世紀後半のセーターティラート王の時代に、ビルマ・タウングー朝の侵攻を受け、都をルアンプラバーンからビエンチャンに移した。
ルアンプラバーン・バンサンハイ窯開窯前夜。

<赤色>
「アンコール」王国・・・クメール族
先述。僅か数十年後の1431年に滅亡する。タイ族国家が強大になり、アユタヤ王国軍の侵攻により、アンコールは陥落し、強大な力を誇示した帝国は滅んだ。




                                 <続く>



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