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北タイ陶磁の源流考・#8<インドシナの治乱攻防と窯業・#4>

2017-01-15 07:43:51 | 北タイ陶磁
<続き>

4.14世紀のインドシナ諸国

<紺色>
「大越国・陳朝」・・・キン族
前回記述。
北ベトナムの14世紀に操業を開始したものに、ハイズォン省チーリン県コータン社のランゴム窯がある。
<黄色>
「チャンパ王国」・・・チャム族
チャンパ王国については先回掲載。
チャンパ・ゴーサイン窯の操業開始は、種々の調査結果より14世紀以降とされている。

<山吹色>
「スコータイ王国」・・・タイ族
前回記述。
14世紀にはシーサッチャナーライ、やや遅れてスコータイの陶業が開始された。

<水色>
「ラヴォー王国」・・・モン族
先回掲載。
シンブリーのメナムノイ窯も操業を開始したと云われている。

<赤色>
「アンコール王国」・・・クメール族
前回記述。
ジャーバルマン7世の死後、タイ族の隆盛により、版図は縮小し現カンボジア王国の版図に押し込められる。

<桃色>
「ペグー王国(ハンタワディー)」・・・モン族
前回記述。

<紫色>
「ランナー王国」1292-1775年・・・タイ族
1261年、グンヤーンの君主となったメンライは、各地のムアンを征服したり、同盟して勢力を拡大し、1292年にハリプンチャイ王国を滅亡させ、1294年ウィアンクムカームに遷都したが、ピン川の氾濫で水没したため、1296年チェンマイに遷都した。
サーヤン教授によれば、ナーンの窯址発掘時の出土物をC-14年代測定したところ、13世紀を示したという。これはモン陶と同時の時期で、類似性が喧伝されるシーサッチャナーライやスコータイを早回り、やや疑問に感ずるが、14世紀には開窯していたであろう。
北タイでは13世紀後半から14世紀初頭にかけパヤオとナーンが操業を開始している。
14世紀には、上記カロンの他にサンカンペーンが開窯するが、パーンはやや遅れてからであろう。




                                 <続く>


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