旧・太田南村と吉永村の境を才ノ峠(当地では”さいのと”と呼ぶ)と云い、峠の頂上に才ノ峠神社が鎮座し、その祠に才ノ神が祀られている。
先ず、場所をグーグルアースを借用して紹介する。
大田南村と吉永村の間には山塊が横たわっている。今日、写真の中央部分の山塊は削られ家並となっている。才ノ神を祀る神社付近を拡大すると、以下の通りである。
グーグルアースでは分かり辛いが、神社がある処が峠の頂上になる。
写真の右側が大田南村への旧道。左の坂は現代の住宅地向けにつくられた道路である。その道路建設のために、写真中央の位置に神社は遷座された。つまり才ノ峠の頂上に才ノ神が祀られていたことになる。
才ノ神は賽の神とも云い、Wikipediaによると、賽の神は村や集落の境にあって、他から侵入するものを防ぐ神。邪悪なものを防ぐ塞の役割を果たすことからこの名がある。道祖神とも云う。村境は異郷や他界との通路であり、遠くから来臨する神や霊もここを通り、また外敵や流行病もそこから入ってくる。それらを祀り、また防ぐために設けられた神である・・・と記している。つまり才ノ神も賽の神も道祖神も結界を示していることになる。
大田南村と吉永村の境に在る才ノ峠にある道祖神は、峠の頂上に鎮座していることから才ノ神と呼んでいることになる。ところでそれは、写真の祠に安置されているが、双体道祖神か男神かはっきりしない。祠の扉を開ければ分かるのであろうが、御開帳でもない限り、怒りに触れて祟りがあれば大変である・・・といことで祠の内部は分からない。
いずれにしても、道祖神は集落の境に存在し、邪悪なものの侵入を防ぐ結界の役割を、果たしていることを現認することができた。
<了>